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積読一掃キャンペーンで読んだ本シリーズ。
あまりにも高く積み上がった積読の山を1週に2〜3冊づつくらい意味が分かろうが、分かるまいが、読んでいくぞ、と決意して読んでいる。が、だんだんスピードが落ちてきたね。。。まあ、年内は、とりあえず、読書は、積読を減らすことに集中します。
といっても、もともと、興味はあるが、難しくて、読むのを止めた本たちなので、どれもなかなか手強い。。。
さて、「ナショナリズムの生命力」。これは、ナショナリズム研究の基本図書の一つ。
昔から、どうして「ナショナルリズム」はかくもパワーがあるのか?というのに興味があったのだが、なかなか読めなかった。ものすごく難しいわけではないが、内容の濃さ、圧縮度はかなり高い。ちょっと油断すると、なんの話しだったか、分からなくなる。
ナショナリズム研究の必読書に「想像の共同体」というのがあって、ナショナリズムは、比較的最近の発明(といってもヨーロッパ近代くらい)で、印刷技術の発展と国民文学の登場によって、形成されたフィクションである、みたいな話しになっている。
これに対して、こちらは、ナショナリズムは、もっと根深いよ。という立場らしい。
というのが、事前のイメージだったのだが、読んでいると「想像の共同体」と全く違う感じではなく、ナショナリズムの発明時期はもう少し前かもしれないが、比較的新しい発明であるというところは一致。
が、これがなかなか乗り越えの難しい、深いものであることを多角的に示している感じですね。現実的、悲観的な感じがするかな?
個人がアイデンティティをどこに求めるのか、自分は何ものであるか?
という根源的な疑問にナショナリズムが密接につながっているということですね。人間って、この問いに対する答えをフィクションでもなんでもいいから欲しいんだね。
個人的には、身近なところで、組織や社会のシステムとか、システムの境界とか、そういうことに関して、なるほどな発見が多数あった。
「ナショナリズム」関係の本も、もう少し読んでみるかな。。。