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死の病原体プリオン みんなのレビュー
- リチャード・ローズ (著), 桃井 健司 (訳), 網屋 慎哉 (訳)
- 税込価格:2,090円(19pt)
- 出版社:草思社
- 発行年月:1998.7
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紙の本
生物学のそれまでの常識を覆した病原体プリオンについての研究を追う
2001/05/20 00:55
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投稿者:福田 健吾 - この投稿者のレビュー一覧を見る
感染症の背後に細菌が隠れていることが分かった後、病気の原因は全て細菌であると考えられた時代がある。例えば野口英世は黄熱の原因として細菌を追い求めた。が、黄熱やインフルエンザにおいては細菌は遂に発見されず、当初は予想だに出来なかった細菌よりもはるかに微小な病原体・ウイルスが原因であることがやがてはっきりした。
「病気の原因は細菌とウイルスがある。」理解は変わり、病原体が引き起こす現象についても理解が進んできた。病原体の持つ遺伝情報こそが病気の原因である、と誰もが思った。
ところが、まだ全ての病原体を記述できていたわけではなかった。
パプワニューギニアに暮らすフォア族に見られたクールー、100万人に1人自然発生するクロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)、一時話題になった狂牛病等の研究の結果、意外な事実が明らかになっていった。
「動物の脳内で増殖し、脳を破壊して宿主を死に至らしめる病気の原因は、プリオンと呼ばれるたんぱく質である」とそれまでの生物学に対する理解を根底から覆す説が唱えられたのである。
本書はクールーやCJDの研究成果を丁寧に追い、プリオン説が唱えられるまでの経過を記す。プリオン説の巻き起こした衝撃が門外漢にも伝わってくる。この分野ではガイデュシュック(1976年)、プルシナー(1997年)と二人のノーベル賞受賞者を出している。ここにも科学界の受けた衝撃が現れていると思う。
センセーショナルな話題ばかりが先行した狂牛病について知るにも絶好の書。なぜ騒がれるのか、狂牛病が人間に感染する可能性なども実に分かりやすく解説してくれている。
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