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10人の作家さんによるミステリー・アンソロジー。有栖川先生の作品は、火村・アリス両先生v 『暗号を撒く男』通天閣の暗号を見に行ってみたくなった♪ 恩田陸先生の『給水塔』殺人が起きたかどうかも想像上でしかなく、謎のまま終わってしまう。軽く漂う暗い雰囲気が好きでした。
2006.8.16〜8.19。
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イメージ参照(http://blogs.dion.ne.jp/kentuku902/archives/5192860.html)
(収録作品)トゥ・オブ・アス(法月綸太郎)/モルグ氏の素晴らしきクリスマス・イブ(山口雅也)/給水塔(恩田陸)/眠り猫、眠れ(倉知淳)/泥棒家業(若竹七海)/切りとられた笑顔(柴田よしき)/見知らぬ督促状の問題(西澤保彦)/ダックスフントの憂鬱(加納朋子)/暗号を撒く男(有栖川有栖)/かぐわしい殺人(近藤史恵)
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ベストセラー作家が待ち望んだ最高の聖夜がとんでもない惨劇に。人喰い給水塔を見学した元判事の脳裡に去来した恐るべき真相。夫と親友の浮気を知った妻がとった意外な行動。顔さえ知らない父の突然の訃報に直面した母娘の胸中。七年ぶりに再会した憧れの女性と奇妙な殺人事件…。十人の人気作家が不可思議、不条理な事件を描く珠玉のミステリー・アンソロジー。(「BOOK」データベースより)
モルグ氏の素晴らしきクリスマス・イヴ―(山口雅也)
暗号を撒く男―(有栖川有栖)
ダックスフントの憂鬱―(加納朋子)
見知らぬ督促状の問題―(西沢保彦)
給水塔―(恩田陸)
眠り猫、眠れ―(倉知淳)
泥棒稼業―(若竹七海)
かぐわしい殺人―(近藤史恵)
切り取られた笑顔―(柴田よしき)
トゥ・オブ・アス―(法月綸太郎)
たいていアンソロジーものの有栖川氏の作品は既読で、ちょっと不満(笑)。
この「暗号を撒く男」は好きな作品ではないのでなおさら……。
タイトルどおり、どの作品も不条理です。
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2014.4.1処分
山口雅也『モルグ氏の素晴らしきクリスマス・イヴ』★★
有栖川有栖『暗号を撒く男』★★★
(「ペルシャ猫の謎」に収録)
加納朋子『ダックスフントの憂鬱』★★
西澤保彦『見知らぬ督促状の問題』★★★
恩田陸『給水塔』★★
倉知淳『眠り猫、眠れ』★★
若竹七海『泥棒稼業』★★
近藤史恵『かぐわしい殺人』★★
柴田よしき『切り取られた笑顔』★★
法月綸太郎『トゥ・オブ・アス』★★
(『二人の失楽園』の改題、『ニの悲劇』の原型)
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(15.07.26読了)
残念ながら、収録されている短編のほとんどが響かなかった。
タイトルにもなっている不条理さを期待して購入したものの、どれもそれほどの不条理さを感じない。
好みの問題もありそうな気はするが、少なくともエンターテインメント性から見たら大して面白くない。
恩田陸『給水塔』だけは不気味な雰囲気がそそられるので良かったが、彼の著書にも収録されているのでそちらで十分かな
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法月 綸太郎
有栖川 有栖
が気になった。
恩田陸は夜のピクニックがあんま好きじゃなかったから敬遠してたけど、この中の短編はなかなか面白かったから違うの読んでみようかな。
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どの作品も面白かった。
既読の作品もあったけど、面白いものは何度読んでも面白い。
タック&タカチとも、ものすごく久々に再会できたし。
初版が平成10年ということで、時代を感じさせるところも多々あるのも好もしい。
・加納朋子
事件は毒を含んでいるけれど、語り手の少年や、その両親のキャラがほんわかしているし、後味も悪くない。タイトルや、その意味も好き。
・恩田陸
ぞくっとさせる雰囲気が、恩田さんならではのうまさ。あの後、何が起こるのか、、、
・若竹七海
これまた、まさに若竹さんだ!という展開に嬉しくなる。泥棒家業の2人の女性コンビ。色々計画しても、そううまくはいかないことって、ままあるよね。
・近藤史恵
香りの使い方にびっくり。女性の業、なのかな。。。
・柴田よし
奈美の甘ったれた考えが根底にあるとはいえ、あんな悲劇に見舞われるほどの悪人ではないのにね、、、ネットサーフィンなどの扱いが、時代を感じさせる。
・法月綸太郎
『二の悲劇』を再読したくなっちゃったな。
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帯につられて購入したが期待ほどではなかった。ただ、通勤電車のお供には最適。不条理な殺人と銘打ってあるが、本当に不条理さを感じさせる作品は少なく、山口雅也の作品のみがとんでもなくブッとんでる感じを受けた。
不条理な殺人は起きないのだが加納朋子の作品が個人的には良かった。
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本屋で表紙買い。約18年前初版で絶版していたそうで、内容もその頃の、携帯も普及していないしインターネットは普及しはじめたばかりの頃を舞台にした話が多い。
「不条理な」とタイトルにある通り、まあ被害者にとっては理不尽な動機で殺される殺される。
暖かい話、泣ける話、ミステリ的な推理要素の強い話とバラエティに富んでいて、1冊まるごと面白く読めた。
トップバッターの山口雅也「モルグ氏の素晴らしきクリスマス・イブ」の、ギャグとしか思えないドタバタ劇の中にある悲哀が良かった。
他に好きだったのは柴田よしき「切り取られた笑顔」時代を感じさせるものの、主人公の行動に対しての容赦ないオチには考えさせられるところがあった。
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ふと見かけて買ったアンソロジー。ちょっと期待しすぎたかもしれない……あと発売年がけっこう前なのをちゃんと理解せず読んだので少し古さも感じた。やっぱりさすがだなあ、と思ったのは恩田さんので、設定とかで好きだったのは近藤史恵さんの「かぐわしい殺人」かなあ。他はあまり好きではなかった……まあでも、有名だけど読んだことない作家さんが結構いるので、初めて読む作家さんの文章の雰囲気知るためにはよかったです。
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法月・山口・有栖川の名前が並ぶ短編集なんて…手に取らないわけにはいかないじゃないの…。
というわけで、ミステリアンソロジーです。
表紙を飾る見取り図は、世界初の探偵小説、「モルグ街の殺人」の犯行現場のものであります。
何でモルグ街の殺人???
って真っ先に思った偏屈愛好家は私です、はい。
あれだよね、あれはあれで不条理な殺人って言えなくもないもんね?(雑)
閑話休題。
ざっくり感想いきまっす。
オープニングの山口作品が一番面白かったのが、一番不条理だったかな…(うまくない
(山口先生、もしかしたら悲喜劇の名手とかって言われてるんじゃないかしら?と思ったけど、特にそういう書評もないようなので大きい声で言うのはやめときます(悲)。)
有栖川作品は後半のネタバラしでかなりシラケちゃったし(ええー…)、
西澤作品と恩田作品ではちょっとゾッとできて盛り返したんだけど、
倉地作品は牽強付会って言葉がチラついたし、
極めつけの法月作品は、お前があいつであいつがお前で??ん??ってなってしまった。短編を読む身構えで読むべきじゃなかった。
でも、こういうアンソロジーの醍醐味って、一冊で何度も異なる読み応えを体感できるってことだと思うので、読み物としては2つ星でも必ずワンランクアップするって言うね。あるよね。
【内容まとめ:今回は(も?)ミステリキーワードで括ってみました。話数多くてまとめるの面倒くさかったとかじゃないよ←】
◉モルグ氏の素晴らしきクリスマス・イブ/山口雅也…連鎖する悲劇。
◉暗号を撒く男/有栖川有栖…見立てと暗号(?)
◉ダックスフントの憂鬱/加納朋子…意外な展開(うーん、苦しい)
◉見知らぬ督促状の問題/西澤保彦…意外なラスト・安楽椅子探偵
◉給水塔/恩田陸…隠された真実
◉眠り猫、眠れ/倉知淳…ダイイング・メッセージ(伝わることを意図しない被害者の思い)
◉かぐわしい殺人/近藤史恵…プロバビリティの殺人
◉切り取られた笑顔/柴田よしき…衝撃のラスト(これも苦しい)
◉トゥ・オブ・アス/法月綸太郎…入れ替わり殺人。
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ミステリの名手たちが一堂に会した贅沢な一冊。
さて、今宵のお相手は......。
『給水塔』
恩田陸の、あの心がざわつく空間。
普通なのに、どこからか聞こえてくるかすかな声。
ただ、散歩仲間とのろのろ歩く。
その給水塔は「人食い」と言われている。
ある老人はそこに鬼がいた、という。
ある女性はそこで倒れ、命を落とした。
そして小学生の男の子はそこで姿を消した。
どうして彼らは給水塔の周りでそんなことに巻き込まれたのだろう?
真実に迫るほどに何かがおかしいと感じるようになる。
そして、読者と登場人物が一つの答えに行き着いた時、ずっと聞こえていた言葉がどこから来て、何と言っているのかに気づく。
はっきりと聞こえるその言葉は、......。
『切り取られた笑顔』
今となってはやや古めかしいものに感じるパソコン関連の諸々。
今更ネットサーフィン、なんて当たり前のことすぎて死語といってもいい。
しかしそれはここではさほど重要ではない。
重要なのは自分と他人の関係だ。
夫が浮気をしているようだ、笑顔で写っている写真を見て妻は愕然とする。
彼女は被害者であったが、それゆえに加害者であったという事実に人はおののく。
相手のことをちゃんと見ているか、目の前の人を大切にしているか、それは技術の進歩により、さらに一層の切実さを増している。
『ダックスフントの憂鬱』
以前どこかで読んだ。
いつかはすっかり忘れてしまったが、この物語の衝撃は変わらない。
弱いものを狙う悪意。
先日根を同じくする凄惨な事件が起きたばかり。
弱いものなどいらない、不要、無駄。
そうして切り捨ててみたり、こいつらなら抵抗しないとばかりに己の万能感を満たしたいばかりに傷つけてみたり。
一体この恐ろしい行為は、考えはいつ無くなるのだろう。
見えない悪意に対して、私たちはどう防御し、どう立ち向かっていけるのだろう?
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不条理アンソロジーと申せど、クオリティからジャンルまで様々で、最後の法月綸太郎のはそんな落とし方でええのかいなとおもいつつもやっぱりハードボイルド風味で。
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恩田陸「給水塔」の不穏な空気感が独特で印象的。
後半の近藤史恵、柴田よしき、法月綸太郎著の三編が女同士のあれやこれやが絡み合っていて おもしろかった。
柴田よしき「切り取られた笑顔」に関しては、「ネットサーフィン」についての説明があったりして ここで初めてこれいつの作品??と思ったら20年も前の作品だったのですね。この時代のネット事情を思い出して懐かしい気持ちになった。今時のコにはわからない設定かもしれない、けどネットの海は昔よりいまのほうが広い。
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一作一作の完成度が高く、何より、通勤電車の片道でちょうど一話が読み切れる、この絶妙な長さがとても良かったです(笑) アンソロジーとしてのテーマが「不条理な殺人」ということで、どうとでもこじつけられるというか、統一感はあまりなかったかも。
気に入ったのは「モルグ氏の素晴らしきクリスマス・イヴ」と「給水塔」。前者はこのアンソロ内でもダントツの不条理っぷりがなんとも(笑) 後者は一般的な推理小説とは一味違った構成と、穏やかな文章に漂う怪談めいた不気味さが良かったです。