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娘の不倫相手、ちゃらんぽらんな石沢と奇妙にも仲良しになってしまうカタブツの父。浮気する男と、したくてもできない男。
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絶妙な人間心理と家族のあり方を描いた物語。
自分の娘の恋人は妻子持ちだった。
という少し重いテーマの物語かと思ったら、登場人物の心理描写が巧みでその重さが良い味を出している。
娘の不倫相手と奇妙な友情を芽生えつつあった主人公の古田の気持ちもよくわかる。
良い意味で滑稽な物語かと思ったらそうではない。
深層心理…というかもっと人間の感情の深い部分を突っついて描いている。
だから読んでいて面白い。
さりげない人情味が溢れていて好きな物語です。
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(内容)
小心、生真面目な中年サラリーマンの娘が妻子ある男と同棲。怒った父親は相手の男と対決するが、いつの間にか通いあうものが……
(amazon.comより)
(感想)
堅物のオヤジが、生涯初の不倫をしよう……という日に、娘が妻子ある男と不倫していることが発覚。オヤジは、(未遂に終わったけど)自分の不倫は棚に上げて、娘を怒り爆発!娘の不倫相手にも怒り爆発!
娘は娘で、オヤジに反発&不倫相手への気持ちを抑えられず。
娘の不倫相手は石田純一じゃないけど"不倫は文化"みたいな考えで。
"女遊びしたいし、相手がOKしてるんだから、したっていいじゃん"という発想で。
オヤジの妻は、娘の不倫相手の妻と接触して、お互いに心理戦。
娘の元恋人未満・友人以上・・いや、ただの友人は、不倫をやめさせるための駒のように使われながらも、娘のことを本気で好きで。
この他、娘と不倫相手のお膳立てをしてしまうスナックの夫婦やら、娘の同僚やらまで登場して、話は展開します。
後半面白かったのは、オヤジと 娘の不倫相手の心理変化。
自分の中にある"男としての助平心"と向き合って、(その助平心の赴くままに行動する)娘の不倫相手に徐々に共感も覚えてしまうオヤジ。
父親や夫としての倫理観で、助平心を抑えるオヤジの姿に、自分には無い凄さを感じてしまう娘の不倫相手。
結局最後は、不倫は終息。オヤジも不倫は未遂で終わるのですが。
男心を、向田邦子がうま〜く転がしてる感じが凄いと思った。
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スペシャルドラマを見たので読んでみた
小説だと心情描写があるので、個々の感情がわかりやすくていい
お父さんは堅物という事ですが、行動を見る限りはそんなには見えないけどなぁ・・・
ま、言動とか考え方はそうなのかもしれないけど
でもやっぱりねぇ
ま、そこがリアルな人間描写って事か
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会社の女子社員との不倫を計画したその日、娘が妻子ある男と同棲を始めることを知り…他者によるノベライズ
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内容はまあ普通。
話自体がそこまで長くないので、娘の父親と不倫相手が意気投合する心理描写にはあまり共感できなかった。この辺はドラマありきな感じがする。
家族熱の方が話に厚みがあった分、面白かったかな。
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父の三回忌の帰り、飛行機の中で読むために購入。機内でイッキ読み。
いやあ、ラストに向けて主人公が「蛇蝎のごとく」忌み嫌っていた主人公の娘の元不倫相手を、好きになる、とまではいかないが憎からず思うようになるというか、なんとなく同志と思うようになるというか?、あ、いや「乃木大将とステッセル」みたいになっていく。
で、ラストの夕暮れの雑踏の中で2人がばったり会うシーン、しびれますねぇ。さすがだなぁ。
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向田邦子その2。人生初の浮気をしようとしたときに、娘の不倫発覚。真面目なお父さんと娘の不倫相手の間に、いつしか同志的な友情のようなものが芽生えるという。読後はさわやかな温もり。
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さすが向田邦子。といっても、これはほかの方がシナリオを小説に書き換えたもので、読もうか迷っていました。読んでみると違和感なく、一気に向田邦子の世界に引き込まれました。それぞれがそれぞれの思惑の中でいろいろなことを考え行動し、でも、本当の悪人はいなくて、憎めず、くすりと笑える。この巧妙さ、情けなさ、人のおかしさ、向田邦子さんは人を見る眼差しが温かいのだなあと毎回思う。
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だいぶ時代背景が古くなってしまったが、いい加減な性格も几帳面な性格もどちらもそれなりに捨てがたい魅力がある?という話
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再読。妻子ある男性と不倫する娘とカタブツの父親の物語、だと思っていたら浮気もできないカタブツの父親と娘の不倫相手の浮気癖のある男の物語になってきて、驚くと同時に面白かった。浮気され続ける妻と浮気と無縁の妻の会話も深かった。結局はみんながもとの場所におさまるのだけれど、男二人だけが未練がましく相手を思うのも、妙な面白みがあって、さすがは向田さんだと感心させられた。
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とても読み易い。 如何にも昭和のコメディータッチもドラマのよう。 ただそれだけ。 終始感情が揺さぶられることなく終了。
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「向田邦子」の『蛇蝎(だかつ)のごとく』を読みました。
1981年にNHKの土曜ドラマ向けに書かれた放送台本を「中野玲子」が小説化した作品です。
「向田邦子」作品は、時々、読みたくなるんですよねぇ… でも、思い起こしてみると2009年3月に読んだ『眠り人形』以来なので、ほぼ2年振りの「向田邦子」作品ですね。
-----story-------------
小心・真面目なサラリーマン「古田修司」は、近く退社するという部下の女子社員と一世一代の不倫を計画していた。
だが、その当日、妻が会社に来る。
娘「塩子」が妻子ある男「石沢」と同棲を始めようとしていたのだ。
「遊びか、真剣か」とつめよる「修司」に「石沢」は「遊びだ」とうそぶく。
不倫をテーマに、微妙な人間心理と家族のあり方を描く。
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娘を持っているわけじゃないんですが、、、
主人公の小心・真面目なサラリーマン「古田修司」に感情移入して読むことができました。
親としての怒りや哀しみ、男としての欲望や苦しみ… 感情移入できたのは「修司」の心の動きがとてもリアルに描かれている気がしたから。
女性である「向田邦子」が、男性の気持ちを巧く表現できるのは不思議だけど、それが「向田邦子」作品に共通することだし、惹かれる要因なんですよね。
好きだけど嫌い、嫌いだけど好き… 矛盾だらけの人間味溢れた魅力ある登場人物たち。
その登場人物一人ひとりの性格が巧く描かれていることや、台詞回しのテンポの良さも、他の「向田邦子」作品と共通することですね。
作り物ではなく、生身の人間を感じさせる登場人物たち… そして彼(彼女)らの心の機微、特に男性の心の動きを的確に表現されていることには、本当に感心します。
台詞はテンポの良さでけではなく、ユーモアもふんだんに含まれていて、、、
当事者は真剣そのものなんでしょうが、傍から見ていると、クスッ… と、思わず頬を緩めてしまうような台詞があり、さすが「向田邦子」作品だなぁ。 と感じながら、そして楽しみながら読みました。
あと忘れちゃいけないのが、女性の視点からのドキッ!とさせられる台詞。
女性って、そんな視点からモノを見てるんだ… 怖いなぁ… と思わせる台詞が「修司」の妻「かね子」や「石沢」の妻「環」から発せられるんですよね。
こんな台詞を読んでいると、男性の方が単純でわかりやすいなぁ… と感じます。
「乃木希典」と「ステッセル」に例えられた「修司」と「石沢」が、たまたま交差点で出会い、握手をしようとした手を同時に引っ込め、やあと手を振って潔く歩み去るエンディングは良かったなぁ。
特にこの二人の関係が良かったし、印象に残った作品でした。
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小心者で頑固一徹のサラリーマン、古田は53歳。部下で27歳の女性社員から会社を退職したいと相談を受けたのをきっかけに、古田は彼女との不倫願望を抱くようになる。ところが、そんなタイミングに妻から会社に電話があり、23歳の娘の不倫を知らされる。慌てふためく、古田と妻。ちなみに、作品名の蛇蝎(だかつ)とは「へびとさそり。人が恐れ嫌うもののたとえ。」という意味のようだ。
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なんか分かるな、古田さんの気持ち
腹立たしさ、悔しさ、羨ましさ、罪悪感がぐちゃぐちゃになったのだろう