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こどもたちに語るポストモダン みんなのレビュー

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みんなのレビュー7件

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7 件中 1 件~ 7 件を表示

紙の本

「正しい」ポストモダン

2001/05/31 14:13

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:呑如来 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ポストモダンなる言葉を大いに流行らせる元凶を作った本人による、「正しい」ポストモダン講釈です。全て本当の書簡のようですが、こんな手紙をもらったら、この人ちょっとおかしいのでは…と思ってしまいそうな、真面目な考察がつまっています。カント以降の哲学の流れは、ここに収められている10の書簡を読めばなんとなく頭に入ってしまいます。ポストモダンとは何ぞや、大きな物語って何ぞや、という答えがここにあります。

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紙の本

子供向けではなかった

2007/07/25 00:27

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:仙道秀雄 - この投稿者のレビュー一覧を見る

「こどもたちに語るポストモダン」とあるのでてっきり子供にも分かるように比喩とか、イラストでポストモダンの現象を説明するのだと思っていた。残念ながらそうではなかった。1924年生れのリオタールにとっての子供世代にあたる若い哲学者たちに宛てた書簡集だった。遺言のような趣もある。

手紙の当事者たちにしか分からない事情や、わたしが西欧哲学業界に疎いこともあって、わたしには分かりやすい本とは言えないが、ところどころで言葉が光っていた。

「19世紀および20世紀は、われわれに嫌というほどのテロルを与えてきた。全体と一に対する、概念と知覚可能なものに対する、透明で伝達可能な経験に対する、ノスタルジアの代価を、われわれはすでに充分に支払ってきた。弛緩と鎮静への要請が広がる中で、テロルを再開し、リアリティの支配という幻想を達成しようという欲望がつぶやくのを、われわれは耳にしているところだ。それに対する答えはこれだ。全体性に対する戦争だ、提示しえないものをしめしてやろう、さまざまな抗争を活性化しよう。名前の名誉を救出しよう。」(36ページ)

世は、交換価値万能である。交換価値は幻想だが、数字化され、足され、引かれ、掛け算され・・・されるとリアリティーが発生し、モノの具体物よりも上のように思われる。実際貨幣は現在米ドルとしてこの数世紀を通じて富の至上の抽象形態として世界じゅうを闊歩しているではないか。あらゆる具体性は貶められている。わたしの、あなたの、彼の、彼女の、我々の名前がそうであるように。

「『時間を稼ぐこと』こそが成功であるような世界において、『考える』ことは、ただひとつの、しかし矯正することのできない欠点をもっている。『時間を食う』ということだ。」(67ページ)

その挙句世界はM&Aまっさかりとなった。かのS氏も上場目的はM&Aのためだと言っている。考えていたのでは暇がかかりすぎるということだ。これほど思考が忌避されるとは。

 小林秀雄はこう言っていた。考えるという言葉は、<かむかふ>であって、これは身を交ふ、つまり相手の身になりきって見るということ。こんな大事な<考える>ことが時間の下に、効率優位の思潮に呑みこまれている。

「あらゆる物とあらゆるふるまいは、それらが経済的交換にくみこまれうるかぎり受け入れられる(許される)という原理は、政治的意味において全体主義的ではないが、言語的関係においては全体主義的なものだ。というのは、それは経済というジャンルの言説に完全な主導権を許すから。このジャンルの単純な規範的定式は、『ぼくはきみにこれを譲ろう。もしきみがその代わりにあれを譲ってくれるのなら』というものだ。そしてこのジャンルが特性としているもっとも重要なことは、つねに新しい『これ』を交換の中へと招き入れ、そして支払いによって、それらがもつ事件としての潜勢力を中和してしまうということだ。」(100ページ)

仮に世の中のカテゴリーとして経済、政治、文化のみっつがあったとして、今の世は経済のカテゴリーが圧倒的で、政治も文化も押しつぶされている状態だ。経済は貨幣的に合理的で等価交換されているので言説がイメージが販売され、立ち居振る舞いがマニュアル化されて販売されてもそれは経済的に正当なこととされる。その結果、言説もイメージも立ち居振る舞いも比較考量の可能な世界にはいり、かけがえのなさは失われる。

訳者の菅啓次郎さんのあとがきがよく出来ていると思った。

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2004/11/09 20:45

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2010/06/20 00:57

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2011/04/23 17:06

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2011/07/21 15:08

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2018/07/01 10:23

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