紙の本
実体験に基づく正統派ミステリー
2002/01/08 11:23
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投稿者:かけだし読書レビュアー - この投稿者のレビュー一覧を見る
主人公は銀行に勤める融資業務を担当している伊木。同僚であり友人でもあった銀行員・坂本の不可解な死を追いかけるうちに、銀行内部と融資先企業の闇の部分が浮かびあがってくる。
あまり話題にならなかったようですけど良かったです。作者自身の体験を元に書かれているだけあって、リアルさも抜群。突飛な展開もなくややこじんまりとしてるんだけど、組織の中で信念を貫き奮闘する主人公の生き方や亡くなった友との友情、そして淡いロマンス等、堅苦しくなりそうな題材を上手く調理してます。大雑把に例えるなら黒い家のホラー部分を割愛したような作品。おすすめ。
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二都銀行の本社企画部から左遷され、渋谷支店融資部で課長代理,伊木。
同じ支店同期が坂本死亡。
妻は元恋人。蜂アナフィラキシー・ショック体質を利用した殺人。坂本の顧客から他行の講座に3000万円送金。昔担当していた東京シリコンとベンチャー半導体企業信越マテリアルの倒産。資金回収で金の流れを追う。東京シが手形割引で融資をさせ、信越マテリアルに送金。信越マテリアルから債権回収。ATMの録画テープと店内のテープを調べる。副支店長の北川が隠していた。上司と飲みに行った帰り襲われる。犯人はリー。
北川が愛人のバーの資金で金が必要。
北川も偽装交通事故で殺される。
信越マテリアルの買収を仕掛けた二都商事の山崎は買収に失敗し出資に変更。和議申請に成功。東京シリコン社長が自殺。その娘と事件を探る。
仁科佐和子へ4500万円の振込み。企画部の先輩の話からテンナイン社長が仁科。銀行内の派閥争いも信越マテリアル不祥事が絡んでいた。信越の社長に会いに行く。
難波仁科は信越マテリアル元社長秘書兼愛人だった。帰りにタンクローリーに襲われる。直後に難波が自殺。仁科を訪ねる。黒幕は山崎。乱闘の末、倒す。リーが奈緒を狙っている。マンション入り口で待ち伏せされる。リーの本名は山崎。腹違いの兄弟。刑事が助けに来て助かる。奈緒が東京シの再建プラン。伊木は管理責任者。
感想:三菱銀行から見ると己の出世欲の為に人殺しを厭わないのは三菱商事
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44回江戸川乱歩賞受賞作。
同作者の本、けっこう読んだ後で読む形になってしまったので、星3つ。
やはり後続の作品の方が的が絞れていたり、展開がおもしろかったので。
ただ、これが原点なんだなぁといった感想。
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「空飛ぶタイヤ」の作者の初期の?作品。
さすが元銀行員。銀行のことなら任せて、という感じです。
1人の銀行員が亡くなった同僚の死を疑い始め、自分の身を危険に晒しながらも真実を追い続ける、というカッコいい話です。
ただ出てくる女性達との関係がいまいちわかりにくかったです。
でも面白かった。
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債権回収を担当していた同僚が死んだ。謎の言葉と、不正の疑惑を残して。彼の妻は、かつて「私」の恋人だった……。先端企業への融資をめぐる大銀行の闇に、私は1人、挑む。
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【果つる底なき】 池井戸潤さん
二都銀行融資課担当の伊木。
彼は担当地域を回っている最中、回収途中の坂本に会った。
銀行の仕事は融資で、問題の無い貸し出しの返済管理は
融資課でも行うが、倒産等で行き詰った企業から
貸し出した金を返してもらう仕事は回収担当の坂本の仕事だった。
伊木は彼に「回収か?」とたずねると、
彼は「なぁ、伊木・・これは貸しだからな」と
謎の言葉を残し、その場を後にした。
その後まもなく、坂本が車の中でぐったりとしている所を
発見され、意識の戻らないままに亡くなった。
司法解剖の結果、死因はハチに刺されたことによる
アレルギーが引き起こしたショック死だった。
彼の死後、顧客の口座から坂本名義の口座へ不明の送金のが
発覚した。送金元の顧客の関知しない送金であった。
伊木は坂本の死と不正な入金に疑問を抱き、彼が最後に
残した言葉の意味を思案し、調べ始める。
そして、過去に伊木が融資をし、回収困難になり
坂本に担当の替わった「東京シリコン」が関係している
コトを突き止める。
☆
派閥に属すコトや出世に関心を示さず、ひたすら
己の信念に基づいて行動する銀行屋と
半導体の将来性に魅せられたベンチャー企業経営者
そして、ベンチャー企業経営者をスケープゴートとし
半導体でシェアトップの座を獲得しようとする男。
殺し屋までもが出て来て、ドキドキ。。
息つく間もなく一気読みです。(^^)
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なかなかおもしろかった。
ただ、銀行取引についての知識がないので、細部で理解できなかったところが自分自身残念…。
傑作「空飛ぶタイヤ」を読んだ後だったので、やっぱりどうしても読み劣りはしてしまうかな。
銀行のことをよく知っている人ならもっとおもしろかったのかも。
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2011-2 デビュー作。読み応えはあるがやはり暗い。主人公は孤独、周りの人は金の亡者や出世の亡者、そのために人を殺す。利己的人間がほとんど。上司は下司野郎。まさに以降の作品のルーツが詰まっている。
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第44回江戸川乱歩賞受賞作。
少し前に読んだ『下町ロケット』が良かったので同じ作家の別の作品を読みたいと思い図書館で借りてくる。
ひじょうに読みにくかった。銀行の内情がわかるのは興味を持てるが、人がこんなにも殺されたりするのはちょっと。
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同筆者の「シャイロックの子供達」や「空飛ぶタイヤ」が面白かったので、小説デビュー作である本作を手に取ってみた。デビュー作から銀行関係の小説を書いていたのかぁ。
先に読んだ2作に比べ、人物の心理描写が物足りなく感じる。ハードボイルド的なミステリーであり、淡々と進む印象を受ける。何作も書くうちに巧くなったってことかしら。
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前半の銀行関連の話がとっつきにくい。
話の題材や展開はとっても面白いものだったが、人が簡単に死んだり、ハリウッド映画のように、取ってつけたかのようなタンクローリーの出現!に、ちょっと違和感あり。
でも面白かった。
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銀行を舞台にしたミステリー?小説。
融資や銀行の裏側が描かれていたのは面白い。
けど中盤以降ハードボイルド展開になったせいか、急に非現実的になってしまった感がある。李の存在も何となく浮いているような感じがする。
解説に「銀行ハードボイルド」ってあって的を得ていると思ったけど、個人的にはどっちつかずな感じになってしまったような気がする。
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今年の直木賞受賞作家の作品ということで興味を持って。ちょっと物足りないですね。曜子の存在は必要だったかなあ…最後の方の盛り上がりは少しどきどきしたけれど、途中、淡々と進みすぎているように思います。
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流れやリズムは良かったが、オチに向けて、銀行モノなのにポコポコ人が殺されの、アクション展開には無理があると思った。
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銀行内部を描いたミステリー小説
ハードボイルドぽさもあるかなぁ~。
池井戸さんの、デビュー作らしいです。
銀行小説のわりに人が殺されすぎ~(汗)