紙の本
語り手が次々と入れ替わる迷路のようなミステリー
2002/03/31 23:22
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投稿者:tact - この投稿者のレビュー一覧を見る
ワープロを始めたばかりの主婦の日記ファイル、という軽い出だしで物語がスタートします。他愛のない語りの中にちらちらと不安感を覗かせます。その日記はいきなり途絶えてしまい、以後順々に書き手の名前が冠せられたファイルが追加されて一つの殺人事件を追っていきます。
書き手がぐるぐる変わるこのファイルは何なのか、書き手と事件のかかわりは何なのか、混乱させられたまま、しかしとても読みやすくテンポよくストーリーは進行していきます。読ませ方がいつもながら上手だなと思います。ただ後半部分は起伏に乏しく長く感じられました。
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岡嶋二人コンビを解散した後の長編小説第2弾。かなり早い段階でネタは分かってしまうが、それでも読ませるのはさすが。これらのファイルが作成された目的・意味まで描かれている点が素晴らしい。
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もうね、止まらないですから。
最後までなにがなんだかわからないけど
最後は矛盾なく全部すっきり解決してくれる。
まあ、この人の小説は何読んでも安心して楽しめます。
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自分を語る人物がいる・・・という恐怖から始まるのですが、
次々に予想を裏切られて、驚きの結末です。
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これを読んでから、小説にはまりだした。
全然オチが読めなった!読んだあと「・・・ぅぉお!」となる。
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初めて行く図書館。
それなのにあなたはもう貸出カードを作ってるじゃない!って言われる…
初めて夫の職場へ電話をかけたのに。
あなたは奥さんじゃないですね。僕は何度も奥さんの声を聞いたことありますから。って言われる…
待ちに待った夫の帰ってくる日。
夫に抱き着いたら突き放される…
こんな感じでこの話は展開されていきます。
最初の方は本当に意味がわからない。
なんで?どういうこと?誰が関わってるんだ?
って色んなことが頭の中をグルグル…
最後まで読んでやっと理解。
そういうことか!あーすっきり。
うまい具合に騙されてた。
だけどすっきり。
ストーリーは5人の異なる?(笑)各人の打ったファイルを各章として進んでいくから、視点がくるくる変わってそれもまた面白かったです。
やっぱり井上夢人の書く文章は最高だ。
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一枚のフロッピーディスクから奇妙な事件が始まります。
ストーリーは、フロッピーの中のファイルを読み進める形で 展開します。
最初はハテナがいっぱいです。
このあり得ない状況がどうやって片付けられるんだろ…って思ってたけど…
それは、サスペンスだと思い込んで読んでいたから。
発想を変えればなんてことはない。
そーゆーことかー!!と納得できました。
私的には、二回えーーーって驚かされました。
なかなか面白かった一冊でした。
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う~ん、残念・・・。
冒頭からミステリ感溢れててこれはおもしろそうと思ったら途中から雲行きが怪しくなってまいりました。もしやと思ってたらそのまさかの多重人格という結果に・・・。
そらどんな風にもおかしく書けるわな。
数少ない最後まで読めなかった本になりました。
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ワープロのファイルで話を進めるといったスタイルで新鮮だったが、話の視点がコロコロ変わるので最初の方は読んでて混乱した。
伏線を回収していくところはスッキリしたが、救われない話しで後味が悪かった。
また、最後のファイルが空白なのはあまり好きではないな、落ちを付けてほしかった。
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何人ものいろんな日記、手記からなるこの小説。
最初なにか起こってるのかわからなくて、こんがらがってしまったけれど、読んでいくうちに意味がわかってくる。
1994年の作品だけれど斬新!
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途中からなんとなく先が読めちゃうかもしれません。でも、へーなるほど的なのも最後らへんにあって、なかなか楽しく読ませて頂きました(^_^)
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多重人格者の話だろうと序盤からは想像がついたものの、読み終えてびっくり、想像を超えた結末でした。
さらっと読めて面白かった。
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作品解説:へんなことがあった。なんだか、今でも不安で落ち着かない。あれはいったい何だろう。私が私じゃなくて、あなたはあなたじゃない…6人によって書かれた53のファイルを読みながら、自分の存在を確かめていく。
向井洵子、高幡英世、奥村恭輔、藤本幹也、若尾茉莉子、ゆみ、それぞれの主観で書かれた文書。読み進むうちにあなたは不思議な世界に囚われるでしょう。最初の文書に登場する謎で冒頭から作品にのめりこめる点は、さすがは井上作品というべきでしょう。
勘の良い方ならすぐに謎が解けるかもしれません。
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どこかおかしい、自分に成りすましている誰かがいる。
そこから始まる物語はどういうことだ?の連続でどんどん読み込ませてくれました。
中盤でこれは多重人格の話なのかな?とわかるのだけど、この人もこの人もこの人もだったのか!後を絶たない驚きで最後まで読ませる手腕は今読むと
もう手垢のつきすぎてる感のあるテーマだけれどお見事。そして後半は自分の内部に深く押し込めていたものまで暴かれるかのような変な錯覚に陥った。自分にも閉じこめてる誰かがいるではないかと。
そもそも果たして自分とは、、なんだ…?
最後のページには驚かされた。
ええっと声を上げた後、思わず笑いが出てしまった。
圧倒されると究極笑ってしまうのかと。非の打ち所のない完璧な着地。この傑作を知らないままにせず今この時に読むことが出来てよかった。
遅ればせながらもっと井上夢人ワールドに浸りたいと思わせてくれました。