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コルドバの殉教者たち イスラム・スペインのキリスト教徒 みんなのレビュー
- K.B.ウルフ (著), 林 邦夫 (訳)
- 税込価格:3,080円(28pt)
- 出版社:刀水書房
- 発売日:1998/09/01
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紙の本
「洗礼か死か」よりはマシにしても
2023/07/31 12:04
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投稿者:オタク。 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ユダヤ教徒以外の「異端」や「邪教」に対して「洗礼か死か」だった中世のキリスト教社会に比べれば、イスラーム社会はアラブの多神教徒を除くと貢納を払えば許容されていた。それでもイスラーム教徒の支配者の被保護者という位置付けであり、キリスト教社会の封建君主の気まぐれや信仰心によってユダヤ教徒が迫害の対象となったのと同じ運命がイスラーム圏の被保護者にも待っていた。
後ウマイヤ朝期は昨今のイスラーム原理主義者みたいな信仰によってユダヤ教徒やキリスト教徒を迫害していなかったとはいえ、敢えて殉教の道を選んだ人々は「邪教徒」の支配者のお慈悲で被保護者として生きていくのが嫌になったのだろうか。聖エウロギウスはアラビア語のみならず明らかにクルアーンもよく知っていたらしく、預言者ムハンマドを批判する為に彼がザイドの妻ザイナブを妻として迎え入れた事を取り上げている。これはクルアーンのスーラ33、岩波文庫の井筒訳で言えば中巻の末尾にある部族同盟章の中にある啓示だ。このクルアーンの啓示を使ってムハンマドを批判する場合、聖エウロギウスは洗礼者ヨハネと対比するよりサムエル記下12章にあるウリヤを死地に追いやってバド・シェバを輿入れしさせたダヴィデを批判した預言者ナタンの批判の方がよかったのではないか。
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