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紙の本
成田空港という本屋について
2007/06/30 12:17
4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:くにたち蟄居日記 - この投稿者のレビュー一覧を見る
出張前に成田空港の書店で購入した。出張中に一気に読んだ。
まず第一に本書は1998年刊行であるから8年前の本だ。最近8年間を踏まえて本書を2007年に読んでみると著者の慧眼が随所に感じられる。特に米国の1998年当時の米国スタンダードの世界への押し付けへの警鐘は その後の9.11を十分に予言している。また もう一点としてIT産業が国家安全保障の鍵となるという指摘も 書かれたのが1998年である事を勘案すると 実に鋭い指摘だ。まだ日本が ネットバブルを迎える前に ネットのもつ一つの本質的な「顔」をきちんと描き出している。
次に本書の題名が「国家の論理と企業の論理」でありながら「企業の論理」が余り出てきていない点が興味深い。むしろ「国家の論理と個人の倫理」という題名の方が相応しいのではないか。それほど読んでいて自省を迫られるものがある。
次に作者の寺島が三井物産の社員である点だ。これは三井物産の懐の深さだと思う。かような本を書ける著者を数十年に渡り 抱え込んできた三井物産の凄みがある。戦前には外務省をしのぐ情報力を誇った三井物産のDNAは健在なのかもしれない。
最後に思ったのは成田空港の本屋に関してだ。繰り返すが 本書は1998年刊行であり 今回2007年に購入した本は初版本である。本屋が この本を選んで置かない限り 空港の本屋といった狭い場所に本書が置いてあるわけがないと思う。そう考えて見ていると 結構固い本も置いてある。これは本屋としての 主張であると判断する。出張で時間がある時くらいは きちんとした本を読めと店主が言っているのかもしれない。
実に刺激的な本であった。早くも再読したい。
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