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例えるなら、ミレイの「オフェーリア」のような。草いきれと匂いと、川の音が印象的な、朦朧とするような物語です。ちびちび読まず、いっきに一晩で。
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兄の夏織を誰かにとられたくない、という柊一の、兄の秘密を探るお話なのでしょうか。(要約は死ぬほど苦手)
不安と期待がいりまじる、少年の気持ちが切なくて綺麗です。
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風景の描写のひとつひとつが美しいです。
文章が醸し出す雰囲気から、草や水のにおいが伝わってくるような気がします。夏の気分に浸りたい時に黙々と読むのがすき。
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兄夏織を追い求めて、彼の秘密を探ろうとする柊一。夏織が冷たいのは本当は柊一を守るためだった。//夏織兄さんは柊一にしか見えていないのかもしれません。
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美しい鉱石の光、すがすがしい草の香りのするような独特の文体で、淡く切ない少年の姿を描く作家・長野まゆみの単行本化されなかった幻の作品「カンパネルラ」と「銀木犀」の2編と詩篇を収める。
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カンパネルラも、同時収録されている銀木犀も
美しくて静かな物語でした。
この二つの物語のキーワードは『隠れ処』ですね。
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110424読了
まじ耽美な文体だなあと
無垢で透明な中の、昔話みたいな怖さとか好きな人は好きだろうなあええ好きです
銀木犀のが幻想的で好きです
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大人不在の少年だけの世界。「カンパネルラ」とは何かの説明は一切なく。夢か現か。境界線があいまいな物語は、あいまいさを残して幕を閉じる。
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萩尾望都先生の短編と空気が似てるなと思いました。明るいのどかなはずの風景の影の底知れない暗さ。なんでこうなったとか聞くのはマナー違反な気がします。
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表現がとても綺麗で、透き通るような文だと思った。
カンパネルラの最後、柊一が兄を追って行くところまでの流れがなんでか良く分からないけど、悲しくなってしまって、泣きそうになった。
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夏季休暇に兄の暮らす祖父の家を訪れる柊一。やがて、水路の奥には兄の秘密の隠れ処があることを知る・・・。
この季節になるとふと、長野まゆみの本を再び開きたくなる。
彼女の描く水と幽玄の世界は、今、その季節に読まねばならないと思わせる魔力があるからだ。
渇望を充たしてくれるはずの水、そのはずなのに・・読み進めるうちに溺れさせられる。
降り注ぐ雨はあの世とこの世の境をあいまいにするし、刻々と姿を変える川もまた同じだ。どこまでが現実でどこまでが幻なのか、柊一にはわかっているのだろうか?
読み終わった後もずっと後を引く感傷と謎がいつまでも心を掴んで離さない、それがあちら(幽玄=本の中)とこちら(現実)の世界によく似ている気さえさせてくれる。
長野初期の掴みどころのない曖昧さと、美しい文体に魅了されることは間違いありません。ぜひとも夏に手にして欲しい一冊。
姉妹作品の銀木犀はまた似て非なる一冊。
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『カンパネルラ』と『銀木犀』の二作収録。
カンパネルラは銀木犀の原型なのかな?
少年と水と木と。
タイトルで『銀河鉄道の夜』関係かと思いきやそうでもなかった。
だけどこのタイトルで水辺とボートだから不吉な予感をぬぐえない。
暗示して想像させる種類の作品だから、意味を考えたくなる。
川を下る風景に『鏡の国のアリス』や『雪の女王』を連想する。
隠れ家には『秘密の花園』を。
でももっと後ろ暗い、雰囲気を読むおはなし。
『銀木犀』は昔よんだ。
銀木犀だとわかっているけれど、これのせいで花が開く直前の辛夷を夜に見るたび卵っぽいと思う。
ルビをたくさん使う装飾的な文体がちょっと苦手。
昔はそんなに気にならなかったんだけどな。
「小魚(いさな)」という言葉が何度か出てくる。
私は「勇魚(いさな:くじら)」が先に浮かぶので変な感じになってしまった。
でてくるものも綺麗だけどピンとこない。
この辺が宮沢賢治っぽい。
岡本かの子も好きそうだと改めて思った。
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中編2編、再読。
ファンタジーというかホラーというか幻想というか、美しい言葉で表現された世界だけれど、銀木犀が不気味に怖い。
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梅雨の時期にはいつも「銀木犀」を読みたくなります。じめっとした雰囲気がとても好きです。〈カンパネルラ〉柊一はなぜかいつも兄の顔を思い出せない。絵から漂う銀木犀の香り。あれは兄なのか、それともカンパネルラか。〈銀木犀〉泥に沈んでいった雛鳥。喉の渇きを潤すため林檎を食べる燈水の姿が、柘榴を食べる月彦に重なる。「死んだ鳥の躰の中にある卵を食べるとね、ずっと少年のまゝでいられるんだよ」