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天才アームストロングのたった一つの噓 みんなのレビュー
- ジェイムズ・L・ハルペリン (著), 法村 里絵 (訳)
- 税込価格:1,100円(10pt)
- 出版社:角川書店
- 発売日:1998/11/19
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紙の本
「もし完璧な嘘発見器があったら」という素朴なテーマの、できのよいSF
2002/08/01 00:05
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投稿者:やすみつ - この投稿者のレビュー一覧を見る
内容は、天才主人公の、100%の嘘発見器「トゥルース・マシン」開発をめぐる物語。
21世紀前半と設定されている時代は、20世紀の続き以外のナニモノでもない。1990年代の実際の事件に続けて2000年代、2010年代の事件の記録を書かれると、なかなかリアリティがある。と言うか、「1995年東京でアサハラ・ショーコーが地下鉄に毒ガスを撒いた」という事件記述も妙にフィクションの臭いになってしまう。
その中で本来最もリアリティの無い「天才」主人公と「トゥルース・マシン」を上手に組み込んでいるのが上手さだろう。
一例を挙げると、優秀な技術者を「マイクロソフト社から」ヘッドハンティングしている。20年後の世界ならさもあらん、そりゃそうだろうと思わせる内容だ。でもこれまでのSFではこんな記述は見た覚えがない。
ストーリーは、政治と経済をかなり意識した内容となっている。天才は、自分の興した会社を守るために、経済小説もどきの陰謀に巻き込まれる。敵の罠にみすみす落ちていくのを読むのが苦痛で、本の半ばで一時中断したりした。
後半、天才にとっての障害は自分自身になり、それがストーリーの中核となるが、ここでは省略。
小説全体を通して見ると「もし完璧な嘘発見器があったら」という素朴なテーマの、できのよいSFとなる。恋愛は、商取引は、政治は、社会はどうなるか。考えさせられるところ大である。
社会として、プライバシーを守る権利を放棄し、新たな人間関係を元にしてよりよい社会を作っていこう、末は世界政府だ、というのは作者の本気の理想であるらしい。半分だけ賛成しておく。
1050円は高くなかった。
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