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紙の本
五感を研ぎ澄まして。
2003/05/02 23:45
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:yuuko - この投稿者のレビュー一覧を見る
人には「五感」と言う物があって、どんな人にもそれは備わっていると思うけど、江国さんには人より特別な能力が備わっているのではないかと思う。
彼女の作品はいつも彼女独特の感性と、世界で綴られていると思うが、
その原点は彼女のこういう生活感や、感覚の成せる業であると言う事がよく解る。私にこういう感覚があったなら、どういう生活を送るんだろう?
このエッセイは江国さんの子供の頃や、今でも大切にしている感覚や、生活の仕方について、季節や天気による自分の気持ちについて、人にわかり易い文章で書いてある。それらを読む事で自分にもこういう気持ちを、感覚を持ったと言う記憶が戻ってくる。
雪の日の楽しみ方
初秋の長袖を着たときの安心感と肌の感じ
紅茶の綺麗な紅い色
台風の日のワクワク感
知らない町での朝の散歩の新鮮な空気
かえるが手に乗ったときの温度の伝わり方
着慣れたセーターのぬくもり
雨の日の折り紙の少しだけ湿った感じ
ココアとホットチョコレートの違い
などなど
こういう感覚を心にとどめるか否かで、生活と言う物を大切にするかしないかが変わってくるのかもしれないと感じた。
こういう感覚を持ち続けて生きている事は幸福であると思う。
生活がマンネリだと思っている人に、感覚が鈍ってしまったと嘆く人にお勧めの一冊です。
紙の本
おいしいエッセイ。
2001/07/23 06:35
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投稿者:nme - この投稿者のレビュー一覧を見る
江國さんの、はじめてのエッセイ集。ことばがおいしい。文章がおいしい。それは、江國さんがあとがきで書いている通り、「少しずつ冷凍する」ように書かれたからなのだと思う。日常に散りばめられたさりげない感情や、風景、とりとめのない記憶など、さっとつかみとって瞬間冷凍した、という感じ。鮮度が抜群にいいのだ。
江國さんは豊かだなあ、と、いつも思う。満ちたりた日常をおくる満足げな江國さんの表情が想像できる。毎年5月になると、ある日突然カルピスが飲みたくなる、とか、雨が降ると、さあおりがみをおらなくちゃ、と思う、とか、ほほえましい。そして、そういうのをたくさんもっていることがうらやましい。
江國さんは素敵なおすそわけをしてくれる。ケネス・グレアム(石井桃子訳)の「たのしい川べ」とか、スイカシェイクとか、小さなオルガンのための貴重な作品集とか、ゴッホの「雨」とか、ユトリロの「雪の積もった村の通り」とか、さっそくみたり飲んだり聴いたりしたくなってしまった。
江國さんがくれるおすそわけは、本や音楽や絵画だけじゃない。感覚や感情までもおすそわけしてくれるのだ。僕の感覚は、もはや江國さんの影響からは逃れられない。雨が好きなのも、「感情の温度」を意識するようになったのも、他にもいろいろ、江國さんが僕に植えつけてしまった。
また、江國さんの文章を読んでいると、いろんなイメージを喚起させられる。主に自分の思い出。数少ない保育園の記憶(額を切ったこと、節分の鬼に恐怖して泣きわめいたりこと)、せつなさの学習(僕の場合、「おおきなのっぽのふるどけい」)、梅雨明けの景色、運動会、おしおき、雪の下校道…。
僕はこのエッセイがほんとうに好きだ。これからも、何度も、何度も読むだろう。自分の感覚がにぶってきたなあ、と思ったとき、この本はとてもよく効く。
紙の本
みずみずしい言葉たち
2002/06/17 03:12
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投稿者:アセローラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
江国さんが今まで出会った人や、幼い頃の思い出、訪れたところなどを書き綴ったエッセイ。それにしても江国さんの言葉たちはなぜこんなにみずみずしいのだろう。短い文章のなかの言葉1つ1つに温度が感じられるというか…。記憶の中の話でも、鮮やかに映像やにおいが浮かび上がってくる。このエッセイを読んでいる間はいつもと違う空気感に包まれました。
紙の本
たくさんのすてきなもの
2002/05/25 20:13
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投稿者:天鳥 - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者の30歳記念に出版されたこのエッセイ集には、心に残っているたくさんのすてきなものが表現されている。
それは人であったり、キャンディであったり、カエルであったり、子供のころの行事であったり、音楽であったり、形はさまざまなのだけれど、著者のみずみずしい作品を作り出した糧なのだと思うと、その創作の秘密を知ったようでわくわくしてしまった。