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さまざまな事故をNHK記者として取材してきた著者の言葉にはたいへん説得力がある。対談もいくつかおさめられているが、事故の状況が具体的にスッと出てくるのが驚き。すごい記憶力。柳田邦男の著作は絶版がけっこうあるようだが、あらゆる文献を渉猟し、実地に当事者に取材をして書く柳田邦男の真骨頂はこの2、30年前の著作に現れていると思うので、この本も絶版にしないでほしい。
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私がずっと思い続けていることを、
歴史的事実を再現しつつ証明していく形で論が展開されているが、
その内容が、私にとっては少々難しすぎたというのが率直な感想である。
「人間の健康度」の記述について、
「若者や子どもがその世代と時代なりの生き方をしようとするのを、
受け容れる心を持っているか」
というところに、すごく反応してしまった。
官僚も地方公務員も、同じような失敗の本質を持っていることに、
この国に対する危機感を募っているのは私だけではないことが、
この本を読んで感じられたことである。
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医療、阪神大震災、効率追求型の社会の事故について、戦史の4章から述べられており、特に戦史からは、
・零戦はアメリカと飛行機と比べ、phirosophyが異なっており、1対1には強い旋回性をもっているが、パイロットを守らない構造であった。アメリカは、パイロットを育成する観点から生き残るように作っていた。
・日本の敗因は、戦略上の失敗や組織上の失敗が多く、その裏には、論理的な思考ではなく、主観的な「空気」の思考から失敗している。
・今後日本が必要なのは、論理的アプローチで特定の成功体験にしがみつかない思考が必要であると述べている。
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社会問題の原因を究明するだけではなく、
ではどうするか?という提言がなされているところが素晴らしいと思う。