紙の本
当時のミステリを茶化した一冊
2018/09/30 18:55
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投稿者:J・P・フリーマン - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリを小ばかにしている読者を小ばかにするようなメタなミステリ。殺人事件が起きた翌日、ピーター・ウィムジィ卿、ポアロ、ブラウン神父を明らかにイメージしている探偵たちが登場する。モデルとなった探偵たちの手法を用いて密室殺人の謎を解明しようとするが……。アンチミステリのようなパロディのような、そんな作品です。
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ミステリファンなら読んで損なし!
2002/12/18 00:21
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投稿者:ピエロ - この投稿者のレビュー一覧を見る
村の屋敷でおこった殺人事件、それも密室で。村の警察がくるのはもちろんなのだが、どこからか噂を聞きつけてやってきた、その名も高き名探偵、しかも三人も。村の警察ビーフ巡査部長の迷惑顔も相手にせずに、それぞれに調査活動をはじめる名探偵たち。犯人を見つけ出すのは、はたして誰なのか?
この三人の名探偵、ロード・サイモン・プリムソル、ムッシュー・アメ・ピコン、スミス師というのが、それぞれイギリスの貴族探偵、ベルギー生まれの灰色の脳細胞の持ち主、傘を持ち歩く神父、のパロディで、(訳文のおかげもあるのか)捜査方法や話し方など、誇張されているところはあるものの本家にそっくりで、読んでいてうれしくなってきます。
もちろんキワモノのパロディなどと違ってミステリとしてもしっかりしていて、とてもスマートな英国流のユーモア(っていうんだな、これがきっと)にあふれていて、ミステリファンのためのミステリ、といった感じの一冊です。
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名探偵登場
2001/06/01 11:38
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投稿者:松内ききょう - この投稿者のレビュー一覧を見る
ミステリ好きにとって、小憎らしいほど痛いところを突かれる、文句なしの作品。
パロディーと読んでいいのか、でも取って付けたような迷推理ではなく、では本家取りと呼ぶべきなのか、かといって二番煎じ的な冷笑ムードがあるわけでもなく。ポンと煙りとともに登場したかのような、魅惑的な(笑)探偵たちが繰り広げる、推理合戦。その推理合戦の小説中での扱いの実にシニカルなこと。これがデビュー作だったらしですが、ぜひ続きを読んでみたいですね。
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不可能犯罪の謎を解くため現場に乗り込んできた、三人の名探偵たち。彼らは周囲の人々を煙に巻きながら推理合戦を繰り広げる。この三人はそれぞれピーター卿、ポアロ、ブラウン神父のパロディで、いかにもそれらしい言動と、原作にはないうさんくささのバランスが絶妙。(あえて言うなら、スミス神父には「〜じゃよ」とか「〜じゃが」とか言わないでほしかった。創元のブラウン神父はそういう話し方はしないもの。)気軽で楽しい読み物である。
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ウィークエンド・パーティの夜、閉ざされた部屋で起こった殺人事件。翌朝現れた三人の名探偵たちがそれぞれ推理をつくして謎に挑戦するのだが……。
ピーター卿、ポアロ、ブラウン神父を思わせる三人の”名探偵”たちのいかにもな言動や、そこに向けられたシニカルな視線にニヤニヤさせられる。ロジックやフェアさに多少の難は感じるものの、多重解決あり、ドンデン返しありと、ただのパロディには終わらずミステリとしてもなかなか巧妙。
肩の力を抜いて愉しめる逸品。
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英国ミステリ好きに捧げるユーモアミステリ、とでも言いましょうか。ビーフ巡査部長シリーズの1作目。
タイトルの通り3人の『名探偵』が登場しますが、それが、ピーター・ウィムジイ卿、ポワロ、ブラウン神父のパロディキャラクターという見事なまでのパスティーシュです。読んでる最中、それぞれ『名探偵』の台詞回し、行動パターン、思考過程など素晴らしい模写っぷりで感心しっぱなしでした。
特に、プリムソル卿(←ウィムジイ卿のパロディ)が、お付きの執事であるバターフィールド(←もちろんバンターの以下同文…)に、古書のオークションに自分のかわりに行ってくるのを指示しつつ、「購入したい本にはカタログへ上限価格を記入しておいた」と言い放ったとき、あまりのキャラクター模写の愛らしさに床をのたうち回りましたよ。素晴らしい。
『名探偵』3名とも、ちょっぴり安っぽい(うさんくさい)雰囲気のパロディで笑って楽しめます。
ミステリとしても、『名探偵』3名が考える事件のカラクリが、いかにもそれぞれのキャラ風の思考過程に基づいている雰囲気ばっちりで、多重解決モノの展開、たっぷり楽しめました。
英国ミステリ好きの人にオススメ!(一応、セイヤーズ、クリスティ、チェスタトンをそれぞれ1冊は読んでいて、各元ネタ名探偵を知っている状態で読むことをオススメします)
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パーティの夜に起きた密室殺人に、ピーター卿(とバンター)、ポワロ、ブラウン神父を模した探偵たちがそれぞれ「彼ら」らしい捜査をはじめます。
語り手はパーティーの客・タウンゼント青年。それぞれの名探偵についていって、凡人の反応をするいわゆる「ワトスン役」の役割を意図的に演じている節があって笑えました。
結末の展開は途中で想像できてしまうけれど、各探偵のパロディが期待通りに進む楽しさがあるので良いと思う。
あとがきによればビーフ巡査部長とタウンゼントのコンビのシリーズ1作目なんだとか。なるほど!
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ピーターとバンター、ポワロ、ブラウン神父のパスティーシュ。
推理形式は毒入りチョコレート。
ノックスマシンの引き立て役連盟で本作を知った。
ノックスマシンではヘイスティングスとバンターがタウンゼントのことをめちゃくちゃにこき下ろしていたけどなるほどと思った(笑)
ポワロもウィムジィも本家では、警察の知っている情報はちゃんと把握してることがほとんどだから、こんなミスはしないだろうなあと思いつつも、
彼らの性格は良く捉えられている気がする。
ポワロとウィムジィを全部読んだ者としては終始ニヤニヤしながら読み通した。
欲を言えば、バターフィールドには、卿のこと閣下って読んでほしかったなあ。
他のパロディもいろいろと読んでみたいな〜
●▲◼︎
解説に、各名探偵が登場してすぐにピンと来なければこの作品を読むのはまだ早い
って書いてあって、
分かるも〜ん
と(笑)
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チェスタトン、セイヤ-ズを読み終えていたので面白さが何倍にも!
パロディ小説のジャンルに入れられるのか、あまり評価されたとは聞いてない。知らなかっただけなのかもしれないが。
これは面白い。シリ-ズを探して読んでみたい気がする。