紙の本
1999/2/1
2000/10/26 00:15
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投稿者:日経ビジネス - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の失業率が戦後初めて米国の失業率を上回った。金融システムの安定化などの経済対策が打たれているが、雇用不安は一向に解消されていない。いまや雇用対策こそ焦眉しょうびの課題と言える。
これは長期、安定を前提としてきた日本型の雇用システムの終焉しゅうえんなのか。著者は雇用情勢の悪化とシステムの課題を混同すべきではないと主張し、日本独自の「職能制度」が決して機能を失っていないことを論証する。
従来の日本型雇用システムの延長線上にある「漸進的な改革案」には賛否両論があるだろうが、雇用問題の本質を考える契機になるはずだ。
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日本型経営のステレオタイプなイメージだけで、日本の雇用制度と実情を理解した気になっている人は多いと思うけれど、それを日本型職能システムの特徴を掘り下げることによって考えさせるような一冊。
「外部環境、内部環境」という視点、「労使関係-技能形成-生産性の高機能連関」という視点などで切り込んでいく点は面白い。
しかし、ドイツとアメリカとの比較となると、同じような記述が繰返されていて、少しお腹いっぱい感が残ります。
日本の職能システムを中心に、三国の違いをさらっと理解するというレベルであれば得るものは大きいですね。
年度末、年度初めは忙しくて・・なかなか読書が進みませんでしたぁ。
これから挽回します。本棚で何冊か待機してますんで。
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[ 内容 ]
年棒制や業績給、専門職制や契約雇用制等の導入により、日本型雇用システムは「市場指向型」「流動型」へと本当に変化していくのか。
著者は、アメリカ、ドイツのモデルとの比較を通して、日本独自の能力主義である職能システムを核とする日本型システムは、情報・金融産業が経済の主導権を握る現在においても、その優位性を失っていないことを論証する。
「戦後最悪の失業率」という危機的状況の背後にひそむ問題の本質を見抜き、雇用を守るために真に必要な「漸進的」改革と選択を問う。
[ 目次 ]
序章 「雇用危機」の正体
第1章 雇用システムの構造と機能
第2章 「市場型」システムとは何か
第3章 日本型能力主義―職能資格制度
第4章 日本型システムの高パフォーマンス
第5章 機能低下はなぜ起こったのか
第6章 内部労働市場と職業別労働市場
第7章 日本の雇用はどこへ向かうのか
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