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探り探りですが
2017/01/09 22:50
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投稿者:かなぶん - この投稿者のレビュー一覧を見る
S&Mシリーズ2作目を読みましたが、最初はすべてFになる
最後の謎解きに探偵役が皆さんすべてわかってたと思ってました・・・うん、バカにされてるようでイライラする笑
まだ2作しか読んでないので次もこの返しだったらやだな〜
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N大学助教授・犀川と同大学生・西之園が訪れた低温度実験室。 その衆人環視、密室状態のなかで、院生二人の死体が発見された。 犀川&西之園コンビが謎に迫る。シリーズ第2弾。
取り巻く環境、推理していく工程がまさに理数系(笑) でも、解き明かされた謎は、いかにも人間臭い感情が漂っていて、そのギャップが面白かった。 動機についてはとってつけたような感じかしないでもなかったけど、それでも楽しめる作品でした。
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KirchhoffとNeumannの一意性の定理はポテンシャル論に対する基礎である。なぜならば、解の一意性が確立されるときは、与えられた境界値問題の一つの解を求めれば、”その”解が真の解となるからである。(p.7)
犀川は、自分の授業でも試験は一切しない。問題を解くことがその人の能力ではない。人間の本当の能力とは、問題を作ること。何が問題なのかを発見することだ。(p.11)
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慣れたのか、面白いのか(?)一気に読めた。私は、ミステリー読んでる時に、トリックや犯人を考えることはしない。どうせ、読者には条件の全てを差し出されてる訳じゃないから、読者にはわかんないようになってるのさ。が、これって読んでて「ああ、犯人」って思った人が、犯人だった。根拠ないのに(苦笑)
やっぱり、動機が弱いかな。でも、犀川と萌絵のコンビの会話は面白い。ここが、このシリーズの魅力か…。
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ある意味非常にシンプルな密室もの。でも、今まで読んだ中では一番心にすっきりと来る作品だった。おもしろかった。
特に登場人物たちの生態がおもしろくて、なんとなく「あるある」って思いながら読んだ。そういう気分を、僕はこのシリーズに求めているのかもしれない。
トリックそのものというよりも、問題が解かれていく過程が、とても気持ちがいい。読み終わるとそれしかないって感じの答えなのに、どうして気がつかなかったんだろうと思う。例によって大筋の結末はわかっているつもりで読んでいたのだが、今回は答えよりも解き方がいいなって思った。それも好みにあった理由だろう。
探偵役のふたりも、だいたい自分の好きなパターンになってきているような気がする。いい感じである。
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毎度のことであるが、書評をするつもりはないことを先に述べておく。
前作よりも科学用語が減って、かなり素直に読めた気がする。『HP社のWS……』と書かれた記述を何の違和感もなく『ヒューレットパッカード社のワークステーション……』と読めた辺り、自分はそっちよりの人というか、森博嗣がやはり同胞に思えてきて面白い。
『すべてがFになる』のようなコンピュータを使ったトリックなら、私だからだろうが消去法で解けてしまう節もあったが、今回はそんなこともなく、ミステリーを読んでいるんだなと認識しながら読めたし、トリックは最後まで分からず、いや考えることはせずに、映画を見るお客さんの要領で読み続けた。実際この本一冊に二週間ほどかけて読んだわけだから、状況は理解していても人物の動きなど覚えてなどいない。だが、エンターテイメントとしても読めたのはやはり森博嗣の描き出すキャラクターのおかげであろうと思う。
言ってしまえば、私はトリックにはあまり興味がない。ミステリーを読む姿勢が間違っているなどと言われそうだが、実際そうなのだから仕方がない。ならば、何に興味があるかと言えば、そこに生きる登場人物の心理に他ならない。何度も殺人現場に姿を現す主人公を生々しく描いたものなら読みたいと思うが、そうでなくともこの小説に登場する二人の主人公は事件に対するとらえ方は特殊であり、そこが森博嗣キャラクターの面白い点ではある。解説で切に述べられている、理系人物の描写がここにあり、とこの点は素直に感心する。そして疎かにして欲しくないのが、犯行側の心理描写。ここでは主人公を通した視点しか書いてはいないが、主人公の一人がそれを中心に考えるキャラクターのため、ボリュームとしては楽しめる。ただ、あまりにもアッサリと書かれている点は残念であるが、それで紙面を割いているような小説ではないのだろう。だが、言いたいことは伝わった。良い主人公を用意したなぁ、とありがたいばかりである。死を絡む描写に関する話は昨日の随筆で多少言いたいことは書かれていると考えるのでここでは割愛する。
しかし、これは私の特性だから仕方がないのだが、どうも私が享受したい内容に比べて、この本は厚い。いや、ミステリーでそれを享受しようという魂胆から間違っているのかもしれないが、お客さんとして解決まで連れて行ってくれるミステリーが成り立っているなら構わないだろうとも言いたくもなる。
最後に、勝手に解いてくれるって、なんて楽なんだ、などと素朴に思った。お客さんの要領でただ最後まで読むという思考を伴わない行為をしていれば、読者に解決までの道のりをガイドさんが連れて行ってくれる。この点で確かにミステリーは娯楽ではあるが、推理を娯楽としていない自分は、ちともったいない気がしないでもない。ただ、この前に推理ノベルゲームで、犯人が分からずに右往左往して先に進めないよりは読者に優しい。いや、そもそも目的が違うのかもしれないが。
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実質のデビュー作。
当方文系だが、理系の研究室の雰囲気がものすごいよくわかる。衝撃度ではすべFにかけるが(って当たり前。編集部もそう判断してすべFをデビュー作にしたんだら)緻密な密室トリック。大好きです。
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この人の作品、いかにも理系の人が書きました的作品で敬遠しがちだったんだけど、読みました。
ま、思ったより良く出来てる方じゃねーかな。(笑)
この作品が、森博嗣の作品でも読みやすい方だってーのもあるかもしんない。
理系が苦手な人間の感情的な部分も、ソコソコ上手く書けてると思うよ。
たださ〜、こーゆーのって誰でも書けるよね?
企画考えて、それを正確に文章にして…
レポートじゃないんだからさ、文章に一番大事な文章の「テンポ」ってモノを考えて欲しい。
読んでて読みづらく感じるのは、必要なことだけを書くから。
何のための日本語かわかってないよなぁ。
文章って声に出さなくても読みやすさ、音つーの?テンポが大事なのよね。
声に出して読みたい日本語でも読んで、もう少し勉強してほしい。
他の作品ではあまり気にならないのだけど、この人の作品はやけにそれが気になった。
ミスターサイボーグ(大学の頃の教授)を思い出したよ。
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シリーズ第2作目です。
私の中では、一番本格ミステリィっぽい作品である、と定義されています。
喜多助教授にフォーリンラブした方も多いのでは?
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酒を飲むと眠ってしまう男性は嫌いだ。
眠気に襲われるのはわかるけれど、それを乗り越えてもらわないと。
けれど、この作中で。
情けないことにあっという間に酒に酔い、眠りこけてしまう。
そんな犀川創平に、完全に、ノックアウト。
山奥、研究所、密室、不可能犯罪?
熱気、寒気、怜悧、秩序、混乱。
トリックも犯人もある意味とても納得のいくものではあるけれど。
何よりも、その犯罪を計画し、冷静に検討し、修正し、変更し、完遂する。
その意志の力に圧倒される。
たとえ他者には理解できずとも、構わない。
全てを賭けても守りたい何かを定義するのは、本人だから。
本人たちにとって、決して譲れない何か。それを侵す者を排除するのは、本人だから。
暑い熱い夏にこそ、この冷たい密室を堪能して欲しい。
凍えそうに冷えた、殺意を感じ取って欲しい。
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今回の殺人現場が大学の研究室内という設定がすごい。理系人間の頭の良さ、回転の早さを思い知らされる。ちょっと我々文系人間では事件を再現し得ないものだと思う。登場人物が魅力的。犀川の姿勢に作者森の思考をうかがい知る事ができる。「役に立たないもののほうが楽しいじゃないか…最も役に立たないということが、数学が一番人間的で純粋な学問である証拠です。人間だけが役に立たない事を考えるんですからね」う〜ん、なるほど
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森さんの話はやっぱり理数系だなぁ…。あんまり得意じゃない。事件自体よりも犀川の思考がおもしろかったです。最後の数学は何のために〜のくだりは特に好き。
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大学の研究施設の低温実験室が舞台のミステリーです。
犀川助教授とお嬢様学生の西之園萌が見学に訪れた夜に二人の学生が低温実験室で発見されます。
被害者はなぜ?犯人はどうやって実験室に入ったのか?
正統派ミステリーです。
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これ評価分かれるだろうなぁ。私には実験室やキャンパスがリアルにイメージできるのですが・・・。派手な仕掛けはないものの、納得できる展開。私は好きです。
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犀川&萌絵、いわゆるS&Mシリーズの2作目です。本来、これが作家森博嗣のデビュー作というか、4作投稿した連作の1作目だったらしいのですが、1作目にインパクトの高い作品を持ってくるために本来4作目だった「すべてがFになる」が1作目になったようです(森博嗣Wikipediaより)
・あらすじ
同僚の喜多助教授の誘いで、N大学工学部の低温度実験室を尋ねた犀川助教授と、西之園萌絵の師弟の前でまたも、不可思議な殺人事件が起こった。衆人環視の実験室の中で、男女2名の院生が死体となって発見されたのだ。完全密室のなかに、殺人者はどうやって侵入し、また、どうやって脱出したのか? しかも、殺された2人も密室の中には入る事ができなかったはずなのに? 研究者たちの純粋論理が導きでした真実は何を意味するのか。
この作品より、犀川の親友の喜多北斗が登場します。前回と違い、今回はオーソドックスな密室物。
解決までの時間も結構ながく、喜多や萌絵がさまざまなディスカッションしていろんな推理が飛び交います。
ただ、面白いのは三人が頭の良い理系人間なのに、三者三様の違いを描いているし、しかもその特徴が推理の仕方にも現れていて、うまく人物がえがかれているなあと感心しました。