紙の本
圧倒されました
2002/07/17 18:00
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投稿者:ブラックティー - この投稿者のレビュー一覧を見る
直木賞受賞の本作は、前作の『OUT』に比べると数段腕をあげた。
サスペンスというジャンルの中で、これほど人間ドラマを丁寧に描ける
作家は、他にいない。
「幼女誘拐事件」を軸に繰り広げられるストーリーは、リアリティーがあり、
実際に起こった事件のルポを読んでいるような錯覚に陥る。
『OUT』の猟奇殺人のような派手さはないが故に、ここまで読者を引きつける
本作は、やはり作者の筆力以外の何物でもない。
被害者の家族の葛藤、終わりのない犯人探し、そして家族崩壊。
残酷な現実を主人公が、生きていく様を淡々をした文章で綴る。
結末もいかにも作者らしい。
紙の本
女は不可解
2001/08/29 18:47
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投稿者:オルソン - この投稿者のレビュー一覧を見る
人物、ディテールがしっかり、みっちり描かれていて、小説を読んでいることのうれしさを実感できる。女性ならではの視点だ。やはり、同じ女性だからか、とてもリアルに感じた。人間誰もが持っている細かな心の揺れがうまく表現されている。
しかし、ガン末期の刑事、内海が登場してから少しつまらなくなった。こういうキャラクターなのはわかるが、この人の話し言葉に少し嫌悪を感じた。
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桐野作品の中でも、今のところ一番好きな作品。救いはあるのか。どこまでもエンドレスなのか。一筋の明かりはあるのか。けれどせつない作品です。
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高校の図書室で手に取ったのがきっかけだったんですが、この本は本当衝撃でした。
その後桐野作品読みまくりで現在ほぼ読破なはずです。。。(汗)
現実味のある話ですが、色んな思いが交錯してて凄く深いです。
一度読んでみるといいかもしれません。
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思っていたのと違うタイプの小説だった。すっかり推理小説だと思っていたのだが、人々の生活を描いているものであった…。ので、いつ謎解きが?いつどんでん返しが?と思っていた私にはとてつもなく苦痛であった…。読み方を間違えた…。
後半は納得したので、面白く読めましたが。 所々出てくる夢が一つ一つの物語として面白くできていた。答えではないのでちょっとした苦々しさだが・・。
ラストには賛否両論らしい。
確かに。
読み終わった直後には、今までいろんな人々の心情が語られていたのだから、同じようにユカの心情(オトナな5歳児…)を描くのも良い、と思った。が。
その直前の内海の夢との関連を考えると少々無粋…。
いや、だが、やっぱりラストの寂しさとあきらめの気持ちがこの小説を霞んだ、苦々しいさわやかなものにしているような気がする。
不倫相手の別荘にお互いの家族を連れてやってきたカスミの5歳の長女が失踪した。
4年間、カスミは長女ユカをあきらめきれずにユカを探し続ける北海道に探しに行き、そこで出会う内海と、振り返るこれまでの日々。
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結局○○は誰だったの?なんて思っちゃう人は読まないほうがいいと思う。人の心のひだをえぐるような描写を堪能すべき作品。
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【ストーリー】
取引先の石山と逢瀬を重ねるカスミ。お互いの配偶者と子供を連れて北海道の別荘地へと行く。ところが、翌朝カスミの長女・有香(5歳)が散歩に出たまま一人帰らない・・・。事件は迷宮入り、カスミは有香をひたすら捜し続け、家族関係も、カスミの意識も、石山との関係も、段々変容していく。ついには自分が昔家出するようにあとにした故郷をも余命の短い元刑事と訪れるが・・・。
【感想】
読んでいる時はテンポがよくて引き込まれた。最終的に結末は「・・・フーン??」という感じだけれど、全体的にはまあまあでした。人間を描くのがいつも独特にうまいなあと感じます。
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現代版『藪の中』。芥川龍之介のような人間性に問うミステリー。
極上のステーキのような、上質で、脂身のない、血のしたたる一皿を召しませ。
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不倫相手と逢瀬を楽しんだ翌日、カスミの5歳の娘が失踪してしまう。一瞬でも子供を手放してもいいと思ってしまった自分を苛み、すべてを投げ出し、余命半年の元刑事と娘を探し続ける。決して犯人探しに重点をおいているわけではないので、ミステリー好きにとっては不完全燃焼だったかも。
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なかなか奥の深い作品だと思います。展開が楽しみで、やめられないけど、終わりが近づくと結末を知りたくないみたいな、不思議な気持ちでした。
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この人の本、初めて読んだ。
故郷から逃げ出した美貌の妻・カスミの不貞。
その間に娘が行方不明になり、
妻は一人で娘を捜す。
舞台は北海道。寒くて寂しい。
内容も描写も全体的に暗い。救いがない。
鬱々とした気分にひたれる。
その救いのなさが、
私的には好きなのだけど。
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なにしろお母さんがミステリー好きだから暇つぶしに中学生ん時読んだ。
不倫の話だったけど、理解できてたのか不明。
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別荘地で5歳の長女が行方不明に。現代の神隠しか?
読みやすかったけど・・後半、妄想(夢)にはちょっと疲れた。
ラストはびっくりだけど、結構好きですね。
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たしかこれ直木賞受賞作品だったと思う。んで、当時「ニュースステーション」で、久米宏さんがこの本の紹介をしてたんだけど、本の結末しゃべっちゃったんだよね〜。私はその時はすでに読み終えていたのでセーフだったのですが、今から読もうと思っていた人にはあまりにも悲しすぎる出来事だったな〜と今でも記憶している。
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救いようがなく読後感が最悪。
それだけリアルに描かれているのかもしれないけれどもう一度は読みたくないな。