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紙の本

もっと知恵を!

2010/05/09 22:55

7人中、7人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:SlowBird - この投稿者のレビュー一覧を見る

地中海沿岸を席巻していたペスト禍が、遂に花の都フィレンツェにも伝播し、10万人もの死者を出した。その中で男女10人の若者がこの街を抜け出し、郊外の屋敷に10日間籠り、毎日一人一話ずつの物語を語った、計百話が「デカメロン」。語られる説話風物語の中身と、その背景の構成とが楽しみポイントでしょうか。なにせ14世紀、セルバンテスの2世紀前ですんで、しかし少し前のダンテ「神曲」の影響を大きく受けているのだそうです。
とにかく市がペストで半壊滅状態だというのに、それを見捨ててというのか、逃れてというのか、思い切った行動は斬新だ。その決断力、行動力、叡智を備えた若者達への賞賛の意識が、描写からは強く感じられる。そういう舞台背景を選んだのに深い意図があったのか分からないが、とにかく執筆当時の状況において、新たに立上がってくる希望、若い力を描きたかったように思える。
それぞれの物語は、聖人や王の逸話から、フィレンツェで語られている噂話のようなものまで様々だが、いずれも機知に富んだ人々の行動や言葉を学ぼうという趣旨の元での語りであり、困難を切り抜けて本意を遂げるといった話が中心である。哲学的であったり、真実や愛を称揚したりというものではないのだけど、それは中世という時代の見えざる枠なのだろうか。社会観なり人の生き方といった大きな構造に新たな進歩をもたらそうという意欲が希薄で、大きな世界観はギリシャ、ローマの古代に培われた枠組みで完了していて、知恵というのはその理解と活用の範囲に使われるということだ。その停滞から抜け出して、新しい世界観があり得ることを知るのが中世の終わりなのだろうが、しかし本作の構造は、当時の最も優れた知性のあり方をよく現しているのだろうと思う。あるいは、若き人々がさらに叡智を磨き、古い世代を乗り越えていこうとする姿勢の中に、時代の変わり目の萌芽があるのかもしれない。
物語一つ一つを見ても、権力者や既存の宗教者の権威を疑ったり、エロティックな要素にも女性が怯むことなく笑い、論考したりと、新しい世代への期待が込められていそうだ。
ところでこの講談社文芸文庫版は実は抄訳で、10日間のうち、3、4、7、8日目が略されていて、その他にも何話か省略されてます。いろいろ商業的都合はあるでしょうが、ちょっと悲しい気持ちになりました。

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2006/03/16 16:38

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2011/10/30 03:23

投稿元:ブクログ

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2012/09/03 22:39

投稿元:ブクログ

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