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紙の本
誘惑いっぱい、デパ地下の魅力
2001/05/19 06:44
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投稿者：川原 いづみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
デパートの地下一階＜B1＞。そこはたいてい、食品の世界です。そんな世界の裏話や四季折々の表情を伝えてくれるのが、この本。飲食製造系サービス業の方も、デパートの地下でついつい長い時間うろうろしてしまうという方も、楽しめる本です。
「社長、大変です！」の電話で、毎回持ち上がる騒動。それは変なものが入っていたから歯がおかしくなったというお客さまからのクレームだったり、ショーケースに『グルメなお客さま』が忍び込んだために、売り場がパニックになったという連絡だったり…。この『グルメなお客さま』に関する記述が面白かったですね。売り場立ち退き処分となり、大変な目にあったというのに、「周りにも同じようなものや、おいしそうなものがたくさんあるのに」うちのお菓子だけがやられた、と述べたあとで「あれだけたくさんあればタイプではないものには鼻もひっかけないという、思えば贅沢な彼らです。」とユーモアたっぷりに結んでいます。やっぱり職人として、自分の商品が一番おいしい！と自信があるのですねぇ。
第一章がそうした販売・製造側のちょっとくだけた『裏話』。第二章に入って、国内の百貨店の発祥、そこに食品部はどのように組み込まれ発展してきたのかが述べられています。ところどころに挿入されている昔の写真が興味をそそります。開設当時の三越食料品部の写真！ お客さんはどんな気持ちで買い物しに行ったんでしょうね？
第三章は、『B1歳事記』。B1における毎月のイベントをまとめたものです。B1で四季折々の行事をより楽しめるようになる、そんなガイドですね。改めて読むと、結構疎かになってしまっている行事もあったりして。楽しまないなんてもったいないかも・・・という気分になってしまったのでした。
第四章は、『B1から世界が見える』。国内の百貨店と提携している海外の百貨店や菓子店ガイドです。こんなにもたくさんの国の食品が百貨店に入り込んでいるとは。国内にいながらにしてよその国のおいしいものをいただけるんだから、嬉しい話です。
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