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流しのしたの骨(新潮文庫)

流しのしたの骨 みんなのレビュー

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みんなのレビュー374件

みんなの評価4.2

評価内訳

高い評価の役に立ったレビュー

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2009/04/07 21:29

家族っていいですね

投稿者:朝ぼらけ - この投稿者のレビュー一覧を見る

江國さんの作品は、いつも不思議なふんわりとした雰囲気をまとっている。
色で言うと真っ白という感じ。
誰の手垢も、日焼けの跡もまだ無い、真っ白な壁をなぜか思い出す。

この作品は、両親と四人姉弟の六人家族の、ある晩秋から春までの日常を描いた作品。
それぞれに個性的で、ちょっと変わってる家族です。
日々いろんな出来事が起きるのだけど、あまり起伏を感じることなく実に坦々としている。
もし自分がこの家族の一員だったら、姉や弟の心配で気が休まらず、胃のキリキリするような毎日だろうと思う。
なのに読み進めれば進めるほどに、この家族が羨ましく見えてくるのだ。
それは多分、この家庭に居心地のよさのようなものを感じるからなのだろう。
この六人にしか作り出せない、この家庭ならではの居心地のよさ。
だからか、自分はこの家庭には絶対に入り込めないと感じる妙な疎外感に、少し寂しい気持ちにもなった。


家族って、家庭っていいなと改めて感じる本当に素敵な作品。
何があっても、最後には自分を丸ごと受け止めてくれるのはやっぱり家族なのだろう。
家族という絆は、不思議で面白いですね。

ミステリーを匂わすこのタイトルは少しずるいなあと感じますが、
本書を手に取るきっかけをくれたから良しとします(笑)
本当に読んでよかったです。心が温まりました。

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低い評価の役に立ったレビュー

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

2001/09/07 02:38

変な家族の話、だからかちかち山なのか?

投稿者:takumi_y - この投稿者のレビュー一覧を見る

 作者みずから変な家族が書きたかったと仰っているとおり、変な家族の話。
 一年前に結婚して家を出た一番上の姉そよちゃん、短大を卒業後就職して、給料を貰うたびに家族みんなにプレゼントを贈ることを常としている次姉ことちゃん、そしてフィギュアを作ることを(あくまでも作成することを)趣味にしている弟の律。深夜の散歩を唯一の日課にしている、主人公。母は、食卓に野趣溢れる装飾を施し、誕生日のプレゼントにと9ヶ月前からハムスターをねだる。父は規律正しくあることを頑なに自らに課している人だし、とかくこの家族誰をとってもちょっと変だ。家族それぞれに家族の形態とか兄弟関係が存在しているというのは興味深かった。互いにあるがままを受け止めているこの姉弟に流れている特殊な空気はとても好ましい。
 でも他人の家庭を覗き見する以上の面白味は感じなかった。やっぱり向かないのかな、こういう日常物語は……。みんなちょっと特殊なので、何やっても傍観者の位置でしか見られなかったからかな。こういう人と付き合ってる深町君は一体何考えてるんだろうというのに一番興味を引かれました。

 ちなみに表題はかちかち山の狸が隠した骨の事なのだそうですが、いまのかちかち山は残虐性を薄められて、狸の悪戯がとてもかわいくなっているのであれ読んでる人には意味わかんないんだろうなーと思ったのでした。こうしてジェネレーションギャップは作られる………?

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374 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

家族っていいですね

2009/04/07 21:29

3人中、3人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:朝ぼらけ - この投稿者のレビュー一覧を見る

江國さんの作品は、いつも不思議なふんわりとした雰囲気をまとっている。
色で言うと真っ白という感じ。
誰の手垢も、日焼けの跡もまだ無い、真っ白な壁をなぜか思い出す。

この作品は、両親と四人姉弟の六人家族の、ある晩秋から春までの日常を描いた作品。
それぞれに個性的で、ちょっと変わってる家族です。
日々いろんな出来事が起きるのだけど、あまり起伏を感じることなく実に坦々としている。
もし自分がこの家族の一員だったら、姉や弟の心配で気が休まらず、胃のキリキリするような毎日だろうと思う。
なのに読み進めれば進めるほどに、この家族が羨ましく見えてくるのだ。
それは多分、この家庭に居心地のよさのようなものを感じるからなのだろう。
この六人にしか作り出せない、この家庭ならではの居心地のよさ。
だからか、自分はこの家庭には絶対に入り込めないと感じる妙な疎外感に、少し寂しい気持ちにもなった。


家族って、家庭っていいなと改めて感じる本当に素敵な作品。
何があっても、最後には自分を丸ごと受け止めてくれるのはやっぱり家族なのだろう。
家族という絆は、不思議で面白いですね。

ミステリーを匂わすこのタイトルは少しずるいなあと感じますが、
本書を手に取るきっかけをくれたから良しとします(笑)
本当に読んでよかったです。心が温まりました。

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紙の本

ときどき無性に会いたくなる人たち。

2001/07/23 06:42

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:nme - この投稿者のレビュー一覧を見る

 …何をどう書いていいかわからないような本なのだけれど、とにかく、読んでいて安心な感じがする。宮坂家という家族の物語。とても穏やかで、平和で、心平らかになる小説である。

 ストーリーらしきものは、まったくない。淡々と宮坂家の日常が綴られているだけである。でも、家族という共同体はそれ自体がストーリーだし、否が応にもストーリーをうみだしてしまうものなのだ。それも、きわめてオリジナリティの高いストーリー。

 宮坂家はへんてこりんな家族だ。野趣溢れる食卓を好む母、ハムスターのウイリアムを散歩させる母。給料日に家族のみんなに贈り物をするしま子ちゃん。他のおじさんのためにフィギュアを完璧な器用さでつくり上げる小さな律。ぼんやりおっとりしすぎていて、かつ超人的に頑固なそよちゃん。夜中の散歩を好み、左手で食事ができるよう練習すること子。学校を「文化果つる場所」と言う父。彼らはへんてこりんなことを、ごく日常的にやっている。そういうのを外から眺めるのはとてもわくわく、ぞくぞくする。

 他人の習慣や、他の家族の行事をみるのは、とても心愉しいことだ。母が必ず父の帰宅前に化粧を落とす、とか、こと子が夜中の散歩でみる風景、とか、誕生日に贈り物をしあう、とか、みんなで騒々しくしゅうまいをつくる、とか、お正月には書き初めをする、とか、そういうひとつひとつのこと。僕の家族にはあまりそういうものがなかったので(もっとも、他人からみればじゅうぶん「変な家族」なのだが)、宮坂家がうらやましくなってしまう。

 冬が舞台というのが、よりいっそうこの小説を好きにさせる。とてもあたたかいのだ。冷蔵庫色のトレーナー、膝かけ毛布、紺色のダッフルコート、カシミアの衿巻。いいお湯のお風呂、体温が残ったシーツ、湯たんぽ、エアーコンディショナー。宮坂家の子供はこのような教育を受けている。「防寒具を正しく身につけて、私たちはみんなあたたかく気持ちよく心平らかにおもてにでる必要がある」、と。その正しさ、確実性がとてもいい、と思った。

 この本には、「余分なものが好き」という江國さんのこだわりが存分にでている。読んでいて味蕾が反応してしまう、おいしそうな料理の描写。別腹を満たしてくれるお菓子の数々(こと子ちゃんはダイエットにはまったく関心がないみたい)。電化製品がフル稼動している律の部屋や、ばかに明るすぎるリビング。そういうものすべてが、「豊かだなあ」と感じさせる。

 ところで、「流しのしたの骨」という不思議なタイトル。「かちかちやま」の一節に出てくるそうなので、読んでみた。確かに残酷で恐ろしい(おぞましい)お話。宮坂家の子供の脳裏に深く焼きついている、「流しのしたの骨をみろっ」という母の迫真の朗読。きっと、どの家族にもあるのだ。家族だけの記憶が。

 それにしても、なんて愛すべき人々なんだろう。「何があっても味方」という安心感に包まれた、すばらしく心強い家族。そして、深町直人。ときどき彼らに無性に会いたくなって、ページをめくる。

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紙の本

ある家族の日常

2003/09/13 15:45

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちえぞう - この投稿者のレビュー一覧を見る

誰でもそよちゃんで 誰でもしまこちゃんで 誰でもことちゃんで
誰でも律なんだなぁと思った
小さな弟 “律”はその知的さややさしさで姉たちを静かに見守る
その律が卒業式目前に停学になった
“校長”に話を聞きに行った“父”は律に言う
「気に病む必要はない」と。
生徒手帳に書かれた校則全てを読み終えた“父”は
「おまえはどれにも違反していない」と。
いつだって世の中の多くのことは理不尽だ。
大切なのは ある決断や評価に対し 
他人の物差しを通したままを受け入れないこと
  そう作者は言いたいのではと思った

『お互いを殺しあうかのような離婚』を経験してしまったそよちゃんも
いつもはちゃめちゃなしまこちゃんも かわいいことちゃんも 律も
どこかにいる誰か、ではなく
隣にいる誰かでもなく
自分自身なのかもしれない

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紙の本

とてもあたたかい気持ちになれます。

2003/01/16 10:25

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投稿者:たあちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る

大好きな家族のお話。こんなに仲の良い家族っているのだろうか?ってぐらいに幸せな家族。それぞれに悩みはあるけど、この家族がいて守ってくれるからこそ乗り越えられる。静かであたたかくて優しくてのんびりした家族。こういう家族を私も作りたいと思います。特にお母さん。食卓を季節の物で飾るなんて本当に食事を大切に、家族を大切にしている証拠。私もそういうお母さんになりたいです。ふんわりとしたあたたかい気持ちになれるお話。保存版です。

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紙の本

心地よいしあわせ

2002/07/16 21:12

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:アセローラ - この投稿者のレビュー一覧を見る

4人姉弟と両親の6人家族の話。ちょっと変な次姉のしま子ちゃんが一番好きなのですが、それ以上にこんな家族がいたらいいなあと本当に思います。普通だったら割とシリアスな出来事もこの物語ではシリアスに感じさせない何か不思議な心地よさがあるのです。日常がこんな風に流れていくのもいいなあと思いました。

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紙の本

家族。

2002/01/21 23:46

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投稿者:yuuko - この投稿者のレビュー一覧を見る

 江国さんはきっとこうやって自分という人格をきちんと尊重してくれる人たちに囲まれて、生きてきているんだと思う。
 常識とちょっとだけかけ離れた考え方をするのは、危険とされることが多いけれど、この家族にいたってはまったく関係なく、自分たちの価値観でものを見ている。思いやり方も、自分が本当に感じている優しさから来るものだから、心底ありがたいものになる。
 本当は私自身もこんな風に事柄を感じたり、よい事悪いことの判断をしたいものであるが、「常識」の枠から抜け出せない。この本を読むと、自分自身の考え、ものの感じ方、そんなものをもっと大切にして生きて行こうと思わされる。

 「流しのしたの骨」という題はそんな見つかりにくくない所に何かあるってことなのかな? と思いました。大切な感情など、興味をそそられて探してみたいと思うものは、こうゆうところにあるんだよ…と。

 19歳のこの主人公の穏やかで優しいゆったりとした感情や、生活。そして若々しい恋愛など、うらやましいと思いながら読み進めていった。この本に出てくるみんなにそんな感情を持ってしまう。

 私はこんな風に物を感じ、人を想い、丁寧にゆったりと暮らして生きたいと思った。そんな本でした。

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紙の本

暖かい家族、見えない心

2003/11/01 14:28

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:もぐらもち - この投稿者のレビュー一覧を見る

「意地悪しちゃだめだよ」
律が言った。
「どんなへなちょこ野郎でも、しま子ちゃんの好きなひとなんだから」(本文より引用)

私はにっこりする。そよちゃんがそう言うことはわかっていた。私たちには、そもそも反対という発想がないのだ。(本文より引用)

この物語を読んでとても心地よいのは、端から見るとちょっと変わっているかもしれない母親、父親、四人きょうだいがおたがいをそのままの受け入れているからでしょうか。この家族内には憎しみも怒りもない、お互いを心配しあう優しさにあふれているのです。「私ももっと自由にしたかった。もっと、ありのままの自分を受け入れて欲しかった」という過ぎ去った日々を思い出してはなんとなくこの家族をうらやましく思うのです。

でもこの家族は本当にしあわせなんでしょうか。主人公の三女の目を通した家族は仲良く心地よい。でも、受けとめてくれる家族がいるから目立たないけれど長女も次女もつらい思いを背負っている。誰も彼女たちを詮索しない。ただ、ありのままの彼女達を受け入れるだけです。それを見守っている両親もつらい思いをしているに違いありません。

タイトルから私はなにか殺人でも起きるのではないかと思い、長い間この本を気にかけながら読まずにきました。確かに殺人は起こりませんでしたが、願わくは心の中に「流しのしたの骨」なんか隠し持たないで、単純なハッピーエンドであって欲しかった。心温まる家族のなかで暮らしている人は幸せであって欲しいと思うのです。そうはいかないのが人の世なのかもしれませんが。

しょいかごねこ&もぐらもちのおうち

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ほんわかとした世界

2017/12/04 18:57

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ポッター - この投稿者のレビュー一覧を見る

家族の愛情の中、自然体でいきる主人公。家族間、兄弟間で様々の事が起きているが、ありのままに受け止めて、時間が経過していく。
読んでいて、肩が凝らない、ほっとする様な物語でした。

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紙の本

いとおしいいびつさ

2001/01/03 17:13

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:白井道也 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 6人家族のそれぞれが、いびつな形をしている。いびつ、といっても角張った奇形(それはいたいたしい)ではなく、ちょっと歪んだ丸っこい形(それはいとおしい)。ラグビーボールが予測不可能のバウンドをするように、登場人物も次々に面白い行動をしてくれる。だから、大きな事件が起こらなくても、物語はどんどん面白く展開していく。この小説の最大の魅力は、そんなところだった。
 大学にも会社にも行ってない、19歳の「こと子」。友人の紹介で出会ったボーイフレンドとのデートのシーンはほのぼのして微笑ましい。左手で食事をする練習もそうだし、夜の日課である夜も散歩もそうだ。4人きょうだいが仲良しなのも、気持ち良い。
 もうひとつ、この小説の素敵なところは、風景と人間の絡み方。こと子が雨の日に「すーん」とすること。あるいは電車の中のように、ベッドにひざ立ちになって窓から外を眺めること。母親が食卓に自然を彩ること。折々に変化する風景に、そしてその風景と人間との絡み方に、人物の心象がほのかに映し出される。そんな繊細な描写も魅力的だ。

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紙の本

流しのしたの秘密

2004/07/04 15:20

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ちはな - この投稿者のレビュー一覧を見る

太宰治の著書に「ろまん燈籠」というのがあります。
兄妹五人みんなロマンスが好きで、家族が集まると物語の連作を始めるのが習わしという、実在の画家の家族をモデルにしたといわれている好ましく風変わりな家族の物語です。「流しのしたの骨」を読み始めたとき、なんとなくこの小説を思い浮かべました。

いつもおっとりと微笑んでいる姉の家の流しのしたを見たときのぞっとした感じ。
読み終えて、ああ素敵な家族だなぁと温かい気持ちに浸っている時にも、やっぱりその寒々とした怖さが頭から離れませんでした。うまいタイトルだと思います。読んでいる時は「もっと可愛らしいタイトルにすればいいのに」って思っていましたが。

家族、特に兄弟って本当に特別だと思います。生まれたときから一緒にいて、それなのにいつか離れていってしまうせつなさ。読んだ後、弟たちに優しくしたくてうずうずしてしまいました。

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紙の本

ほっとする日常

2002/07/15 20:39

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ごまた - この投稿者のレビュー一覧を見る

タイトルをぱっと見ると、暗くて冷たい話かと思うけれども、全然違う。そういう意味では
かなり予想を裏切られる作品です。宮坂家を舞台に、おっとりとした姉そよちゃん、
ちょっと現代っ子の2番目の姉しま子ちゃん、夜のお散歩が大好きなこと子ちゃん、
小さな弟律の4人兄弟の物語。ごくごく普通の日常をこと子ちゃんの視点から描いた
作品なのだけど、こと子ちゃんのフィルターを通すと素敵な日常に感じられる。幸せ
ってこんなものなのかなぁ、と暖かい気持ちになれる物語です。

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紙の本

すっごい不思議

2001/09/20 22:50

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:まちゅ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 「流しのしたの骨」ってすっごいミステリーを想像するタイトル。でも内容はすごく優しい気持ちになれるものでした。不思議な世界であるのに、「あっこれってあるかも」という事柄が言葉の魅力ですっごく優しく感じます。人の弱さを強くしようとするのではなく、優しさで包み込むような印象を受けました。何度も読んでしまう本です。

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紙の本

風変わりな家庭の日常。

2007/09/10 00:25

4人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:オレンジマリー - この投稿者のレビュー一覧を見る

江国香織の本を手に取ったのは、いつぶりだろうか。まだ十代の頃に恩師に借りた数々の書籍の中に、江国香織の本が混ざっていたのは覚えている。大人で、ちょっと切ない空気を纏っているストーリーが印象的な作家だ。当時の私はまだ子供で、どうにも解せない何かがあったように思うけれど、年月を経て経験も積み、今読んだら昔理解できなかったことも理解できるかもしれない、と単純な動機で読み始めた。
 
 語り手は、三女のこと子である。
 家族のメンバーはそれぞれ個性ある性質で、特に他の家庭に傾注したことがない私にとっては、ちょっと不可解でもあった。日本の家庭、というよりは海外の家庭、という範疇に属する方が自然な気もした。
 決まった朝食、半熟たまご、セイロン茶2杯、温野菜にバナナ、を長年摂り続けている家族。途中、突然昔見た覚えのある「山折り」とかそういう言葉が出てきて、何だろうか…?と訝しがっていると折り紙の作り方であったり。中学生の弟を「小さな」と呼称する三女。
 興味深かったのは、両親がそれぞれ一致はしないがきちんと確立された意見の持ち主だっていうことだ。特に納得してしまった彼らの意見は、結婚に対するものである。結婚した長女が帰ってきて泊まっていくことに、二人は良くは思わないその理由。私が知る現実の家庭は大抵、里帰りすれば親は喜び、是非泊まってゆっくりしていけと勧めさえもする。だけど、本書のこの家庭は違った。
 家族のメンバーそれぞれ、お風呂に費やす時間も違う。概して男性は短いように思うが、この家庭では次女のしま子がカラスの行水。だけどここで、私は自分の家族の事を考えた。一番長湯をするのは、意外なことに長兄である。こんなこと、何かのきっかけが無ければ一切考えないことだ。本書では「あ、そういえば…」と自分の家族を振り返る機会がたくさんある。
 季節感も豊富に描かれているし、終盤では江国香織らしさを満喫していた。あとがきでは、変な家族を描いてみた、と記されているけれど本当にその通りである。日常の、普段は気にも留めないことなんだけど、こうして小説を通して見ると不思議なものである。これから先、ふとした時に本書を思い出しては自分の家族のことを考えるかもしれない。

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紙の本

ホラーではなかったけれど、「タイトル買い」で正解です。

2001/02/25 18:02

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:中村びわ - この投稿者のレビュー一覧を見る

 江国香織さんの出す本でいつも感心する点は、装丁がいいこと。そして、タイトルが心惹かれるものであること。

 CDやレコードで「ジャケット買い」というのがあり、どちらかというと私は、それをよくやってしまうタイプなので、見てくれがいいと、つんと背中を押されたように、つい買ってしまう。
 bk1で買う本も、たいていは新宿・渋谷の大書店で手ざわりを確認して、良い感じだと確認してから注文を出すほど。

 この文庫版『流しのしたの骨』も、シンプルで味わいのある装丁がまず素敵。(単行本はブルーと銀が基調でもっと好きなデザインだったけれど…。)その上にこのタイトル!「くうっ〜、やられたねえ。うまいねえ」と思った。

 そして、読み終わってから、また感心。タイトルを裏切る内容だったからだ。これから読む人の楽しみを奪っちゃうかもしれないけれど、この本は『すいかの匂い』のような、江国さんの小説のひとつの流れをなすホラー路線ではありません。

 装丁やタイトルの話ばかりで、江国さんに失礼かもしれないけれど、もう一つ失礼な話を重ねると、この小説には大きな事件もなく、意外な設定もない。言ってしまえば内容がないのだ。
 それなのに「ああ、いいなあ」と思わせながら最後まで読者を引きずっていく力が十二分に備わっている。それがまたスゴい。

 「文体」−−なのだ。「香織節」とも言うべきこぶしが回っている。それが気持ちいいから、つい読んでしまう。この文体こそが、小説家に不可欠な一つの武器なのだと思う。

 少し変わった6人家族のお話。
 学校にも行かず働かないプーである主人公の「ことちゃん」。つき合い始めた男の人に「そろそろ肉体関係をもちましょう」と提案するような19歳。
 自殺未遂の経験があるすぐ上の姉のしま子ちゃんはワーキングガールで、給料が出るたびに家族皆に贈り物を買ってくる。未婚の女友だちが妊娠して困っているので、その赤ちゃんを引きとって育てたいと言い出す。
 弟の律はフィギュア作りが趣味。淫らな人妻のフィギュアなんかを作って、学校に親が呼び出されるハメになる。しかし、家族は皆、物作りの趣味がなぜ学校に非難されるのかわからない。
 誕生日に9ヶ月前から予約しておいたハムスターを夫にもらって喜ぶ母。単純な家事にいそしむ時には、子どもたちに本を音読させる。
 嫁いだ姉のそよちゃんは、妊娠しながら離婚を決意する。
 家族は行事を大切にしていて、そのたびに集まる。例えばクリスマスにはきょうだいで変わりシュウマイを作るというように。

 事件がなく、家族一人ひとりの性格や暮らしを描写するだけで終わってしまうような小説なのだけれど、文体のほかに特筆されるべきは、「情報」かもしれない。お菓子や場所、ブランドなどの固有名詞。そういう情報を担ってきた出版社の雑誌に連載された小説だから、一種のサービス精神があったのかもしれない。しかし、それがまた香織ワールドの確かな小道具になっている。

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紙の本

どの家族にも、何かしらの事情はある

2015/08/27 02:24

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:夜メガネ - この投稿者のレビュー一覧を見る

というと、当たり前すぎるのだが、少し嫌なことがあると大抵の人は他人の方が幸せに見える。
江國さんの作品は結構読んできたのだが、レビューを書こうと思うとあまり感想が浮かばなかった。
理由は、これ以外の作品の主人公はたいてい、
恵まれ・守られ・思い込み・退屈し・過去と恋愛に生き・受動的な女性ばかりだったと気付いた。
つまり、印象が似たり寄ったりだった。 

今作では末っ子長男の律なくしては精彩を欠く。
(律っちゃん=フィギュアは今でもしっかり覚えている。)
家庭内にスポットが当たった温かい作品。 恋愛もの以外が読みたい方にお薦め。

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