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上京し一人暮らしを始めた真弓、真由美の向かいに住む翻訳家・大沢、大沢と顔見知りの空き巣・曽根―3人の視点から描かれる狂気とある事件。
前作「倒錯のロンド」と同じく手記を中心にした構成による叙述トリック。大沢の狂気と事件の真相がごっちゃになりながら別々のラストに向かっていく構成が素晴らしい。しかもラストは袋とじだ。文庫本で袋とじって!これを破る楽しみをしばらくぶりに味わった気がする。
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アルコール中毒の翻訳家・大沢芳男の家から見えるのは、新社会人・清水真弓の部屋。毎晩その部屋をこっそり覗き見る大沢、見られていることを感じながら日記をつけ続ける真弓。それぞれの覗き・覗かれる様子が交互に書かれて物語はすすんでいく。そんな中、アルコールのせいでとんでもないことが・・・!
なんと袋とじがある、この本(@@)結末部分はハサミを入れないと見ることができない。そこまでして作者が隠した、この物語全体に隠された二重にも三重にもなっているトリック。またしてもやられた。
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中学生の時に読んで、今ではどんな話だったのか全く覚えてないけど、妙にエロかった。なんか盗撮マニアの気持ちがわかる感じ。
当時はドキドキしながら読んだものです。
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お酒を飲んだ後はやめましょう。
徹夜で読むことはやめましょう。
できるだけ体調がよく、また精神的にも安定している頃を選んで読むことをオススメします。
なんたって折原さんですから(笑)
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半分ぐらい読んでもごくごく普通の話(時間が前後したり似たようなキャラクターがいない)から、趣向が違うのかと思ったら!
ちょっと騙された感はあったけど、そんなにやられた!って感じじゃないな。
ちょっとネタバレだけど、戸塚くんの活躍・通り魔の実態・真弓と女性の関係とかは分からなかったなぁ。(←ネタバレにならないように書くとすっごい意味が分からない)
予想と違ったのはそれぐらいで、だいたい思ってた通り。
よーし。だいぶ折原作品には慣れてきたよう。
他の作家さんの場合、結末とか犯人がわかっちゃうのって興ざめなんだけど、折原さんの作品だと達成感がある(笑)
しかし、最後の綴じ込みにあまり意味を感じられない。。。
すっごく期待してしまった。
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ミステリー長編。
上京してきて一人暮らしを始めた女は向かいの家の男に終始覗かれている気配に怯える・・・。一方、向かいで覗いている男は、女が自分を挑発していると思いこむ・・・。正気と狂気が交錯する先には思いもよらぬ結末が待ち受けていた・・・!!
今回は前回の反省にたって、一気に読みました。なのに・・・なぜ?読みながら薄々と結末が読める箇所もあったりなんかして。そんでもって最後まで読んだ後も『あぁそういうことね、なるほど・・・』って感じで特に感慨があるわけでもなく・・・。
なんでだろう?なんで『すっかり騙された〜!!』って感じがないのか考えてみました。そのわけは、おそらく、事件が起こって、○○が犯人だと思っていたのに実は××だったみたいな話の展開ではなく、物語が淡々と進み、○○の話だと思わせて××のお話でした〜、ってな話の展開だからだと思う。
だから、読んだ後、あぁ〜そうなんだ。で?みたいな感じになってしまうのです(笑)
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釈迦の掌の孫悟空の如し。叙述トリックの雄・折原一の作品とはそういうことなのだと思う。小説という思い込みを逆手に取った作品であるため、結末がどうなろうと読者は納得してしまうのだろう。折原氏の掌の上で転がされたいのだ。主な登場人物は3人。のぞかれるOL、のぞく翻訳家、初老のコソ泥。バラバラの矢印が一つに向かった時、ある事件が起こり…。事件のあらましを少しでも話すとネタバレの気もするし、すべてを話してしまっても大して意味は分からないだろうという気もする。そういう作品。少なくとも読み終るまでは彼の掌からは抜け出せない。自分では「かなり遠くまできたはず」と思うほど想像を張り巡らせたとしてもだ。(た)
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倒錯シリーズ第2作目。
前作から考えてある程度トリックを考えつつ読んだが、結局見事に騙された。
登場人物に感情移入しづらいのが難であり、動機や展開にやや無茶があるようにも思えるが、全体としてはあくまでトリックが良いので、作品として成立している。
あと、最後の袋とじは開けにくいし、別に普通のままでいいのでは?と思った。
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翻訳家・大沢芳夫が覗いていた向かいのアパートの201号室に住む女が殺害されて1年。伯母の住む家に帰ってきた大沢。201号部屋に入居した清水真弓。彼女を覗き見る大沢。真弓が書く母への手紙。会社に慣れてきた真弓が恋をした上司の高野。高野との不倫関係。アル中病棟で大沢と一緒だったコソ泥の曽根新吉の尾行。真弓の日記を盗み見る曽根。失踪した高野の妻。大沢の伯母の発熱。地下室に監禁される女。曽根が目撃した大沢が埋めた女の遺体。妊娠した真弓。高野の豹変。真弓の母親ミサコの婚約。高野が仕掛けた罠。ミサコの変化。
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向かいのマンションを覗いていた男と、覗かれてる女の日記を中心に進行していく。この覗き男も不倫してしまう女も、同情できない人間なのだ。けっ、って感じの人物しか出てこないのだが、結構面白かった(笑) ちょっと最後の方はくどいかなと思ったけど、ま、それが恐いといえばそうなのでいいんでしょう。
でも、まずちゃんんとカーテン閉めたり立て簾したりして、防衛しなよって思う。
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これは書くのが難しい(笑)
隣の女性の部屋をのぞき見する物語。。。
なんか違うような正しいような。
とにかく、氏のワールドが全開で読んでいて飽きない。
気持ち悪くなる描写、ってか書き方が多いけど、そこも味。
結構お勧め。
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巻末に袋とじがあり、面白そうなつくりになっている。
大沢芳男、清水真弓、曽根新吉の3人の視点で物語が語られる。
その中で一番面白いのはやはり大沢芳男の視点で書かれているものだろう。
大沢芳男は最初やや神経質だが普通の人間だったのだが、
徐々に徐々におかしくなってしまう。
大沢芳男自身もそれを認識しているのだが
それが清水真弓のせいであると逆恨みするようになる。
なぜそれが逆恨みだとわかるかというと
読者は清水真弓の視点で書かれてあるものも読んでいるからだ。
この2人の視点のボタンの掛け違いというかズレが、
ホラーじみた設定であるにもかからず
コミカルに印象をこの小説に与えるのだろう。
しかし、最後になって大沢芳男が見ていた清水真弓は
清水真弓ではなく、彼女の母親の清水ミサ子だと分かる。
つまり推理小説としてみると
「探偵=清水ミサ子」「被害者=清水真弓」「犯人=高野広志」となり、
めでたしめでたしなのだが、
そこでやや引っかかる部分がでてくる。
そう、つまり大沢芳男が感じていたのは被害妄想なのではなく、
本当の被害だったのだ。
それを考えると本当の被害者は大沢芳男であり、
清水ミサ子は探偵ではなく、
犯人であるともいえるのではないだろうか。
作者もそれを意識しているものと思われる。
なぜなら袋とじの部分に
清水ミサ子の気がふれている様子が書かれてあるからだ。
ただその部分は正直蛇足。
清水ミサ子がおかしくなっていることを
わざわざ袋とじにしなくても、その前に彼女が真の探偵ではなく、
犯人の要素も含んでいることが分かっているからだ。
前作の倒錯のロンドもそうだったが、
最後の最後でひっくり返そうとしている部分が
逆にやりすぎな気がしてならない。
もう少しシンプルにしても十分面白いと思うのだが。
とはいえこの清水ミサ子のキャラを
ここで強烈に打ち出しておくことで、
次の「倒錯の帰結」へつなげようとしているのかもしれない。
そういえば倒錯のロンドで出てきた山本安雄が
退院後住みだしたのは、東十条のアパートの203号室とあった。
清水真弓(ミサ子)が住んでいたアパートの203号室には
老人夫婦が住んでいるとある。
ということは山本安雄のと
清水真弓(ミサ子)のアパートは別物なのだろう。
どうせ203号室の老夫婦なんて
ストーリー上に何の関係もないのだから、
せっかくなら同じにしておけばよかったのに
と思うのは私だけではないだろう。
いや、203号室に老夫婦が住んでいる
といっているのはおかしくなっている大沢芳男であり、
実際は誰もその姿を見ていないのだから…
と、そこまで考えたところで先ほどと同じ感想を持つことになる。もう少しシンプルにしても十分面白いと思うのだが。
その後「倒錯の帰結」を読んで
203号室の老夫婦は山本安雄の両親だったとわかった。
なんだ、考えすぎて損した…
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倒錯シリーズ一作目だと思って読んだら二作目だったらしい
わざわざロンドの方も買ってあったのに
まぁつながりが余り無いことを祈り
死角のレビューへ。
内容はとても引き込まれ
読みやすく
二日で読んでしまった
叙述トリックだとは聞いていたので
考えながら読んでいたが
結局分からずじまい
読んだ後
整理が全くついていない状況でした
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小説を読む時、登場人物の誰かに感情を移入したりは特にしません。
「こういう人もいるんだな」とか「こういう人もいるなあ」等々、言動と行動の綾を楽しむようにしています。そこに自分の思考を加えて、あれこれ感じ入る、というのが自分の「読書」なんだけど、「登場人物に感情移入できないから嫌」という声もチラホラ聞こえるので、あまりこういう読み方はしないのかな。
さて、今回の本。
ごめんなさい。ガッカリでした。
読む前から「叙述モノ」ということは分かっていたのだけど、それを差し引いてもちょっと…どうかな、と。
上に書いたような読み方をしているのに、登場人物たちについていけないというか、イライラするというか…女の感を基に思考を積み重ねるのは勘弁してほしかった。
好きな方は好きなのでしょうけど、論理的に思考を積み重ねて問題を解決するのが好きな方には、多分、合わないと思います。
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「倒錯の死角」折原一
サイコサスペンス・ミステリ。イメージカラー特になし。
きたきたきたきたー!344Pかけてひっくり返されました。
叙述トリックの妙をみる。来るぞ来るぞと待ちかまているところを予想通りにすくい取られるのは一種の爽快感、ですね。
ヒロインのOL、主軸となる翻訳家、傍観者のこそ泥、の三者の視点で物語が描かれる訳ですが、当然のごとく一筋縄ではありません。
しかし、中盤まで糸のほつれを感じさせずに(しかしよく読むと意図的な伏線がちらちらとある・・・)進むストーリーは至って普通のサスペンス。上に書いたとおり終盤にさしかかる344Pでどんがらがっしゃん、です(笑)
とにかく、小説全体がギミックであるという"倒錯感"が好きな方におすすめ。ドラマティックでもなく、ましてや人情譚ではありませんので、あしからず。それでもストーリーの加速感は特筆に値するかと。ページを繰る手が止まりません。
両方(叙述トリックと良質なドラマ性)を兼ね備えた作品になったときに文句なく星5つだろうということで・・・
本作は「星3+」のくりあげで星4つかな。