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推理小説だと知らずに借りてしまった。
いまいち。筆者は人間が好きなんだなーといった感じ。04/07/04
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普通、こういう結末だと消化不良でいまいちと思うのだけど、今回は納得してしまった。登場人物がそれぞれ繰り広げる推理には裏側に切実な感情がありおもしろい。真剣に考えたどりついた彼らなりの「真実」がどれも重なりあわないのが、切ない。人間同士の理解とは本当にむずかしい。
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ある学校の人気女教師が自宅で殺される事件があり、犯人を推理していく過程を書いた作品。
幾重にも繰り返される仮説の構築と崩壊。
一筋の推理の光が屈折・分散するさまはまさにプリズム!
こういう本は初めてだったので面白かったです!いろいろな角度から物を考えるって面白い。人間ってこうやっていろんな人がいろいろ考えるから誤解があったり疑いが生じたりするんだなぁと(笑)
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殺された(?!)女性教師の犯人探し。
色んな人の視点から描かれているけど、皆犯人じゃなくて、「誰?!」と気になってず〜っと読み続けました。
犯人が分かった(?!)のはほんと最後の最後。
でもその人が犯人かどうかは分からないけど・・・。
この人の文章はすごく私好みです〜っと入ってくるけど物語の展開はイマイチ好みじゃなかったです。
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究極の推理ゲーム。幾重にも繰り返される仮説の構築と崩壊。一筋の推理の光が屈折・分散し、到達するところには—実験的アンチ本格ミステリ。(ハードカバー版) 小学校の女性教師が自宅で死体となって発見された。傍らには彼女の命を奪ったアンティーク時計が。事故の線も考えられたが、状況は殺人を物語っていた。ガラス切りを使って外された窓の鍵、睡眠薬が混入された箱詰めのチョコレート。彼女の同僚が容疑者として浮かび上がり、事件は容易に解決を迎えるかと思われたが…『慟哭』の作者が本格ミステリの極限に挑んだ衝撃の問題作。(文庫版)―――――あとがきにて作者は『毒入りチョコレート事件』のようなスタイルの探偵小説を自分好みにアレンジしてみましたと言っています。この作者勝負、自分的にはあんまり…かなと。お好きなようにどうぞ的な終幕にするなら物語全体の雰囲気をそれ相応にして欲しいです。日常ミステリとアンチミステリは相性悪いと思いますよ。
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このタイトルのすばらしさは、2つあると思う。1つ目はもちろん、人間が多面体であるという意味。あとがきでも触れられているし、本作を読めばそれはわかるのだけれど、これだけ印象の違う人物が一人の人間だという事実は、認識しているようでいてしていないものだ。
もちろん、AさんとBさんの前で見せる顔が違うように、自分でもいくつかの顔を持っていることはみな知っているだろう。しかし、そのAさんやBさんによって自分が増殖しているとは、意外に思っていないのではないだろうか。亡くなったひとりの女に関して27人の登場人物が回想を語る、有吉佐和子の「悪女について」でもそうだったが、27人の人に接すれば、人は27通りの見方をされている。つまり、自分が接した人の分だけ自分は存在するのだ。そう考えると、自分なるものを規定しようとする行為のくだらなさもよくわかる。
でも、「プリズム」なるタイトルは「だったら自分ってなんなの? そんなものないなら生きている意味がないじゃん」とは思わせない。なぜなら、プリズムとは光を通して初めて乱反射するものだからだ。わたしたちの人生には、だれがなんと言おうと、どう見られようと、光が射している。生きることは光であり、人間関係はその光同士のぶつかり合いなのだ。
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ある殺人事件をいろんな人がいろんな捉え方をする話。
話が進むごとに違う見え方をする。それぞれひとつふたつ情報が抜けていることで違う様相が出てくる。まさにプリズムです。
材料が揃わなければ推理は完成しないっていうのを実感しました。
ポー「マリー・ロジェの謎」、バークリー「毒入りチョコレート事件」の後継たる話とのこと。いくつもの推理が示されるけど、どれが真相かはわからないので、そういうのがもやもやする方には不向きと思われます。でも短篇集ぽい形なので歌野晶午「世界の終わり~」の読後のようなガクっと疲労感はないです笑。後味も悪くない。
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真相などどうでもいい。真犯人が誰でもいい。殺された山浦美津子に関わる人々それぞれの中でそれぞれの結着がつきさえすれば。それぞれの心の平穏の為に。それほどまで被害者は魅力的であったのだ。子供からは慕われるよい先生、男性からは我が儘で奔放な女王。女性からは悪気なく周囲を振り回す憎い相手。会うたびに別人の彼女に皆取り憑かれていた。幾重にも重なるそれぞれによる仮説と結着。描かれている以上の結論はいくらでもあるのだろう、それを読む度幾度も楽しむことのできる推理小説。
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明るく美人で生徒にも人気の女教師が殺された。
彼女には裏の顔があったのか…
本当に誰からも愛されていたのか…
そして犯人は…
煮え切らない不気味間が残る。
作者の意図なんだろうな…上手いっ。
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「結局、真犯人は誰なの?」
作者もあとがきで書いてるが、本書は、衝撃的な結末よりも、推論の構築と崩壊を念頭に書かれている。
一人暮らしの女性教師がアパートの一室で殺され、そこから誰が真犯人なのか?という展開が始まるのだが、生徒、同僚、生徒の父、被害者のもと恋人・・・それぞれの視点からの推理が述べられている。
それぞれが推理を構築しているが、崩壊・・・。
あとがきに述べられているように、十通りの仮説が構築されているが、そのどれもが、綻びを見せる。
ただ、最後の推理だけは、判断を読者に委ねるような記述で、スッキリした結末を望む読者には、少々、物足りないかも・・・。
個人的には、最後の仮説が正解だとすると、飛び道具的な結末ではあると感じるが・・・。
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読み終わっての感想はまず、「!?」です。
私がこれまで読んだミステリ小説の中で、こういう終わり方をする小説は初めてでした。
本文のあとにあとがきがついていて、作者のミステリに関する思いや、作者の希望が書いてあり、ミステリの楽しみ方っていろいろあるのだなと思いました。
こういう本は読書仲間なんかと読みあって、感想や自分の考えなんかを言い合うと面白そうです。
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各人が筋道を立てて、ある誰かが犯人じゃないかと考えていく。結局は山浦先生は事故死っぽいけど…。いろいろな見方ができる、不思議なミステリ。
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的外れな推理が繰り返され、巡り巡って真実?にたどりつく、まさにプリズムのような展開。貫井版「毒入りチョコレート事件」と言った趣です。あくまで推理の過程を楽しむのが目的で、真犯人の決定権を読者に委ねてしまっているところが粋です。古典ミステリの風情もあり、推理の過程と崩壊を堪能したい人にはたまらない作品ですね。
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はっきりと犯人は**だ!
と言い切って終わっていないところが魅力。
1回読み終わっても、また最初に戻って再度楽しめそうなんだもん。
いろいろな方向から事件に迫っておりワクワクする。
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小柄で愛くるしい容姿の小学校の女性教師が自宅で死んでいた。事件か事故か、関係者それぞれの角度から真相をつかむための謎解きがなされる。
本編では犯人は名指しされず、読者にゆだねられた。
4つの章から成っていて、章ごとに主人公が変わっていく。主人公の推理に「なるほど」と思わせられるが、章が変わり、主人公の視点が変わるごとにに新しい事実が加わるため、「何だって~??それで、それで?」と興味をそそられる。
女性教師のイメージが何となく小林麻耶っぽいなぁ~と思いながら読んでいた。
結局犯人は分からなかったけど、わたしとしては、妹杏子があやしい気がする。無自覚な天真爛漫さに振り回されるのは他人の比じゃないような気がするから。(別に小林麻耶ちゃんが嫌いなわけではない。)
同僚の桜井先生が純粋無垢な彼女と付き合う中で、自己嫌悪に陥る気持ちは何となく分かる気がする。そして何となく気疲れしてしまう気持ちも。
「純真潔白でありたい」と願う気持ちはあるが、その反面姑息な行動を取ってしまったりする。その間で揺れ動いてるんだろうなと思う。
願わくば、最終的には少しでも純粋無垢な方へ傾いていたい。