- 現在お取り扱いが
できません - ほしい本に追加する
- 予約購入について
-
- 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
- ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
- ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
- 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。
3 件中 1 件~ 3 件を表示 |
紙の本
二人の少女は出会い、自らの生き方を定めていく
2001/01/26 15:31
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆぎり - この投稿者のレビュー一覧を見る
手記をもって自らを世界に伝えなければならない都市。数百年前に仏蘭西(フランス)をつくる遺伝詞が変換されたことにより、そこは「正確な手記によって、ものが存在できる世界」となった。それ故、文字情報によってのみ存在が可能となる。
第二次大戦中、巴里(パリ)は独逸(ドイツ)軍によって占拠されていた。しかし、独逸軍は連合国側に徐々に押され始め、ノルマンディー上陸を許す。そして、連合軍が巴里解放戦をおこなっているとき、独逸軍の運び込んだ言詞爆弾(ヴォルト・ボンベ)が爆発したことにより、時空間の遺伝詞をも変えてしまい、巴里を中心として仏蘭西は閉じられてしまった。それ以来、世界は1998年になっているにもかかわらず、仏蘭西は爆弾が爆発した1944年8月6日より先に時間は進まなくなり、1943年8月6日から1944年8月6日までの一年間を何度も何度も繰り返すことになった。巴里を含んだ仏蘭西はその同じ一年間をすでに54回も繰り返していた。
アメリカ人のべレッタは留学生として、1998年からこの閉ざされた世界である巴里にやってきた。そしてこの巴里で一人の少女・ロゼッタと出会う。いや少女というには語弊があるかもしれない。なぜならその少女とは自動人形、すなわち機械だったからだ。しかし機械とは言っても、それは自分の意志を持ち、成長していくものでもあった。それ故、べレッタと出会ったことにより徐々に感情を表し始めるようになり、変化していく。
一方、べレッタもロゼッタとの交流を通して「自分はどうありたいのか?」という疑問にぶつかっていく。自分の今まで住んでいた世界とは全く違うこの閉ざされた世界にやってきて何をすればいいのか、何ができるのか。多くに人々と関わっていくことで自分の行く道を思い定めようとする。
ここで語られる物語はその世界の特殊性故に、登場人物たちの日記形式で語られる。各々の登場人物の視点で語られる物語は始めの内は錯綜し、混乱する。しかし、次第にべレッタを中心として、一筋の方向性を見せる。そしてべレッタは一つの決断へと至る。
3 件中 1 件~ 3 件を表示 |