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海のカテゴリーではないけれど、ダイビングつながり。
正しくは洞窟探検。ただ、洞窟は乾燥したトンネルだけではなく、氷河期以降の海面上昇や地殻変動で水没した部分ができたり、完全に海底洞窟になってしまったします。そんな洞窟の代表の秋芳洞を開拓した人々のドキュメンタリー。著者もケイブ・ダイビングの先駆者です。冒険者であり文才もある人はほとんどいないですが、ご他聞にもれず文章は決してうまいわけではないし、 言葉も足りない。冒険者のエピソードにありがちの貧乏で無謀の冒頭部分は腹が立ってくるほどなんです。
ですが、後半にかけての精神的にダメージを受けてしまうほどの不安と恐怖を覚えながらも続けるという矛盾した精神状態や、生涯のパートナーとなる人(この人もまたケイブ・ダイバー)とのエピソードなど、迫力満点だし、単なる個人的探検が国を巻き込んだ環境問題に発展してしまい、別の物語りとなってしまうドラマチックさといったら一気読みの面白さです。まさか、あんなラストがまっているとは思いもしませんでした。
一度はやってみたいケイブ・ダイビング。ドキドキなんだろうなぁ。怖いんだろうなぁ。