サイト内検索

詳細検索

ヘルプ

セーフサーチについて

性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示を調整できる機能です。
ご利用当初は「セーフサーチ」が「ON」に設定されており、性的・暴力的に過激な表現が含まれる作品の表示が制限されています。
全ての作品を表示するためには「OFF」にしてご覧ください。
※セーフサーチを「OFF」にすると、アダルト認証ページで「はい」を選択した状態になります。
※セーフサーチを「OFF」から「ON」に戻すと、次ページの表示もしくはページ更新後に認証が入ります。

e-hon連携キャンペーン ~5/31

hontoレビュー

ほしい本の一覧を見る

強襲部隊 米最強スペシャル・フォースの戦闘記録 みんなのレビュー

予約購入について
  • 「予約購入する」をクリックすると予約が完了します。
  • ご予約いただいた商品は発売日にダウンロード可能となります。
  • ご購入金額は、発売日にお客様のクレジットカードにご請求されます。
  • 商品の発売日は変更となる可能性がございますので、予めご了承ください。

みんなのレビュー3件

みんなの評価4.5

評価内訳

  • 星 5 (2件)
  • 星 4 (1件)
  • 星 3 (0件)
  • 星 2 (0件)
  • 星 1 (0件)
3 件中 1 件~ 3 件を表示

紙の本

ロクでもない現実の、ロクでもない戦争

2002/01/29 23:14

5人中、5人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:伊藤計劃 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 人はどんな事柄からもやたらと教訓を引き出そうとする。戦争ならばなおさらだ。「地球よりも重い」ところの命が大盤振る舞いでドカドカ消費され、金もインフラも壮大に失われる。湾岸戦争で石油の利権云々ゆーおめでたいアメリカ陰謀論者もいたけれど、現代の戦争のコストは、はっきりいってそんなもんではとーてー見合わないほど巨大なものにふくれあがっている(とくにアメリカ式の戦争のコストは)。現代の戦争は支配とか利権とかでは埋め合わされない、ムチャクチャ効率の悪いソリューションだ。
 というわけで、アメリカがソマリアに介入したとき、それは多分、本当に善意からだったんだろう。ある種の無神経さがあったとしても、ソマリアはアメリカの「利権」にとってなーんの意味もない、ただの地図の場所にすぎなかったわけだもん。飢えてる人々がいる、虐げられている人々がいる。そしてアメリカはやってきた。俺達がなんとかしてやる。悪い指導者を打倒し、この乾いた大地に平和の二文字を打ち立ててやる。

 そしてアメリカ兵が死んだ。損耗18パーセント。損耗3分の1で敗北と言われる現代戦の基準から言えば、こいつはムチャクチャ高い数字だ。なんてたって5人に1人が死んだってことだから。

 この本はその戦いの記録だ。ベトナムより後の戦闘では最大の損害を出した、アメリカ軍のある戦闘の記録だ。

 なんてたって陸軍はレンジャーにデルタ、海軍はSEAL、海兵からリーコンと、映画でもお馴染みのアメリカの特殊部隊だけが99人投入されたのだ。作戦が1時間で終わると考えても決してごう慢とは誹れないだろう。実際、彼らはカウントされてる数字で500人(本当は1000人近くともいわれる)のソマリア人を殺したんだから、キルレシオからいえば勝利といってもおかしくない。
 でも彼らは負けた。

 彼らは一昼夜にわたって、モガディシュの中心部に釘付けにされ、各部族のミリシアはおろか一般人からもタコ殴りにされることになった。瞬殺みたいな作戦だったから夜間装備なんて想定していなかったし、食料も水もない。まわりじゅうみんな撃ってくるから、こちらとしても子供だろーが女だろーが撃ちまくるしかない。

 そして、膨大な数の屍が築かれた。

 この闘いはロクでもない。意味もなく、教訓もない。それでもあえて教訓を探すとするなら、熱いヤカンには触るな、とか、悲惨な国が悲惨なのは、彼らが悪い指導者に虐げられているからではなく、国民自身が心の底から平和を望んでいないからだ、という身も蓋もないこれまたロクでもない教訓でしかない。

 自分の身を守るために、女性を、子供を撃たねばならなかったアメリカの若者たち。自分の家族や家を奪われたソマリアの人々。もっとよい方法があったはずだ。それをいうのは簡単だと思う。アメリカは傲慢だったのだろうか。そうかもしれない。じゃあ国連は傲慢じゃなかったのかな? そもそも当のソマリア自身がなんとかしようという努力を充分にはらってたのかな。多分違う。こいつは、どうにもならない現実の、どうにもならなかった善意の話だ。貧乏な学生のためにパンにバターをいれてやったら、そのパンを学生は設計図の消しゴム代わりに使っていたため、設計図が滅茶苦茶になった、っていうO・ヘンリの話がある。じゃあアメリカは何もしない方がよかったの? そうじゃない。アメリカが何もしなくても、国内ではバッタバッタと人が死んでた。じゃあアメリカはいいことをしたの。もちろん違う。彼がやったのは余計なお世話でジェノサイドに転がり落ちた不様な失敗だ。

 答えはない。こいつは現実の物語だ。映画がどんなできなのかは知らない(まだ)。でもこいつは読んだ方がいい。現実の命のやり取りの物語だ。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

本物の迫力

2001/09/12 11:34

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:猫  - この投稿者のレビュー一覧を見る

 ソマリアに要人逮捕の命を受けて潜入した米軍ヘリ部隊の苦闘を、ソマリア側からの視点も交えて描いた迫力あるノンフィクション。リドリー・スコット監督により、「ブラック・ホーク・ダウン」として映画化。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

紙の本

戦争は大統領執務室で起きてるんじゃない!!

2003/05/20 09:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:きねたく - この投稿者のレビュー一覧を見る

 9.11テロ、アフガン攻撃、そして今年のイラク攻撃と良くも悪くも、世界の注目と的となってしまったアメリカ。特に今年のイラク攻撃ではテレビで力説する大統領とは裏腹に、イラクに出兵していく兵士とその家族の姿が非常に印象的だった。もちろん彼らは兵士であるから、自国であるアメリカのために命を捧げることは当然である。しかしそんな彼らとてアメリカの姿勢を疑い、同時にアメリカという国が世界の警察ではなく、意志薄逆な国に落ちぶれてしまった1つの事件がある。それが1993年10月3日ソマリアの首都モガディッシュで起こった空襲事件だ。
 この日、アメリカ秘密テロ部隊デルタC中隊、および世界最強といわれる軽歩兵部隊レインジャーの第75連隊に与えられた指令は、当時ソマリアで覇権争いをしていた武装勢力、アイディド派幹部を逮捕するというもの。総勢99名の空襲計画で、およそ1時間で終了する作戦のはずだった。しかし怒りにもえたモガディッシュの民衆が蜂起。最強の装備をしているはずの部隊もスキをつかれ、抵抗する民衆に作戦が大幅に長引くこととなる。結局、アメリカ側は18名、ソマリア民衆はおよそ500名以上の死者を出すという惨事となった。特にアメリカ側は最新式といわれたブラックホーク・ヘリコプター2機も砲撃され墜落。死んだ兵士たちが怒り狂ったモガディッシュ民衆に市内を引きずりまわされ、その光景は全世界に発信されることとなる。結局アメリカではヴェトナム戦争以降、最悪の失策とよばれた空襲計画となってしまうのだった。
 この本を読んでいると事件の詳細がよく分かる。ドキュメンタリーでありながら、小説のような息づくドラマを埋めこんであり読み応え十分である。たくさんの登場人物が出てくるが、ボウデン氏の筆が巧みなこともあり、兵士1人1人の姿がくっきりと浮かびあがってくる。その兵士たちも自分たちは最強の部隊という自負がありながら、現場ではどんどん変化する状況に慄き、圧倒されていく。指揮系統も混乱し、兵士たちそれぞれが能動的に動けば動くほど、事態は進展していかない現場のもどかしさも感じられる。
 しかしそれ以上に不幸なのは仲間の死に傷つきながらも帰還した兵士たちに対し、アメリカという国がこの事件はもちろんのこと、ソマリアでの活動自体をオミットしようと動いたことだろう。アメリカを信じて、死を覚悟して戦った兵士たちにとって、愛すべき仲間を失った兵士やその家族たちにとってこれほど不幸なことはない。ボウデン氏はエピローグでこの事件の政治的背景や状況分析も事細かく行っており、この事件を詳細に知ることもできる。
 なお、この作品の事件部分にスポットあてた映画「ブラックホーク・ダウン」も傑作である。現場がどれほど混乱し、この戦いが同時にどれだけ無意味なものだったかを感じれることだろう。

このレビューは役に立ちましたか? はい いいえ

報告する

3 件中 1 件~ 3 件を表示
×

hontoからおトクな情報をお届けします!

割引きクーポンや人気の特集ページ、ほしい本の値下げ情報などをプッシュ通知でいち早くお届けします。