紙の本
理子(さとこ)は、神様と一緒に空を飛んだ。嵐の中を名月峠の大桜の木をもとめて。
2000/08/04 18:45
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:杜若 - この投稿者のレビュー一覧を見る
神様なんて全然あてにしていない理子(さとこ)が、図書室で神様に出会った。
おまけに神様は記憶喪失状態。何かに呼ばれて現れたのに自分の名前さえ分らなくなっていた。その神様を助けるため、理子は津雲市の歴史を調べる羽目にになってしまう…。
理子と神様のやり取りが楽しい。ちょっと太めの神様と理子が空を飛ぶ場面は、「となりのトトロ」彷彿とさせる。
日本人と神様の関係は、素朴な自然崇拝の中から生まれたのだなあと感じさせてくれるお話。
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ラストの風のジェットコースターの場面、読んでて気持ちよかった。
九十九の歴史に関する謎解き。
「自分の住んでいる街」という最も身近な場所を探索して解けていく謎。
久しぶりに読んだな、こういう小説。
ファンタジーばっか読んでると人格を持つ神様が否定的に描かれたり、悪さを起こしてばっかりだから、
その点からしても、こういう神様って良いな、と思う。
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地名や伝承や民話には昔のひとの願いや思いやいろんな伝説や出来事が込められてるんだな〜
わたしもそこまでじゃないけど、けっこう地名とか名字とかすきなので
市町村合併とかでわけわかんない名前になったり
古くからの名前が失われてしまうことに
何ともいえない気持ちを抱いてたので
こういうテーマのお話は興味深いし共感します。
神様はモフモフしてるし
台風シーンは気持ちよかったけど
そこまでひきこまれなかったのはなぜかな〜
日本は八百万の神様がいるっていう信仰(信仰っていうのかな?)はすごく気に入ってます^^
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大好きな富安作品です。
いつものどおり
蛇やら神やらと神話の世界が広がっております。
すてき!
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ひょんなことから、記憶を失った神様と友達?となった主人公・理子が、その神様の正体と神様が現れた理由を明らかにするために、地元の歴史を少しずつひも解いてゆくお話。自分が住んでいる町、なんとも思っていなかった町の名前にどんな歴史や意味があるのか、それを明らかにするだけでも一つの冒険なんだなと気づかせてくれる。
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さすが富安陽子さん。安定感があります。記憶喪失の神様と理子のドタバタな様子がおもしろかった。でも期待していたような富安さん独特の力の抜き加減がなかったような気がした。
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神様なんてえこひいきであてにならない、そう思う理子(さとこ)の前に、名前を忘れたヒゲもじゃの神様が現れた。そして正体を探る手伝いをすることになった理子。その時持っていた本〈津雲の史蹟〉という理子の住む土地の歴史の本に何か関係する神様じゃないかと調査をはじめた。
全部読み終わると、ファンタジーでも設定がしっかりしてて面白かったと思えましたが、序盤は土地の難しい話やな~と少し取っ付きにくさを感じました。
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小学生には富安陽子と岡田淳はお勧めして、間違いはないですよね。
安定している富安さんなので安心して読めますが、謎解きにもう少しはらはら感があった方がよかったかなあ。
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小学生の女の子がある日学校の図書館で見つけたのは
たいそう古ぼけた本、『津雲の史蹟』
そして本と一緒に現れたのはなんと、
記憶を失くした真っ白い髭の神様!
古い本を読むのも、なくした記憶を探す手伝いをするのも
なんだかとっても面倒くさいけど!
気づけばどんどん、自分の住む津雲の歴史に引き込まれていって……
*
物語だからだけど
主人公の女の子の検索能力というか、
知りたい情報を探す方法が的確でとても感心した
古い歴史に関わって、その物語を学ぶというのが大きな筋だけれど
資料というのはこうやって探すんですよ、という
ある種の手引きにもなっていると思う
自分の住む土地の歴史
当然のようにあるものが、実は当然ではなかったという事実
問題を解決する方法
そして子どもに託された祈り
この本自体が一降りの雨のように
さぁっと心を洗い流してくれたような気がした
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見えない世界をぐっと身近に感じさせてくれる物語です。自然や神様のように、現代人が顧みなくなった大切な存在を私たちに近づけてくれるような気がします。
これを読む子供たちは理子の後を追いながら、自分の住む土地にどんな伝説が眠っているのか、思いを巡らせると思います。また、風のささやきを耳にし川の流れを目にするたびに、そこに神様の存在を感じると思います。運命とかそういう不確かなものを信じられると思うのです。季節も学校も日々の暮らしそのものが神様からの贈り物だと感謝する気持ちを持つと思います。
神様にも心があって寂しさや悔しさを感じるのだということを想像することで、神様を敬い重んじることの大切さを気取らないタッチで描いた富安さんらしい物語だと思いました。大人にも子供にも多くを語りかけてくれる物語です。
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自分の住んでる町の言い伝えを地神とともに探していく。
肯定感は悪くないんだけど、やっぱり、昔の地名への想いとかもう少し大事にする話になってほしかったなあ。
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とても面白かった。
記憶を無くし、自分の名前も思い出せない神様と一緒に、町におこる(かもしれない)災いを防ごうと郷土資料や史跡を調べることになった理子。
今住んでいる町の当たり前の姿も50年、100年前は全然違う姿だったわけで…… 調べていくうちに理子は、皆が忘れてしまった町の歴史や昔の人が未来に託した願いを知る。
こういう歴史はどこの町にもありそうで、この本を読んで、自分の住む町の歴史や謎に興味を持つ子がいるかも知れない。
学校の図書室の郷土資料をもっと充実させよう。
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しぶしぶだった神様にお願いされての調べものに熱中していく様子がほほえましいです。
それにしても妙に人間くさい神様がかわいらしいです。
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【図書館】富安陽子さんの読んだ本での中で一番好きかもしれない。児童書の面白さを改めて感じた気がする。富安陽子さんは、神様のお話が好きなのかな。
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理子が学校の図書室で見付けた古い本、それは街の歴史が書かれた本だった。その本を手にした時に現れた不思議な真っ白ななひげのおじさんは、記憶をなくした神様だった。
地神をテーマにしたファンタジー。町の移り変わりや町の名前の由来などに、神様のなくした記憶を絡ませて物語は展開されます。神様と理子のやり取りも面白く、謎による引きつけも強く楽しく読めます。それがラストの爽快感に繋がるのです。
元々町と神様は結びつきが強いもの。神様の記憶を探る中でそのことに気付かされる様子が素敵です。またここにはさり気なく物事の調べ方も提示されているのですね。そこがまた素敵です。
町の名前が変わることよりも、それによって町の歴史や謂れが忘れられることの方を問題視する。名前が変わっても歴史がなくなる訳ではない。過去を大切にすることは過去に固執することではない。そこからまた新たな歴史が作られていく。それは未来を築く子どもたちへ託されたメッセージなのでしょう。