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みんなのレビュー3件

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紙の本

ハードなタッチの「エイリアン通り」

2002/05/11 11:37

1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:chal - この投稿者のレビュー一覧を見る

ふたり一役でプライベートから俳優業まで、すべてをあざむく仮面生活を送っている兄弟が、ただひとり、「自分」を見分けてくれるアニスという少女に出会うことで、少しずつ、「自分」というものを大事にすることを意識しだす物語。
「エイリアン通り」も、基本的には、それぞれのキャラクターが自分探しをする物語だったけれども、こちらのほうは、それをもっと深く掘り下げた、読者を考えさせるハードな仕上がりになっている。
大人になりかけの不安定な時期にこそ読んでほしい傑作です。

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紙の本

どうしていつもこんなに泣けてしまうのだろう

2003/12/08 02:07

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:すなねずみ - この投稿者のレビュー一覧を見る

何度読み返しても、泣けてしまう本がある。僕にとっては「ノルウェイの森」と、この「サイファ」がそれである。

心が冷えて固まったようになってしまい、どうにも身動きがとれなくなったとき、この二つの作品を読み返してみる。すると涙が溢れてくる。涙はとても、とても熱い。冷えた身体を温め、渇いた心を潤してくれる。

もう何度目か忘れたけれど、今回読み返してみて、特に強く心に響いてきた台詞は、たとえば……

「強くなりたいと思うよ 誰も傷つけずにすむくらい 強くなりたい」

「ごらん きれいだろう? このあかりが美しいのは みんなが自分の罪に気づいて それから逃げなかったからだよ」

「時が経つっていうのは不思議なものだね 父が死んだときも思ったもんだよ 死んだっていう事実にだんだん慣れてきて いないのがあたりまえになってくる 遠くの街に住んでるのと同じ感覚さ 忘れていられるようになるんだ」

「ノルウェイの森」も「サイファ」も、ともに<愛する人の死を乗り越えていくこと>が骨格を成している物語であるように思う。単なる<自分探し>ではなく、その根っこのところに<死すべきものとしての人間(あるいは壊れものとしての、Fragileな人間)>が置かれている。そして、たぶんそのことが心(sentiment)にやさしく触れてきて、涙が溢れ出してきて、心が浄化されたような気分になる。

それ(心の浄化)が錯覚であることは、頭のどこかではわかっている。感情(sentiment)はとても習慣化されやすいものであるから、いつものように涙を流しながら、何一つ自分は変わっていないことに気づいて愕然とすることも少なくない。

レイモンド・チャンドラーが「プレイバック」という作品のなかでフィリップ・マーロウに言わせている有名な台詞がある(「サイファ」を読むたびになんだか思い出してしまう)。

「タフでなければ生きていけない。やさしくなければ生きていく資格がない」

「やさしさ」というのは非常に型通りなもので、それだけでは決して人を本当に変えることなどできない。でも「やさしさ」は絶対に必要なものだ。否、そうではなく、「やさしさ」は誰もが持っているものであり、それは人間の「弱さ(Vulnerability)」の証である、と言うべきなのかもしれない。人間関係の場において、その「弱さ」を相手に向けて開いてゆくことで、人と人は真に理解しあうことができる(「かもしれない」という限定辞をつけるべきだろうか、ここに?)。
その「弱さ」は「甘え」とは似て非なるものである。

今回、冒頭に挙げたアニスの台詞(「誰も傷つけずにすむくらい強くなりたい」)が、この「サイファ」という作品全体に響いている言葉であるという印象を強く持った。

その言葉が非常にリアルに響くのは、発話者のアニス(とても魅力的な女の子だ)が、ごく当たり前のように周囲に「やさしさ」を発散しながら生きていて(「やさしさ」は表現しないで仕舞っておくとすぐに腐ってしまう)、その「やさしさ」に根差した「強さ(toughness)」を求めているからこそであると思う。

小難しいことを書こうとしすぎて、頭が痛くなってきたので、もうやめておこう。

最後にひとつだけ……「サイファ」の中には、アニスの祈りがささやかな「奇跡」を生む瞬間がいくつも描かれている。だから、できるだけたくさんの人に読んでもらいたいなあ、と思うのである。

たまには独りで泣いてみるのも悪くない。

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紙の本

アメリカンスタイル、そして「自分探し」

2001/10/25 00:22

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:ニシ  - この投稿者のレビュー一覧を見る

 スマートでクールでオシャレなアメリカを舞台にした少女マンガでは、この作品が最高峰でしょう。
 しかし、そのアメリカンな世界観のみで「CIPHER」を楽しむのは物語前半部分のみ。中盤である大きな事件が起きて、主人公たちは離れて暮らすことになります。

 NYとLA、二つに舞台はまたがって、主人公たちは別別に暮らし、いろんな人との交流を通して傷つき成長していきます。
 なにしろ、主人公の双子は毎日交替で学校も俳優業も二人一役をこなす(例えば学校には片割れしか在籍していないが、本当は二人が交替で、一人の人間になりきって行っている)という、ワケありのワケわからん離れ業をやってのける人物です。
 当然、周りの目を欺いて生きているから、人も信用していないし、基本的に孤独。そこがまたカッコイイんだけど、事件が起きて以降の後半は双子の過去が明かされたりなど、あまり「クールなアメリカ」は強調されなくなっていきます。

 種明かしになってしまうようですが、読み終えた時気付く「CIPHER」の本来のテーマは、恋愛でも友情でもましてやアメリカンスタイルでもなくて、「自分探し」です。読むと素直に前向きになれる爽やかな傑作。個人的には、あまりアメリカンスタイルとかにこだわらないで読み始めた方がいい作品だと思います。

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