紙の本
まずはイントロダクション
2001/11/23 02:03
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投稿者:LR45 - この投稿者のレビュー一覧を見る
初っぱなからグロテスクな光景が広がる。話の舞台は、壬申の乱前後の日本、そして、近未来。韓の国の王子でありながら、犬の皮をつけられて生きる少年が主人公。二つの時代を行き来する。
まず、この巻はイントロといったところだろうか。
紙の本
権力へ、永遠の生命へ!
2002/06/06 21:18
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投稿者:岡野義高 - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本の古代、壬申の乱のころの時代。
百済国王一族の少年ハリマは、戦争に負けて、野に放たれる。
しかし、眠りにつくと、夢のなかで、自分は、未来都市にいて、宗教集団、「光」と「影」との戦いにまきこまれている……。
権力をめぐる争いは、果てがないのだろうか?
ハリマは、古代と未来と、二つの時代を行き来することになるが、どちらの世界でも、人は、権力を求めて、あくなき戦いを繰り広げている。
日本古代の神々と仏教の仏の宗教戦争。
中大兄皇子と大海人皇子の権力争い。
教団「光」と「影」との争い。
人は、どうしても、権力を求めてしまう。
しかし、権力を握れるのは、一握りの人間だけ。
そして、たとえ権力をにぎったとしても、自分の権力がいつまで続くか、不安は消えない。
そんな人間の心が、永遠の生命へ、火の鳥へ、と向かうのだ。
永遠の生命を求めてしまう人間というものは、なんとたよりなくはかないものなのだろうか……。
健やかに生きている人間は、火の鳥など、求める必要もないのだ。
紙の本
シリーズ最後の作品
2001/12/16 09:41
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投稿者:猫 - この投稿者のレビュー一覧を見る
火の鳥、最後の作品である。近未来社会と、古代日本のふたつの時代で物語が平行して進み、やがて合流する。雑誌連載版と異なり、火の鳥は最後まで姿を見せない。少女のキャラクター造形やメカニック描写に、巨匠らしからぬ現代的な若々しさを感じる。
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『火の鳥』シリーズは黎明編、未来編・・・と過去から未来と順に描き最後は現代へと至る構想だったとのこと。
太陽編ではそれが一度に行われている。[中]までのじっくり感で最後まで行って欲しかった。
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数ある火の鳥だがこの太陽編を推す。ラストは弱めだが。宗教・政治・権力。過去と未来でなんら変わりがない人間世界。どちらが正しいとも間違いだとも言えないのが切ない。手塚作品はテーマが普遍的なのが良い。
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巨匠手塚治虫。私の人生のバイブル。治虫リズムで生きていこうと思います。
とある人も言ってましたが、彼の書くマンガはいつでもどんな時代でも先進的である。既に作品自体30年近くも昔なのに、今ある漫画の何よりも先を見ている気がする。
地球の未来の姿とか、物凄い説得力がある気がします。もちろん過去に対する説得力も。
一マンガ家であるが、医者でもあり学者でもあり、宗教哲学者なのであろう。
完結しなかったのは神のいたずらかなにかであろうか。
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人間、宗教、業…。「火の鳥」は人間の姿を美化せず丁寧に書き上げている。当時の手塚が考えた未来のなどは本当にありそうで、彼の創作力には驚かされる。さすがライフワークだけあるんだなぁ。
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初めて読んだときのこと覚えてます。
中学のときin視聴覚室。こわくて震えた。
スケールが大きすぎて震えた。
手塚治虫との出会いの一冊。
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僕が初めて読んだ手塚治虫作品は、『火の鳥 異形編』でした。当時小学校低学年だった僕にとっては、『火の鳥』は怖い作品、そして大人の漫画として印象づけられ、その後、そのスケールの大きさに圧倒されながらも読み漁ったものです。
日本人はなぜこんなに漫画が好きなのか、外国人の目には異様にうつるらしい。なぜ外国の人はこれまで漫画を読まずにいたのだろうか。答えの一つは、彼らの国に手塚治虫がいなかったからだ。
1989年2月10日、手塚治虫が亡くなった翌日の朝日新聞・天声人語のこの一節を、彼のライフワークであった『火の鳥』を読み返すたびに思い出します。
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仏教に対する、この表現の仕方はアリなのかと驚いたが、それはブディストの信仰心を刷り込まれていたからだと気付いた。お祖母ちゃんは「仏様が何でも助けてくれる」みたいなこと言っていたらしいし。仏教を描いた漫画というと『日出処天子』を思い出すけれど、厩戸皇子の言っていた「神は祀るのが当たり前、だが祀っても祟るのが神。それを鎮めてくれるのが仏」というシンプルな神仏混合論が頭の隅に残っていて(刷り込みやね)、土着神を滅ぼそうとしているこの作品での『仏』の姿にキョーレツな違和感が…。
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「火の鳥 太陽編」手塚治虫
手塚治虫ライフワーク。靄色。
角川文庫版NO.10-12。
この作品に関しては何をレビューしようとも薄っぺらい
文章にしかならない気がする。
シリーズのなかで一番好きな作品です。
初読は小学校のとき、公民館の図書室で角川の単行本。
子供ながらに日曜日の午後に感動した記憶があります。
そうそう、角川のハードカバー版の下巻の裏表紙は
ちょっとエッチなんだよね。思い出した(笑)
仏教が侵略者として描かれる素人にとってはカルチャー
ショック、犬上宿禰とスグルのアクション活劇、
7世紀と21世紀を行きつ戻りつシンクロする展開と
遥かな時間を超えてすれ違い、想いあう愛。
とにかく名作です。(5)
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火の鳥シリーズの中で一番好きな作品。壬申の乱を舞台にした物語の描き方だけでも圧倒的な内容なのに、過去と未来を行き来することで、その物語が一気に普遍性をもった哲学書の様相に。圧巻。
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「倭の王は誰でもないこの予だぞ。
そちがいかに皇弟であろうと そちの意見は認めんッ!
よく聞け、産土の神々などは相手にせんぞ。
仏だけが予の命じゃ。」
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2012年12月9日読了。「太陽編」上中下3部作の上巻。唐の軍勢により顔の皮を剥がれ狼の皮をかぶせられた百済国の王子・ハリマは、土着の神々と大陸から渡ってきた仏門の神々との争いに巻き込まれ数奇な運命を辿ることになる。「狼の皮をかぶった人間」という絵の表現は実写映画では不自然に・小説などではビジュアルで伝わらない、マンガならではの面白さだよなーと思う。リアルな表現・息を呑むような残酷な表現の中のユーモアの出し加減のうまさはすごい。この上巻では物語は始まったばかり、ハリマの見る夢の謎も残ったまま。残りの2巻は読んだことがあるが筋を忘れてしまったので、これから読むのが楽しみだ。
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太陽編 上
壬申の乱→日本へ。
異形編のスケールアップ版。
産土神 VS 仏教
ハリマ……狼の皮をかぶり人畜両側を行き来する人物に。
大海人の貌。
未来と過去を行き来するという全編の語りがこの一作に。