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紙の本
鬼太郎が人間の裏切りにあい、大苦戦!
2001/01/22 15:30
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投稿者:白悠 - この投稿者のレビュー一覧を見る
いつも我らが人間のために戦ってくれている鬼太郎が、本書では人間に苦しめられてしまう。「大海獣」という話の中でのことだ。ニューギニアで見つかった大海獣を調査するために探検隊が派遣されることになり、その中には鬼太郎と少年天才科学者、山田秀一もいた。探検隊は1ヶ月以上の旅の末、ようやく目的地に到着する。ここで鬼太郎と山田が水をくみに行っている間に、残りのメンバーは大海獣にやられてしまう。そして死ぬ寸前の隊長から託された大海獣の血のために、鬼太郎は大きな災難に見舞われることになる。
私は、この話には、科学や人間の欲望の持つ危険さ・はかなさを知るべきだという作者のメッセージが込められていると思う。現実の世界でも、人間は科学によって地球を破壊できるほどの威力を持つ核兵器をつくり出し、クローン人間までつくり出そうとしている。私から見ればなんの価値があるのかと思うような地位や名誉を手にするために、多くのものを犠牲にする人間だってたくさんいる。
「このような人間の横暴さは、いつか人間自身に跳ね返ってくる」いつも人間のために戦っている鬼太郎が人間によって攻撃されている姿を見て、私はこう考えたのだ。果たして考えすぎだろうか?
本書には他に、鬼太郎の手が活躍する「手」、知らぬ間に人の体内に入り込む妖怪が登場する「水虎」、鬼太郎がピンチに陥る「吸血木」、日本の妖怪と西洋の妖怪との死闘を描いた「妖怪大戦争」、鬼太郎をしゃれこうべにしてしまう手強い妖怪との戦いである「吸血鬼エリート」が収録されている。
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