紙の本
水木しげるの少年時代を描いたマンガ。心の栄養の詰まったこのマンガが近くにあることの幸せ。
2012/01/03 18:20
5人中、4人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:toku - この投稿者のレビュー一覧を見る
近所に住んでいた『のんのんばあ』との交流を中心に、水木しげるの少年時代を描いた自伝的マンガ。
水木しげると妖怪の関係を決定づけた少年時代の出来事が描かれつつ、心の栄養が詰まったマンガだった。
妖怪や『見えんけどおる』ものの存在、さまざまな言い伝えをのんのんばあに教えてもらった少年水木しげる。
水木しげるは少年時代、さまざまな出来事に心を痛めた。
好きだった女の子の死、売られていく女の子、ガキ大将の座をめぐる仲間同士の争い。
そんな出来事に傷つくしげる少年を、のんのんばあや父は優しく慰める。
その言葉は的確に心の傷をいたわり、心が強く優しくなっていくように癒していく。
好きだった女の子が死に、何にもする気がなくなったしげる少年に、のんのんばあは言う。
「それはなぁ、千草さんの魂がしげーさんの心に宿ったけん、心が重たくなっちょるだがね」
「魂は十万億土に行くんじゃなかったんか」
「大部分はそうだけど、少しずつゆかりの人の心に残るんだがね。人の心はなぁ、いろんな魂が宿るけん成長するんだよ」
しげる少年は、売られていく女の子を助けようと、人買いに力で立ち向かうものの、負けてしまう。
自分はこんなに弱かったのかと落ち込むしげる少年に、父は言う。
「でも強さ弱さというのは力じゃないだろう。いくら力が強くても気持ちまでおさえるつけることはできないだろう」
「ほんなら強さってなんだ」
「それは自分で知ることだろう。ま、今日のような悔しさや痛みが少しずつ強くしてゆくんだろうが」
落ち込んでいることを気づいてくれる人。
落ち込んでいるときに慰めてくれる人。
そういう人が近くにいてくれることは、とても幸せだ。
この二人の言葉が心に染み込んでくる。
まるで心が二人の言葉を欲しているかのよう。
穏やかで、しかし力強い何かに心が満たされてされていく。
もしかしたら二人の言葉には、心の栄養が詰まっているのかもしれない。
このマンガが近くにあることも幸せだと思った。
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我が心の師(…って何人おるねん?)、水木大先生の「妖怪人生」のきっかけを作ってくれた「のんのんばあ」とのエピソード満載のコミックス。NHKのドラマにもなったよね。私の大好きな「べとべとさん」も出てきますっ!!(笑)
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小学校低学年のとき、ハマリに嵌った漫画です。
正直、私は鬼太郎よりもこっちの方が好きでしたし、今もそうです。
のんのんばあがとても魅力ある方で、出てくる妖怪達も然り。当時の私ももちろん妖怪大好きっ子でありましたが、この本に出てくる「べたべたさん」は怖かったもんです(笑)
理由は忘れましたが、どうもアノ妖怪だけはニガテでした。今は大好きですがね。
まぁ、この「のんのんばあとオレ」は色んな妖怪が登場するだけでなく、水木しげるという人物がどのように形成されたかとということも良くわかります。
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烏兎の庭 第三部 書評 12.29.07
http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto03/diary/d0712.html#ba
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今より70年以上も昔の昭和6年頃の話。著者は子供の頃、のんのんばあというおばあさんから、この世にいる妖怪の話を聞き、様々な妖怪に出遭う。
のんのんばあの言うことにはなぜか説得力があり、今でも大切だと感じることが多々あります。のんのんばあのような人の前には妖怪が姿を現すのかもしれません。
今でも実は日本には妖怪がいるのかも?
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NHKでやってた。目に見えないけどある世界。
ドラマで食べてたドーナツがおいしそうだった。
げげと共に子ども心に人生の酸っぱさを感じていた。
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古き良き昭和には妖怪がいてもおかしくはない、今はただ環境破壊が進んで妖怪も生きでけなくなった、とそう思わせる全体の雰囲気が好き。
NHKのドラマが懐かしい最放送し無いかしらん?
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ドラマとおんなじだ!石を戻しに行くとことかカッパとの対決とか懐かしすぐる!
何気にお父さんが良い事言ってるなぁ。
(思い出補正入ってます)
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登場する人物(妖怪達)の台詞がなにげないのに深くて良いです!
飄々とした語り口なのに、すごく心にしみます…
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@yonda4
ゲゲゲの女房で話題の水木しげる氏。
この漫画は水木氏が子供の頃の自伝。
昭和初期の鳥取県境港、妖怪の存在を信じる「のんのんばあ」との生活。
風呂桶を熱心に洗うのんのんばあに、しげーさん(水木氏のあだ名)が「なぜ、そんなに熱心に洗うのか」とたずねると、
「木が腐ると垢がたまって、そこにあかなめっちゅう妖怪がとりつくんだ」
なんともかわいい。妖怪にとりつかれると困るから洗わなくちゃ!本当にとりつかれたら嫌だけど、妖怪いてもいいよな~。
「小豆はかり」としげーさんのお父さんもいい味だしている。
何度も読み返したくなる漫画だ。
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水木しげるの世界観を作り上げたのんのんばあは想像力の豊かなおばあちゃんと言ってしまえば夢がなさ過ぎるので、ホントに「何か」が見えていたんだろうなと思う。「みえんからおらんというのがまちがいのもとじゃがナ」この言葉に説得力があるので間違いない。売られていった美和ちゃんとの別れが辛いけどこういった体験の一つ一つが水木先生を支えたのだと思う。何が自分の助けになるか分からないものだ。私も「神様ありがとうヨ」と言いたくなる。
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その悲しみは宝物だ。えけ思い出をもらったな。勉強なんか落第しない程度にしたらええ。それよりいまは今でしか作れん財産をいっぱい作ることだ。それがいつか役に立つ時がくるけんなあ。
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霊感が強く満遍なく優しいが故に貧乏で下積みな「のんのんばあ」
彼女との交流によって生命現象の精神的部分に目覚めて行く「オレ」を
描いた短編集なのだろう
水木しげるの生い立ちの記だと言えるのかもしれない
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人は見えないものに理由をつけたくなる生き物なのかな?そんなことを思いながらも、大人になった今、少し妖怪に会ってみたい。そんな気にさせてくれる本でした。妖怪がいたらもっと人の繋がりを大事にできるのかな。
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のんのんばあが妖怪を通して、我々現代日本人に古きよき考え方や慣習を教えてくれます。
いまや「妖怪」が身近に感じられない世の中です。だからこそ、『のんのんばあとオレ』は多くの人の心に残るのでしょう。