投稿元:
レビューを見る
初版を売り切ったまま品切れ状態が続いている。
日米マンガ比較研究の基本図書として重要。見つけたら状態を問わず買っていい。
ただ、できれば黒い帯(実質カバー)がついているものを! 帯は日本版オリジナルですが、これはなかなかの出来なのではないかと。
原著《Understanding Comics: The Invisible Art》にはさらにコミックのデジタル制作を題材とした続編《Reinventing Comics: How Imagination and Technology Are Revolutionizing an Art Form》があるが日本語版出版の動きはない模様。
投稿元:
レビューを見る
マンガとは、連続的芸術
人物は感情移入してもらうためにデフォルメしている
言葉とは、究極の抽象化
受動的(見て分かるもの)→能動的(読み取って理解するもの)
絵がリアリティから離れて抽象化していくと、だんだん能動的に見る必要が出てくる
いっぽう言葉も大きな字で、はっきり単純に書くと、それほど意識しなくても伝わってくるし、すぐに理解されるようになる。絵に近づく
絵画的平面図形(抽象性)
/\
リアリティ(具象性)ー言語(意味性)
部分的な感じから全体を捉える能力 補完
補完の種類
①瞬間→瞬間 型
②動作→動作 型
③主体→主体 型
④場面→場面 型
⑤局面→局面 型
⑥関係なし 型
伝統的な西洋芸術、西洋文学は、あまり道草を食わない。西洋文化は、目的地重視の文化。けど、東洋には、円環的、迷宮的な芸術の長い歴史がある。日本のマンガもその影響を受けている。つまり「目的地へ向かうこと」より「今ここにいる」ってことを大切にしている=<間>の芸術
コマ
時間と空間を操る
コマによって閉じられなかった時間は、<時間>を超えて全体に染み渡っていく
描線
見えるものから見えないものへの変換作業こそが、文字の起源
芸術や言語は、どんどんシンボルを増やして成長していく
最初は絵文字。これが、だんだんと表す対象と似なくなってきて、どんどん抽象化されていき、最終的には、完全に抽象化された表音文字になる
背景も概念を表す重要な道具
見せてお話
絵画、文学とは違い「言葉といっしょに動く映像」がテレビや映画
①言葉中心型
②絵中心型
③両者中心型
④増幅型
⑤並列型
⑥モンタージュ型
⑦相互依存型
文章で細かく説明すれば絵ではいろいろな遊びができる。逆に絵で多くを見せてしまえば文章で遊ぶこともできる
言葉と絵を混ぜるのは、単なる足し算じゃない。錬金術みたい妖しい技だ
創造という行為のたどる道
①発想と動機
②表現形式
③文法
④構成
⑤技術
⑥外観
マンガはバランスの芸術
時間と空間による見事な二人三脚
投稿元:
レビューを見る
マンガについて、これほどまでに熱く、こだわりをもって書かれた本はあっただろうか。
コマの持つ意味と威力に気づかされ、感動した。
投稿元:
レビューを見る
"マンガ学/ Scott McCloud" 読んだ。ふたつの構成要素が化学反応を起こす条件へのアプローチ、という部分がいまのわたしの興味と似通っててすごくおもしろかった。足し算でも掛け算でもない、不可逆な反応のしくみ。あとは記号化の話が興味深かったな。後半の『美術の歴史には、大穴が開いている!』はワクワクした。色の話にもちょっと触れてる。
投稿元:
レビューを見る
マンガを芸術の一分野として分析した結果をマンガで表した本で、なかなかおもしろかった。
翻訳書はすでに絶版の模様で中古本が数千円で購入できるのだが、そこまでして持っておきたいレベル本ではない。
原著はAmazonで普通に売っているのだが、アメリカの方が出版社の懐が広いということか?ただ私の英語力では英文は読みこなせないだろう。
投稿元:
レビューを見る
マンガを「連続的芸術」と位置付けて、マンガがどの様に人に作用しているかを分析する一冊。著者はアメリカ人の漫画家。こんなに理屈っぽいオタクは初めて見たぜーw
古くはタペストリーと呼ばれる遺跡から連続的芸術の追求は始まっており、画家バウル・クレーをして「芸術とは見えるものを再現するのではなく、見えるようにすることだ」として漫画の擬音や風景に溶け出す模様など、マンガの進化を説明している。
特に、コマとコマの間を人間の想像力がどの様に補っているか、また、途中から一部始まるカラー刷りでの色の効果の説明部分が特に面白かった。
ハイコンセプトからのリファレンス。
投稿元:
レビューを見る
素晴らしい一冊。メディア学最高。同じシリーズで他の二冊あって、日本語訳本はないかもしれません。Making Comics & Reinventing Comics。あったらいい。
投稿元:
レビューを見る
マンガとはなにか、
マンガにしかできないことはなにか
この考え方はどんなジャンルでも活かせるはずだ。
投稿元:
レビューを見る
ハイコンセプト 物語の感性を磨く
キャンベルの神話論と併せて紹介されてた
¥
mmsn01-
【要約】
・
【ノート】
・
投稿元:
レビューを見る
借りたもの。
マンガ(コミック)の“表現”を美術史や認知心理から読み解く学術書!その表現自体もマンガ形式!!
それは漫画家や読み手の視点・心理状態も絡めて、その可能性や奥深さを紐解いてゆく。
アメコミ、ヨーロッパのマンガが中心かと思いきや、その表現方法とは異なる日本のマンガからも、その奥深さを解明・解釈しようとしていた!
記号的表現、間を読む補完認知、時間の経過表現、ものの動き、擬音、色彩の効果、さらには漫画家の作風にまで……何気なく読んでいるマンガの中にある、多量な情報と、人間が複合的にそれらを処理していることがわかる。
日本もマンガに関する本は数多あれど、その物語性についての解釈、『解体新書』がほとんどだった。あるいはマンガの描き方。
この本は表現技法と読み手に与える作用を言及していることが面白い。
そのルーツを古代の壁画や画家たち、コラージュから比較検証する点も。
マンガはアートであり面白い。
投稿元:
レビューを見る
島本和彦『アオイホノオ』や他で、鳥山明といふ巨人の影響がでてをるが、ガチでマンガに向かってるとその表現は影響力があると。
記号的な表現で具象的にかく、といふのが衝撃だったといふのが、私の前を通り抜けて行く。
日本の出版事情、読む人の比率と他であっちの事情と異なるものもあるが、結構面白い。