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紙の本
冷静なギャグとあなたの狂気
2002/03/29 22:02
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:じゃりン子@チエ - この投稿者のレビュー一覧を見る
駕籠真太郎の漫画は汚いものがほんとに露骨に出てきます。女の子が輪切りにされたり、腸が散ったり、奇形児生んだり殺したり。人間の尊厳や人格といったものは彼の作品の中ではまったく考慮されません。身体はただただ陵辱されます。そのあまりの虐殺ぶりに多くの人は彼の作品を「き@がい」という言葉で表現します。しかし、彼のすごさは、そのきち@いぶりではなく、むしろ、そういった世界をあくまで冷静に楽しむことを非常に当たり前のこととして行ったことにあります。
書かれている物が狂悪なのであまり言われませんが彼の漫画は非常に端整で精密な描線から成り立っています。この線が一種病的な雰囲気をかもすと同時に、登場人物を非人間的な、私たちと違い痛みを覚えることも知らない人間に見せています。つまり、自分たちと違った、痛みを持たない体を持つ人間のことは、どんなに痛めつけたって平気だ。ということを読者に自覚させてしまったのです。え? 信じられない? いや読むとわかりますよ。ほんとに、何の痛みも罪悪感も感じずさせずに、人の身体が陵辱されることがエンターテイメントとして成り立っているんです。
一見恐ろしいことのようですが、実は漫画においてはこれは当たり前のことでした。バックスバニーは金庫につぶされても生きてるし、鉄腕アトムでも壊れた町はすぐもと通りになってます。この鬼畜で一見前衛的な漫画は、非常に古典的な漫画のお約束の範疇にあります。お約束である、とどのつまり漫画という嘘であることを作者が自覚している限り、どんなに狂悪な死に方をする人間が、どれだけ登場してもそれはただの漫画であり、娯楽です。駕籠真太郎は、たくさんきち@いを書いていますが、それはあくまで漫画という娯楽に過ぎず、作品そのものには狂気は存在しません。
狂気が存在しているのであれば、それは読み手ひとり一人の心に問われるべき問題なのです。まあ、ちょっとおかしいな、この作者、とは思いますが。
だから、この人の漫画は書き手のきち@がいっぷりを楽しむ漫画ではなく、読み手が自分の心の中の狂気を自覚して、笑う漫画です。狂気も漫画になってしまうとギャグなんです。
こわいですね、マンガって…
紙の本
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2003/02/05 03:30
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投稿者:太田出版 - この投稿者のレビュー一覧を見る
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