紙の本
見えぬもの
2005/03/15 00:10
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投稿者:悠二朗 - この投稿者のレビュー一覧を見る
昔から人には不思議な能力が少なからず備わっていたという。この物語に出てくる主人公は、自然界からの声が聞こえる。私も昔、昔聞こえた気がする。でも都市化されてきた殺伐とした今の世の中では、闇にすむものの声が聞こえなくてあたりまえな気がする。すむところでさえないだろう。この本を読むと懐かしくさえもある。もしも、神も仏も、自然も共存していた頃の者を思い出すのに引き込まれるすばらしい作品だと思う。絵のタッチもすばらしく読んでいても安心して読める一冊である。
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ちょいと伝奇モノ。
不思議な宿屋とその主の話。
あるじシリーズをもうちょっと書いてもらいたかったかなぁ。
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2007.09.27。雨柳堂シリーズと同じで不思議系ストーリですが、こちらは主人公が大人なのでまた違った雰囲気があります。短編形式。青さんのお話、もっと読みたいです。続き描かないかなぁ。
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物語は、中国の冥婚譚を信じる女性の哀しい愛の結末から始まります。日本の古い時代の、木々や物など全てのものに神(精霊)が宿っていると信じられていた頃の、古めかしいけれども懐かしい気配を、波津先生の語り口調から感じられます。風来坊のような主人公の青年(でも生まれは華族)、彼に仕える翁、代わる代わる登場する女性たちや物の怪たちの想いが、ひとときの邂逅をみせ、また別れていく。ノスタルジックな情緒あふれる良作です。
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『雨柳堂夢咄』で有名な、波津彬子のシリーズ短編集。
“そこに行けば逝ってしまった愛しいあの人に再び会えるという―。人里離れた場所に在る花月楼という名の宿…人はそこを“幽霊宿”と呼び、噂していた。亡き人の面影を偲んで幽霊宿の主人・秋月青之介の許を訪れる客が後を絶たず、また1人、美しい未亡人の客が訪ねて来るが…。”―裏表紙より。
◇幽霊宿の主人
◇夢と知りせば
◇春のかぎり
◇秋の寺
◇水の中の月
◇花の形見
◇夜の聲
◇夕暮れの花
この世ならざるものを視る力をもつ主人公・秋月青之介が、眉目秀麗なこと…。
舞台は、明治維新の少し後。
今市子『百鬼夜行抄』に設定が似てるけど、こちらの方が、主人公が世慣れてる分、ちょっと大人向けかな。
各話それぞれ、物悲しくて美しい。日本画風の絵柄もステキ。
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線が美しいなぁ。
しかしながら、昔はよくてこれから先はさみしいというような内容を読むと悲しくなる。
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波津彬子の漫画はほんとに切ないものが多い。
この本も舞台は古いものだがいつでもあり得る人の心の葛藤を多くえがいている。
最後があとに続かないのが痛く残念。貞節という言葉が美徳だった時代にタイムスリップしたいかたにおすすめ。バリバリ働くキャリアウーマンじゃなくてもりんとした女性もいるのが、うれしく実感できる。
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江戸時代から明治時代へと移り変わる世の陰に、ひっそりと姿を隠しているものたち。前々世紀のお話ですが、隠れたものに目を向けなくなりつつあるのは、現代に始まったことではないのですね。