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紙の本
2,000年遅れて現れた「女性のためのキリスト」
2001/11/07 09:03
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:Snake - この投稿者のレビュー一覧を見る
サラ・パレツキー1998年の小説。シカゴの女探偵,V.I.ウォシャウスキーシリーズの作者だが,本作は推理小説ではない。
敢えて言えば宗教小説かしら。キリスト教のかなり深い部分には家父長制度的な女性蔑視の傾向が残っており,それが現代でもアメリカで生きる女性達の肩に (彼女がマジメで敬虔に神を信じていればいるほど) 重くのしかかっている。スティーブン・キングの『キャリー』なんかはその辺りの事情がよく描かれていたでしょ。
「暴力で家族を支配している」男は,それが好きなだけでなく,宗教的に正しい,神のミココロに適った行為だと信じている。つまり男性である彼にとって,時には暴力をもってしても家族を支配し指導する責務を果たすことは「神に与えられた仕事」なんである。幸せにも (まぁ最後にはそうではなくなるが) 従順な妻や娘に恵まれたこの俗物は良心の呵責なく妻や子を支配して虐待する。
本書はそうした実情に対するパレツキーの怒りの発露であり,こういう言い方を許してもらえるならば,2,000年遅れて現れた「女性のためのキリスト(救世主)」についての小説である。正直なとこ感動しました。偏見と迫害を前にして,なんと強く美しい女性達の連帯!
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