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月面に立った男 ある宇宙飛行士の回想 みんなのレビュー
- ジーン・サーナン (著), 浅沼 昭子 (訳)
- 税込価格:2,420円(22pt)
- 出版社:飛鳥新社
- 発行年月:2000.9
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紙の本
21世紀を先取りした10年間
2000/12/13 00:01
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:田口善弘 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書の中で「月に降りた最後の男」ジーン・サーナンは、1960年代はケネディが21世紀から切り取ってきて20世紀にはめ込んだ10年間だった、というようなことを言っている。実際、本書を読むとアポロ計画がいかに強引で無理な計画であり、無事済んだのが奇跡的だったかが如実に表れている(もっとも、アポロ1号の惨事と13号の大事故を考慮に入れると「無事に済んだ」というのは間違いかもしれない)。『ライトスタッフ』を読んだときには、宇宙船のパイロットになるということはエースパイロットを降りてただロケットの先端に座るだけのロボットになることだ、と書かれていたような記憶があるが、実際はアポロ計画はパイロットの悪戦苦闘の上にかろうじて成り立っていた奇跡のプランに過ぎなかった。『ドラゴンフライ』を読んだときはソ連の宇宙計画のいいかげんさにあきれたが、アポロ計画も実体は大して変わらないほど現場の機転に支えられていたのだ。著者のサーナンは21世紀を前にして、アポロ計画のそんな実体を赤裸々に描いてみせた。いずれ再び、人類が月やそして火星まで進出したとき、20世紀に月まで行ったということが本当にどういうことだったのか分かるときが来るだろう。そんなことを予感させる本だった。
紙の本
ユーモアと共に回想する米社会の機会平等主義
2000/10/12 06:07
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:松浦晋也 - この投稿者のレビュー一覧を見る
アポロ17号の船長として1972年12月に月に向かい,今の所「月に最後の足跡を残した男」であるジーン・サーナンの自伝。アポロ計画関係者からは様々な回想録が出ているが,本書は計画そのものではなく,サーナン自身の生い立ちとアポロ計画で体験したことを,ユーモア混じりの文体で淡々とつづっている。もちろん当事者でなければ知り得ない宇宙飛行士達の確執や葛藤などの記述もあり,それだけで貴重な資料となっている。
しかし本書の価値は,サーナンがどのように自分を鍛え上げて経歴を重ね,宇宙飛行士になったかという部分にある。祖父の代にチェコスロヴァキアからやってきた移民の子供が,軍の教育制度や大学の奨学金システムを利用して,アメリカ社会のエリートへと自分を鍛え上げていく過程は,アメリカ社会の機会平等で開かれた側面を教えてくれる。
翻訳は固有名詞にもう少し配慮が欲しかった。ケネディ宇宙センターの通り名であるThe Capeを「岬」と直訳してしまうのは頂けない。
(松浦晋也/ノンフィクション・ライター http://www.bekkoame.ne.jp/~smatsu/)
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