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「エロイカより愛をこめて」の伯爵と少佐の「祖先」が登場するということで、もう読まざるを得ないよね!絵柄は、初期の頃の少女漫画風だ。後書きを読むと、まずこここに出てくるティリアン(少佐の祖先だ)が、「アルカサル」や「エロイカより〜」の原点になったよう。
どういうことかというと、黒髪サド目の「悪役」が、善良美形の主人公にとって変わって主役をはってしまうというパターンは、ここから生まれたよう。イギリスの海軍大佐であるティリアン・パーシモンは、イギリスで育ちながらもスペインに忠誠を誓っていた。最終的には、あの有名な無敵艦隊で活躍するのだが、そこは歴史から分かるように最終的にはイギリスに負けてしまう。
しかし、ティリアンはその「子孫」であるエーベルバッハ少佐への影響だけではなく、さらに昔、「祖先」さえも創造した。それが、「アルカサル」のドン・ペドロだということ。
いくつもの作品にわたって、彼らの系図がみられるとはなんと楽しいことか。
まだまだ「少女漫画」としての形態を色濃く残しており、その後に描かれた漫画に比べるとストーリー的に弱い部分もあるが、やはりここは、私の愛する少佐の祖先兼「創造主」という点から、青池先生の漫画が好きな方には是非一度お勧めしたい。