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不確実性の経営戦略 みんなのレビュー
- Harvard Business Review (編), DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部 (訳)
- 税込価格:2,420円(22pt)
- 出版社:ダイヤモンド社
- 発行年月:2000.10
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紙の本
ハーバードの名著論文を一冊に
2001/03/10 16:28
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:remi - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、ハーバード・ビジネス・レビュー誌に掲載された論文のなかから、選りすぐりのものを集めて一冊にまとめたものです。
とくにこの本では、「経営戦略」に関連した論文が集められています。
現代のビジネス環境は、「確実なことは、いまが不確実であるということだけ」というくらいに、非常に予測困難な時代です。そのようななかで、どのようにして企業の長期的なビジョンや戦略を構築していけばよいのか、ということは多くの企業人にとっての関心事であると思います。本書では、このような時代における経営戦略を考える上で有益な概念やフレームワークを提供してくれる論文を8本掲載しています。
ゲーム理論、シナリオプランニング、イノベーションのジレンマ、コア・コンピタンスなど、どれも非常に重要な概念ばかりです。どの論文も非常に面白いです。そして使えそうです。論文ですので、飽きる前に読み終わるところもよいと思います。
紙の本
経営環境がますます不確実な時代を迎え,企業はどのように時代を読み,どのような経営戦略を取るべきか
2000/12/28 12:17
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:芦谷 庸二郎 - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は,ハ−バ−ド・ビジネス・レビュ−に掲載された名著論文をテ−マ毎に再編集したものである。論文集だけに著者の大きな視点より編集者の視点が表に出ていると言うべきであろうが,それぞれに大変意味のある論文が掲載されている。大きく前半と後半に分けられ,前半は,現在の不透明な事業環境に対処するために,状況に応じた適切な意思決定が大切であるとして,マネジャ−や経営者の役割について述べている。後半は,戦略における不確実性を減じるための理論や思考法を論じている。
まず前半を紹介すれば,最も不確実性の高いビジネス環境であっても,なにかしら戦略に関連する情報はあるとして,「残存不確実性」(最善の努力でも確定できない要素)を大きく4段階に分け,レベル1の未来は十分明らかである,またレベル4の未来の予測は全く不可能という二者択一的な考え方を戒めている。
有名なコア・コンピタンスの元になった論文の紹介があり,リストラクチャリング,リエンジニアリングの限界を述べ,未来を創造する視点確立への全社的取り組みの必要性を説いている。さらに,技術や市場が変化したときに,リ−ダ−企業が業界内でのトップの座を失うことは,ビジネスにおける最も普遍的なパタ−ンであるが,それは「顧客志向」にあると説くのは面白い。また変化の激しい環境に不可欠なコンセプトとしてタイムペ−シング(急速に変化するため予測するのが難しい市場で,予測が可能な一定の間隔で組むスケジュ−ルによって競争していく戦略)を取り上げている。
後半は,不確実性を減じる理論,思考法が話題になっているが,ゲ−ム理論の活用,シナリオ・プランニング,仮説のマネジメンント,意思決定の質を高める思考法である。
ビジネス・スク−ルの流れかもしれないが,アメリカの経営教科書は著者の幅広い企業スタディに特徴がある。日本企業がグロ−バル化していく中でアメリカ企業並みの理論が必要になろう。そのためにも本書は,有益な資料を提供するものである。
(C) ブッククレビュー社 2000
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