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コネクションマシンを作ったダニエルヒリスによる計算機科学の入門書。ブール演算を機械素子で構成可能なことを説明する下りにある、ティンカートイで三目並べマシンを作った話は面白い。正直言うと、ティンカートイの実物を見たことがないのでどんなものなのかよくわかりませんが。
チューリングマシンの説明では、人間をチューリングマシン以上のものだと考えたいがために不完全性定理や量子力学を引き合いに出したがる人々に苦言を呈しています。
いつの日か、進化計算的な方法を用いて人間と同等以上の思考能力を持つ計算機を作ることが可能になるが、その思考原理は人間のそれを理解できないのと同様に解明できないものとなるだろう、という予測には賛同したいと思います。
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計算機を実現するのは別に今のような電子回路じゃなくても可能だ、ということにはっとした。コンピュータの持つ可能性というものを広い視点から教えてくれる本。
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20101121
サイエンスマスターズシリーズ
コンピュータは思考できるかの話。
基本的に電子素子も脳神経も同じなので、同じでは?との話。
ただまあ意識はどうとかははっきり書かれていない。
そっちは脳からのアプローチかな
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ダニエルヒリス…"CODE -隠されたなんとやら-" の方が超有名でした。
わたし的にはこちらの方がわかりやすかったです!
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超並列コンピュータであるコネクションマシンの開発で有名なダニエル・ヒルズのコンピュータの入門書?。久しぶりに読み返してみました。入門書と言うよりは、著者のコンピュータに対する思想を述べた本です。10年以上前の本ですが、今でもとても面白く読めます。ティンカートイで作ったコンピュータの写真がすごいです。
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MIT卒の天才工学者ダニエル・ヒリスの著書。
在学中から、起業したり革新的なコンピューティング技能で伝説化していた人だそうだ。
コンピュータ愛に満ちた書物。
とても分かりやすくコンピュータの仕組みを教えてくれる。
コンピュータの始まりは、他の機械同様、ONとOFF。
機械語は0と1で構成されているが、これだってONかOFFかを示しているものなのだ。
ダニエル・ヒリスが子供時代に作った三目並べの機械は、相手の指し手に応じて配線のON/OFF切り替わり、最善の手が選ばれる。
近年、世界一のチェスの使い手を負かすコンピュータが現れたが、三目並べの例を考えれば始まりはとてもシンプルなものだ。
どちらもONかOFFかで判断される。
三目並べの裏側の配線が集積回路になり、複雑な構造となっただけだ。
コンパイル、という用語は今や一般用語になっているのだろうか。
私にとっては割となじみのある言葉だったが、遅ればせながら初めてその意味をまともに理解した。
コンピュータで動くオペレーティングシステムやアプリケーションは、プログラマによって記述されたコードによって動く。
当然、プログラマも0と1だけで記述することは不可能なので、人間語と機械語の中間にあるプログラミング言語によってコードを記述する。
これを機械語にするのがコンパイルという仕組みだ。
圧縮について、zip化するとファイルサイズが小さくなるくらいしか認識がなかったが、これも面白い仕組みをしている。
英語にはqで始まる言葉のほとんどは、2文字目がuであることを御存じだろうか。
アルファベット1文字についても、7bitという容量を食っている。
qとuが常に繋がっているのであれば、quのセットで1つの記号として扱ってしまえば、少し隙間が空きそうではないだろうか。
確かに空きそうだ。納得させられた。
ちなみに7bitとはどのくらいか。
iphoneなど音楽電子ファイルを使用する人は分かるかもしれないが、1曲5分程の曲で数千キロバイト。
「バイト(byte)」と言う単位は「ビット(bit)」が8つで構成されている。
例えば5,000キロバイトの容量を持つ曲は、5,000,000バイトつまり、40,000,000ビットとなる。
大きすぎてピンとこない。
こうしたコンピュータ入門レベルの話から、AIや高度なITの話まで、とても興味深く一息に読ませる内容だった。
ヒトの脳とコンピュータの処理速度を当然のごとく比較し、ヒトにできてコンピュータにできないことはない、と言わんばかりの書きっぷりは頼もしい限り。
今後もコンピュータの発展と後世の技術者の育成に貢献していってほしい。
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コンピュータは棒と糸で作れる、なかなか刺激的な発言。
思考する「ように見える」コンピュータの概念や原理について、根幹を成す論理設計が事例とともに分かりやすく説明されている。ブール演算、有限状態機械、アルゴリズムとヒューリスティクス、チューリングマシン、量子コンピュータなど、複雑怪奇な用語もある程度イメージしやすくなっている。
後半には人工知能と対比し、チューリングマシンの限界と、その先の可能性を示唆している。
「よくわかるxx」という本より、この一冊を読むほうがよっぽどコンピュータについて知見が深まる。
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コンピュータの本質は半導体などの技術論ではなく、いかに論理を組み立て実行するかということである。ブール演算回路と有限状態機械の考え方さえ実現できればよく、トランジスタを部品として作るのとまったく同じ原理にのっとって、調水弁とバルブや、糸と棒などで作っても構わない。
ブール演算回路、有限状態機械、コンパイラやインタプリタの働きを含むプログラミング言語といったコンピュータの基礎的な考え方を前半で述べ、後半はより人間的な「思考」に近づく概念である、チューリングのユニバーサルマシン、様々な情報理論、ソートなどのアルゴリズム、ヒューリスティック(発見的方法)、並列コンピューティング、量子コンピュータ、ニューラルネットワーク、学習システム、自己組織化システムといった考え方を説明する。
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2000年刊行。理工・生物系の入門書シリーズの一書。項目は、コンピュータプログラム生成のアルゴリズム、量子コンピュータ、並列処理型コンピュータ、生物進化過程模倣のプログラム生成、脳の機序と進化過程プログラムの類似点、などである。コンピュータプログラムのアルゴリズムを作ることはないが、並列処理型コンピュータ・量子コンピュータは、完成すれば利用する可能性があるし、内容もなかなか興味深い。ただアップデートが必要かもしれない。