紙の本
手に入るようになって良かったな
2016/02/15 23:19
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投稿者:igashy - この投稿者のレビュー一覧を見る
この小説が日本語で読めるようになって良かったなぁとしみじみ思います。
以前はクイーンの定員中、入手困難として紹介されていたそうですので。
非の打ち所のない主人公、頼りないその友人。
とにかく楽しみましょう。
紙の本
ミステリーコーナーより
2001/01/18 20:33
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投稿者:西上心太 - この投稿者のレビュー一覧を見る
国書刊行会の新しい叢書「ミステリーの本棚」の1冊である。好評の「世界探偵小説全集」と違い、こちらは短編集を中心としたシリーズで、その中でも本書は、エラリー・クイーンが選んだ傑作短編集リスト「クイーンの定員」中、もっとも稀覯本という評判の作品集である。しかし本書の価値はその珍しさだけでなく、現代に通じるその内容にある。
主人公は元賭博師のビル・パームリーだ。18歳で家出し、いかさまポーカーでアメリカ全土を歩き回った男である。ある時そのいかさまがばれ、ビルはほうほうの体で町を逃げ出す。足が思わず向いた先は、6年前に捨てたはずの故郷だった……。
オー・ヘンリーを思わせるホロリとする人情話で本書の幕が開く。やがていかさま師のカモにされかかっていた富豪のトニーを助けたことがきっかけで、トニーをワトソン役に、さまざまないかさま師の手管を打ち破っていく姿が描かれる。
人をだます手段の多様性と、それを見破る意外な方法というコン・ゲーム小説の面白さはもとより、作品の背景である狂乱の1920年代をクールに見つめる作者の姿勢もはっきりと窺うことができる傑作集である。
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面白い!やっぱ古典というものは読むべきだと思うね。本格ミステリではなく賭博、しかもいかさまというミステリファンなら誰でも食いつきそうな題材のよさもさることながらその手際、手段の巧みさには目を見張る。また語り口の面白さやちりばめられたユーモア、登場人物たちの性格などは読み始めてすぐに気に入ってしまった。あ、最後にその辺を推理した過程を説明してるからやっぱ本格に近いか?
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元賭博師の若き青年ビル・パームリーが、その知識を活かしていかさま師たちのトリックを暴いていく短篇小説集。と、こう書くとトリックを暴いてハイおしまい、みたいな話ばかりと思われるかも知れないが、ギャンブルから足を洗い、農夫として生活しているパームリーの許に友人トニーから持ち込まれる話がいちいちひねりが利いており、どの短篇もトリックの妙味よりいかさま師たちの個性が際だつ味わい深いドラマとして成立しているところに、この短篇集がエラリー・クイーンの≪クイーンの定員≫に選ばれた面白さがある。とにかく痛快の一言に尽きる。ミステリに興味のない人も是非。
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賭博師稼業から足をあらい農夫となったビル・パームリー。しかし、お調子者の友人トニー・クラグホーンに担ぎ出され、さまざまなイカサマ師たちと対決するハメに…。
ビルとトニーの掛け合いが最高に愉しい。各作品ごとのミステリ的アイデア、トリックも見事。
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今は足を洗って真面目に暮らしている元賭博師ビルが、様々ないかさま師の手口を暴いてゆく短編集。
ペテンの手口も面白いが、第2話で知り合って友人となるトニーがいい味を出している。
巻末にはポーカーなど作品で取り上げられているカードゲームの説明もあり。(でもあまりよく知らなくても面白く読めた)
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ギャンブルをテーマとし、殺人や傷害といった血生臭い事件がでてこないため、気軽に楽しく読めました。
ギャンブルはあくまでも謎のためにあり、ギャンブルが主となっていない点が興味深い。
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10代で家出しプロの賭博師として身を立てたビルが、ふとしたヘマから家へ戻りまともな生活に戻ったところ、これまたひょんな出会いから昔の同業者のイカサマを暴くことに…。
よく出来た世界観にするりと誘い込まれ、どの短編も徹頭徹尾楽しめました。
何よりもビルという主人公の不思議な魅力(「シンボル」の効き具合といったら!)、相方トニーと奥方の愛らしさ、これにつきます。
ここに未収録の短編がちくま文庫には収録されているとのこと、そちらもチェックしないと気が収まらない面白さでした。
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この本はポーカーを中心としたギャンブル中に行われるイカサマがどのように行われたかその謎を解く話が中心の短編集です。
主要人物もホームズとワトソンのような関係性で面白く読むことができます。
ちなみに私の好みの作品は『アカニレの皮』でした。
ポーカー好きの方やホームズが好きな方は特に楽しめると思います。