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プレーンソングの続き。秋になって金木犀の香りがほんまいい具合に思えるとすぐぐっとさむくなるんよいつも。ほいでいっつもこの人のをよんでにこにこしてしまうのは猫に関する記述のところ。今回はようこがしゃべってるところ。あの、猫は目が悪いのに見る、とか勘違いさせるとかの話。そんで笑ったのは女子高生の手紙のところ。うちら暇さえあれば手紙をかいている。もう女子高生じゃなくっても。「ほんとうの私は」なんてかかないけれど、わたしがちょっとでも気に入っている人はもういらーんちゅうくらい手紙をうけとっているはず。
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『プレーンソング』の続編。
前作と同じように猫と競馬と共同生活について描かれているが、さらに新たに重要なファクターになっているのが「恋愛」について。
だがしかし「恋愛」について描きながら、これは決して「恋愛小説」なんかではない。むしろこの小説はそういったいわゆる「恋愛体質」的なもろもろを相対化するような立場を取ろうとしている。
つまりは、
「恋愛より豊かなものがいっぱいあることを知っている子がいるのね。恋愛が一番なんて思うのは、子ども向けの映画や小説の悪い影響よ」(本文より)ということなのだ。
今になってみると昨今のいわゆる「純愛ブーム」を予見し、批判しているようにも取れる。ここではゆるりと気楽に、そして何よりも楽しく過ごすためのあるひとつの要素としてしか描かれていない。ひとつの要素としてある強い意味を持っていたとしても、それが全てではないのだと。
僕はこういったニュートラルなものの見方というものにかなり共感してしまったり。
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「プレーンソング」続編です。
「プレーンソング」を読んでおもしろかった人は、これも読んでみてください。こっちの方がおもしろいというか、深いというか、発展形だと思います。
「プレーンソング」は”あったらいいな”的な部分が多いというか、そういう幸せな小説でしたが、プレーンソングはそういう幸せな部分を残しつつ、でも”あったらいいな”では終わってないと思う。
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プレーンソングの続編。あいかわらず、猫たちの存在だけが 特に際立っている というわけでもないんだけど、それでもやっぱり カテゴリーとしては、猫。キリストと、コンピューターの進化と、ご近所猫たちの系図 を、同一座標位置にして 語る この人たち、大好き。
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プレーンソングの続編。工藤さんの登場やら石上さんになついてる女子高生やら、新しい人たちが入ってきて、プレーンソングとは同じようだけど違うふうに面白い。クオリティーを保ってる、彼らの登場によって。これは島田のための話な気がする。一番島田が輝いてる。そして、この二つの話を読んで思ったこととしては、アキラって道人みたいだよなぁってこと。ふと思った。(06/9/14)
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「ぼく」と、同居人の島田、アキラ、よう子の日常の話。『プレーンソング』の続編。
猫にえさをやって、競馬に行って、女の子を好きになって、と、ただそういう日常が淡々と書かれている。それだけなのに、それだけじゃないように思うのはなぜだろう。
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もうほんと、相変わらず。いったいこの連中はどうやって生活費を捻出しているのだろうと、およそ本書に対して似つかわしくない疑問が浮かぶけれど、日常というものの意味、生きて、考えて、誰かと時間を共にしたり、好きになったり、気持ちがふらふらしたりといったことのいちいちを改めて手にとってためつすがめつ精査するような、そんな時間が人には必要だ、間違いなく。
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『プレーンソング』とともに宇宙的でとても素晴らしい小説だった。
時期的にも保坂さんの小説から感じられるものが多いと見えて、もっと読んでみようと思う。
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転がり込んできた友人と4人での共同生活。
のんびりだらだら、ちょっとした興味とこだわりを持ちつつも、寛容に暮らす心地よさ。
主人公が寝ていると声を掛けて起こし、しょうもない相談を持ちかける後輩のアキラ。
アキラのガールフレンドのよう子が紅一点。
綺麗な子でアキラにはもったいないのだが。
4月に連れてきたまま一緒に住んでいる。働いている様子もない。
よう子は、毎日、近所の猫に餌をやり続けている。
これがだんだん大変になりつつもすっかりはまっていて、恋愛もおろそかになっているのかも?
人口密集地帯だったらご近所と揉める話になるけどね。この場合は農家も近くにあるような住宅なので。
会社勤めの島田も、6月から転がり込んでいる。
これは会社を辞めて小説を書きたいと社長に言ったら、何と俺の伝記を書けと言われて、給料を貰いつつ家にいる。これは幸運ですねえ??
主人公は、休日は競馬に言って、常連と半日を過ごす。
儲からないが大損もしない。
行きつけの店で働くウエイトレスの工藤さんにそこはかとなく好意を落ち、ゆるゆると彼女が出来て…
顔立ちも派手で化粧も派手、ちょっとケバいところがエッチっぽくて好みなんだとか。
それほど草食系ではまだない?
フリーター文学といった評価もあったような。
93年の作品。
…バブルこそはじけた後だけど、阪神大震災も起きる前。
今思うと、平和な時代だったんですね…
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淡々としていて好き。
ただ、やっぱり同じモチーフ同じ人物たちが同じような日常を繰り返す中では、ちょっと鼻についてくるようなところもあるけれど。
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プレーンソング時よりも人物たちの魅力がより感じることができるようになってい(る自分がい)て、その意味でも良かった。
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特に劇的なできごとは何も起きない。
それはおもしろくない、とかでなくて、それを小説にするってなかなか難しいのかしら。
それができてるってのは、すごいことなのかも。
安心して読める。
あと、猫のようすがたまらん。
やっぱり会話がいいんだよなぁ。
結構アキラが好きだ、私は。
的外れなような、妙に的を射てるようなことを言ったりする。
ゆみ子もいい。
人物はそんなに深く描かれてないのだけど、ぼんやり見える像がみんな微妙にヘンテコ。
退屈なようで、退屈しない。
保坂さんの作品はこれからまた色々読んでいく予定。
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「プレーンソング」を読み終えたら続きを読まないと。
やっぱりイイな。
1993 年 第 15 回野間文芸新人賞受賞作品。
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『プレーンソング』の続編に、恋の要素が入ってきたけど、恋が恋じゃなくて、心地よかった。
P263 …ぼくが飽きっぽいことを知っているゆみ子は、
「あのねえ」
と、一度ぼくの注意を呼び戻してから、
「よう子ちゃんは未来なのよ」
と、飛躍したことをまた言った。
…「だから、未来っていうのは現在を肯定することよ」
…「だって、恋愛に未来はないじゃない。ーーかといって、現在の肯定もないじゃない。恋愛には、ただただ現在の自分の不安定な状態を確認する気持ちしかないんだもん」
…「恋愛より豊かなものがいっぱいあることを知っている子がいるのね。恋愛が一番なんて思うのは、子ども向けの映画や小説の悪い影響よ」
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保坂和志「草の上の朝食」http://www.chuko.co.jp/bunko/2000/11/203742.html … 読んだ。おもしろかった「プレーンソング」の続きだと読み始して気付いたけど、これはいま一つ。なぜだろう?たぶん世界観や認識に関する表現が少なかったからかな。恋愛に未来はない、はおもしろい。この人の文章が好きだなあ