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紙の本
歌う詩人「三上寛」の人生は言葉そのものだ。
2001/02/07 11:45
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投稿者:伊藤竜太 - この投稿者のレビュー一覧を見る
『震える声帯の微かな振動が波及していくことが革命なのだ。北京で飛んだ一匹の蝶の羽ばたきが、半年後にニューヨークにハリケーンをもたらすというカオス理論。そこでは歌は、一匹の蝶の羽音である。』
言葉にこだわって生き、言葉を超える音によって叫び続ける三上 寛は「詩人」として世に出ようと思っていた。その彼が演歌歌手としてデビューしたのは、めぐり逢いの結果である。そして、左や右のイデオロギーに揉まれて「ハンパ」な歌手になることを許されなかった彼に人生を教えたのは、新宿ゴールデン街であった。『人間の「誇り」を教えられた』と、三上は言う。
彼は津軽出身だ。東北人は訛りのせいで差別されることが多い。そしてまた、彼の詞は「差別用語」を理由に多くが放送規制を受けている。そのことについて彼はこう言っている。
『オレが差別するのもされるのもイヤだが「穢多」という文字を美しいと思う。何千年もかけて完成した日本語の美しさを否定し破壊することは許せない。』
この主張に、言葉の果たすべきほんとうの役割を見据える彼の美しい姿を見てとれる。
『生涯を賭けて一語にこだわり続ける事、それが詩人の役割というものではないだろうか。』
歌う詩人「三上 寛」の人生は言葉そのものだ。『文学は文字で音を聴くものだ』という彼の声をぜひ、この本を読んで聴いてくれ。
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