投稿元:
レビューを見る
一部ですが感想
藤村の夜明け前は平田篤胤の門人の生涯を描いた半実話
新しき古という平田学の教えが全編ちりばめられている
主人公半蔵は本居宣長の直毘の霊を枕元に置き考える
翁(宣長)の復古とは更生であり革新である
コレは平田篤胤門下生として明治維新に力を貸した人々
の挫折感を青山半蔵(主人公=島崎藤村の父)に仮託
しかし、明治維新は新しき古ではなく悪い世の次の世で
あり平田学信望者が望んだ世が直る=御一新と違う
より悪い方向へ行った事も藤村は「夜明け前」に書く
平田篤胤の学説は、関東・中部・奥羽の神社・農村・
宿駅など在方の有力者に信奉され、従来の諸学派を
しのぎ、幕末の思潮に大きな影響をあたえ、特に尊
皇攘夷運動の支柱となった
門人は生前で550人、没後も併せて4,398人が気吹
舎の学統として全国津々浦々に広まり明治維新の原
動力となる
気吹舎門人ネットワーク=全国の政治情報センター
その膨大な量と質は「薩摩藩士益満休之助」が銕胤
(篤胤の娘婿)に1861年5月の東禅寺事件の情報を
気吹舎に求めたのだ(手紙残る)
薩摩藩の藩士で清河八郎等尊攘過激派グループとは
深い結びつきをもっていた益満ですらである!
膨大な平田家文書の殆どは非公開(2000年当時)だが
篤胤が作ったスクラップブックはじめ幕末・明治の
時代を解明する貴重な史料である
単なる国学と思う勿れ
新しき古なのだ