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ガリアとブリテンのケルト戦士 ローマと戦った人々 みんなのレビュー
- ピーター・ウィルコックス (著), アンガス・マックブライド (彩色画), 桑原 透 (訳)
- 税込価格:1,100円(10pt)
- 出版社:新紀元社
- 発行年月:2000.12
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紙の本
ケルト戦士の文化
2024/01/14 10:41
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:DB - この投稿者のレビュー一覧を見る
ケルトの騎士ってどんな姿だったんだろうという疑問に答えをくれるのが本書です。
ガリアはまだしもブリテンまでいくと、クライヴ・オーウェンとキーラ・ナイトレイの出ていた映画「キング・アーサー」の影響で、肌に青い戦模様を描いた半裸の戦士が思い浮かぶ。
だがガリア戦争でウェルキンゲトリクスは黄金の甲冑に身を固めていたというし、あの地方で裸で戦争なんて寒くて出来なさそうだし本当はどうだったんだろう。
序論ではケルト文化の変遷から解説していきます。
骨壺葬文化のケルト人がドナウ川上流地域から広がっていき、イリュリア人の鉄器時代文化圏に組み込まれていった。
ハルシュタットで見た模様の書かれた髑髏とケルト文化の意味がようやく分かりました。
ラ・テーヌ期にはすでにガリー人と呼ばれていたようで、崩壊しつつあったエトルリア文明を侵略していく。
ケルト人は長身、白い皮膚、たくましい筋骨、金髪碧眼といった特徴を持ち、金属加工に優れた技術を持っていた。
トルクという首飾りは見事な細工で今でも使えそうだ。
紀元前三世紀くらいまでは非常に小さい甲冑を使い、多くの戦士は裸で戦うことを好んでいたが、南方の軍との接触が頻繁になるにつれて兜や鎧を身に着けるようになったそうです。
紀元前3~2世紀のラ・テーヌ文化中期のガリア人戦士の姿が表紙にもなっているが、鎧兜をつけた騎兵に対し歩兵は兜と首を守るトルク、それに剣を吊るすベルトだけを身につけている。
トルクって装飾の意味もあるが首を守るためでもあったのかと納得しつつ、中途半端な防具だと威力の高い大剣での戦いでは意味がないのかもしれないと思ってみたり。
カエサルがガリアを攻めたころのガリアの戦士は、チャリオットにのっていたりもするが軽装歩兵の姿はそのまま「キング・アーサー」の世界だった。
魔除けのような身体の模様もきっと入れ墨だったんだろう。
ドルイドや首狩りといったケルトの風習についても語られます。
敵の戦士を殺してその雄々しい力と精神を自分の中に取り込むことで強靭な戦士になれると考えられており、ドルイドは非人間的ないけにえの慣習を持っていた。
ローマの侵略者はドルイド崇拝に対して敵意を示したが、それがこのいけにえの儀式のせいなのか文化を潰すことで敵を滅ぼそうとしたのかはわからない。
ケルトの戦士について多角的に見ることができる本だった。
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