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紙の本
切ない恋の話です
2005/11/06 09:32
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:かお - この投稿者のレビュー一覧を見る
江国さんのお話にはよく姉妹が出てくる。これも例外ではない。
妹、妹の彼、自分、自分の彼の4人でワインをあけるところが何度も出てくる。普通であれば、はしゃいでしまうようなシーンでさえ静けさがある。
幸せと絶望が裏返しに常にいる。かといって暗さがあるわけではない。
最後のシーンはさすがだなーと思う。
あるのは日常、という感じで終わる。
ストーリーがあるという感じではないので、雰囲気を楽しみたい人にぴったりな作品である。
紙の本
ひたひたと、来る
2002/04/08 09:55
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ゆみゆみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
江国さんの小説では、人々がよく音楽を聴く。この小説も例外ではない。主人公はカラヤンを聴き、ナイマンを聴いて、恋人と食事をしたり、愛し合ったりする。しかし奇妙なことに、江国さんの文章からは音楽が聞こえてこない。ただ、静けさだけがある。だから私たちは、江国さんの小説を読むときに、音楽を聴いてはいけない。静かな部屋で、一人で落ち着いて読むのがよい。
一人静かにこの小説を読んでいると、私の背後に、なにかが、ひたひたと、来る。なにが来るのか? 孤独だろうか? 死であろうか? それとも、子供のときの思い出? 私は、その「なにか」を、なんとなく「恐い」と感じる。なにに、なんとなく「恐い」と感じるのか、分からぬままに、読み終わる。
読み終わると、疑問がぷかぷか浮かんでくる。いったい、現実ってなんだっけ? 真実って、どこにあるっけ? つれづれなるままに、考える。そして、明快な答えを得られぬままに、私はとりあえず生活をしていくのである。
この小説の中にひそむ「なにか」は、私の毎日の生活の中にも、確実に、存在する。もちろん、あなたの生活の中にも。
紙の本
悲しい位純粋に
2001/02/07 21:18
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:にむまむ - この投稿者のレビュー一覧を見る
自分一人で許容できる事などはほんの少しですが、純粋に恋をして時間を使いつづける事はいい経験になるのだろうし、読んでいるうちに言葉の一つ一つがなんとも心に響いてくる。文章としてはうぅここでこんな展開かなと思ったら、とぎすまされた言葉によって惹きこまれるように物語が展開していくので、長編とはいふものの一気に読めました。同著者の作品は何冊も読んでいますが、題材がいままでになく微妙な面を文章化しているので、不安定さがなんとも味が出てよかったです。主人公はあくまで孤独に世界を持ち続ける中で、社会とも関係を続けていく危うさが表現の妙なのか不思議に心に訴えてくる一冊でした。