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煙か土か食い物 みんなのレビュー

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みんなのレビュー128件

みんなの評価4.2

評価内訳

118 件中 1 件~ 15 件を表示

紙の本

愉快!痛快!爽快!

2006/02/25 17:52

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:nanako17girls - この投稿者のレビュー一覧を見る

 謎の作家「舞城王太郎」のデビュー作。まあ、暴力、セックス、そしてロジック。いろんなことを語れる作品ではあるが、あんまり語っちゃって、的外れなことまでいいそうなんで、ちょっぴりにしときます。この作家の特徴として上げられるのが「エンターテイメント」と「文学」にある境界線を曖昧にしているということだ。今まであったその境界線を見事に「見えなく」してしまった。そのギリギリというジャンルを作ってしまった。「ミステリー」も「文学」も「ライトノベル」もmixした小説。そして、それが現代文学の主流になりつつあるのかもしれない(芥川賞の作品をみてもそうだ)また、「口語」「文語」もテキトーな感じだ。村上龍の「ラブ&ポップ」は口語を使い、小説を成立した。それがどんな試みかはあえて言わない、学者にまかしとく。でも、舞城は違う。舞城の試みは別のところにあるように思われる。「言文一致運動」とかとは関係ない。それがこの小説を「リアル」にしている。あえて覆面をかぶるのもそうかもしれない。匿名性をわざと出し「リアルな小説」を作る。
 これからも目の離せない作家ではある。んで、かれのイラストとかも結構好き。「ヨユウのよっちゃんよ!」っていう科白なかったっけ、あったと思う(たぶんこの小説)「いいな〜〜〜」と思った。なんかつらくても「余裕のよっちゃん」で行きたいよね!軽やかに、そして、テキトーに。

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紙の本

IWANTYOU

2003/04/03 01:27

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投稿者:penerope - この投稿者のレビュー一覧を見る

一郎・二郎・三郎・四郎…一郎・二郎・三郎・四郎…一郎・二郎・三郎・四郎…ああ俺は呪術的な不気味さとサイクルでもってこいつらの名前をつぶやいている。もう頭から離れない。本を閉じても消えてくれない。すでに俺はパニックの真っ最中だ。こんな閉店間際の安コーヒーを飲ませる店の学生アルバイトがたらたらと床を箒で掃いているが遅いんだよそんな動きは!と俺は叫んでしまいそうになるほど頭のなかはきっちりぐるぐる酩酊してるんだ。ぐるぐる魔人ぐるぐる魔人。俺の頭蓋んなかの酸素を喰らい尽くすな! ぐるぐる魔人。

ジャコパストリアスのあのきわきわハイテンションでテクニカルカルなベースプレイ、そのスピード、その音の羅列が舞上の筆先には宿ってる。ダダダダダッダダッダッダダダダッ言葉は跳ねる一回転、そして転がる二回転、にやっと笑って一発パンチで三回転したらもう奇跡的にかっこいいフレーズの出来上がりだ。ばかなまねごとなんて足元にも及ばない、けど感動したら誰かに伝えなきゃ、どんな形でも独りよがりでもってなことで満ち足りた時間の渦がやってくる。くるくる。

詰め込めるだけ詰め込んでみる。暴力もSEXも理不尽な世界も。饒舌は時に相手を辟易させ疲労に追いやるがそんなこと感じてぐったりしてる暇などない。現実はどこまでも、自分が感じてる速度なんかよりももっと高速でぴゅぴゅぴゅぴゅぴゅーんと進んでいるんだから。「熱にうかされたようにのめりこみたいわ」と思いながらページをめくろう。あらすじとかはみんなの書評を読んでちょうだいね。時々その過剰な話っぷりにいっぱいいっぱいになって頭が螺旋にぐわんと流されたりするんだけど四郎ちゃんそう四郎ちゃん、の次の行動が知りたくて、次の発言が聞きたくて、次の明晰な頭脳でもってすぱぱぱぱんっと謎を解く瞬間に立ち会いたくてやっぱり本が閉じられない。うーぅーと低い唸り声のまま火のついた煙草が丸々一本灰になって視線がやっと目の前のぼやけた現実に移行する。でも一瞬だけねちょっとの間。またすぐ視線は本に釘づけで、いきなり人が血を流してます。骨を折られて頭割られていっぱいいっぱいの暴力です。でも変な奴が多いんだよこの世界には。だからしょうがないんだよね。じっと見てやろう、感じてやろう、まちがいを教えてやろう。

そしたらまたスタートです。虫の歩みから始まって川の流れになって風のそよぐ調べになる。のちに歩きながら、早足になりながら、小走りになったところで額に滲んだ汗を袖口の繊維質になすりつけよう。やがての疾走、全力疾走。本を片手で持ちながらメインストリートを突っ走る。ぱららららっとページが音を立てる。それでも離さないで必死に走り、読む。そうだ、行間も忘れちゃいけないぞ。下手から太陽が登場してくるときに地雷を踏んではいけないように注意深く、でも疾走しながら読みつづけて走りつづけて息が上がっても足が震えてかくかくしてふくらはぎに熱されたハリガネを押し付けられたように痛い熱さを感じてもまだ走りつづける。エコーをこだまさせて叫びながら、いつまでも走りつづけよう。くわんくわんくわんくわんくわんくわんくわん……

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紙の本

大加速ハイブリッド文学に、ありがとう!

2003/02/24 21:13

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投稿者:3307 - この投稿者のレビュー一覧を見る

あれから三週間が過ぎ、私は日常を取り戻しつつあります。

私にとって、本書がもたらした衝撃とその美しさは、深さにおいて鈴木光司氏の『リング』から『らせん』への深化と並び、広がりにおいて北村薫氏の『空飛ぶ馬』に匹敵します。

全ての設定が有機的に集約する大団円を経験した瞬間、様々な思いが一気に呼び起こされ、情報量の密度に負けて回線が焼き切れ、充実した空白に支配されました。それは、ひどく自由で愉快な気分であると同時に、強く強く感じた「何か」を言葉にすることを禁じられたもどかしさに苛まれる時間でもありました。

充実した空白は、その一瞬の爆風で、思いも言葉もちりぢりに吹き飛ばしていたのです。以来三週間、まるで熟練の考古学者のような手つきで、私はそれらの言葉の断片を一つ一つ拾い集めてはつなぎ合わせてきました。

舞城氏のスタイルを構成する要素の一つに、徹底した一人称の視点から世界を描く手法があります。これは、90年代のジュブナイルを代表する、神坂一氏と比較することで鮮明になります。

神坂氏の文体の魅力は、「地の文の一人称スタイル」と、「大阪文化の結晶のリズム感で惹きつける会話文」にあります。作品の面白さだけでなく、読み易さへの気配りと、読者へのサービス精神が、あれほどの支持を集めたのでしょう。

舞城氏の文体は、最新刊の『阿修羅ガール』では、地の文から会話文が切り離されていますが、本作の時点では、基本的に地の文の中に会話文も取り込む形になっているため、視点のブレがより軽減されます。

改行が少なく一息で多くの言葉を叩きつけるスタイルと、この徹底した一人称の魅力により、読者はかつてない「スピード」を体験します。その加速度に私は、文章でここまでのことができるのか、と絶句しました。

このスピード感に乗せて、「現状がどれほど悲惨であっても、それを肯定した上で、あらゆる手を尽くして前に進む」という迷いのなさで『暴力』が語られます。そして、小説は一級のミステリと成り、同時に新しい文学が生まれました。

「文学」なんて言葉を軽々しく使うべきではないかもしれませんが、『作家の秘めた「毒」があり、それを文章に刻む過程で昇華して見せることで、読者を鼓舞するもの』を他に呼びようもないため、あえてこの言葉を選びました。

ミステリと文学のハイブリッドにより、祝福された小説がここにあります。

そんな作品を生みだした作家と、同時代に生きることができるのが嬉しい。
気負わずに、描きたい世界を書ききることで文学を「取り戻した」ことが美しい。

何より、舞城氏はスペシャルな作家であることは間違いないのですが、彼と同様に革命的な作品を送り出す作家が、この先に驚くほど現れることを「予感」させられたことが素晴らしい。
「まだまだ、こんなものでは終わらない」と。


「今」と「この先」を肯定する力が落ちた時に、追い風となる一冊。

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紙の本

天才登場!

2002/07/30 12:59

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投稿者:marikun - この投稿者のレビュー一覧を見る

ネット上で評判になっていた「舞城王太郎」作品、初挑戦!
メフィスト賞だし、吉とでるか凶と出るか!と思っていたら…。
大当たりです!ただし好みは、別れるでしょうね(笑)。

3代続く政治家一家の三代目は、一郎、二郎、三郎、四郎の四人兄弟。
みんな身長が高く、才能に恵まれ、しかもケンカが強い!という
とんでもない兄弟なのですが、その兄弟の父親がもっと
パワフル。小さい頃からの徹底的な暴力で一家に君臨しています。
主人公は、サンディエゴで外科医として働く四男の四郎。ある日、
四郎の元に母親(清楚な美人)が連続撲殺事件に巻き込まれたとの
連絡が入り、急きょ帰国して事件を自分で解決しようとします。

この話もストーリーは、あまり関係ないお話ですね〜。もちろん
メフィスト賞を意識してということもあるのでしょうが、数式や
図表を使った、見事な新本格式ミステリにも仕上がっています。
が!それより魅力的なのは、圧倒的な文体とそこで語られる
「奈津川家サーガー」とも言うべき家族の物語でしょう。とにかく
パワフルです。エルロイが日本人だったなら、こんな物語を
書いたかも知れません。一気に引き込まれました!舞城王太郎…。
天才かも知れません!

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紙の本

壮絶なファミリーサーガのはじまり

2001/09/29 12:47

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投稿者:YASU - この投稿者のレビュー一覧を見る

 圧倒的なパワーで押し寄せてくる奈津川一家のファミリー・サーガ。
 母重体の報を受け、サンディエゴから二年ぶりに帰国した奈津川四郎を待ち受けていたのは、相変わらずの家族と連続主婦殴打生き埋め事件。
 血と暴力にまみれ乱暴な言葉で罵倒し皮肉を垂れ流しながらも、家族への真摯さは決して忘れない四郎の熾烈な生き様と潔癖さには心を打たれる。超インパクト、かっこいい、かっこよすぎて震えが来る。反面、ハンソンを好んだり、阿帝奈の側でくつろぐ四郎もなかなかに魅力的だが、やはりその頭脳をフルに稼働し突っ走っている時の彼が一番なのではないだろうか。
 登場することはないが、やけに(というか、一番?)存在感のある二郎も気になる。
 果たして万有引力にも匹敵する逃げられない力は、今後奈津川一家を何処へと導いていくのか。丸雄、一郎、二郎、三郎、そして四郎のサーガは未だ終わらない。

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紙の本

こいつはすげえぜ!

2001/03/29 18:50

0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:春を愛する男 - この投稿者のレビュー一覧を見る

 新本格というジャンルは、次第に本格を書くというよりも、SFやホラーを組み合わせ拡散する、あるいは殊能作品のごとく本格の嫌味なパロディーに徹するというような傾向を見せるようになって、いずれにしても中心から遠ざかっていく流れが勢いづいて、主流に感じられる昨今。
 裏表紙に密室、名探偵、暗号と本格用語を連ね、直後くだらん、くたばれ!と掃き捨てる本書に至って、本格への距離は果てしなく遠いものとなったようです。それはかろうじて掠る程のもので、私は読中必死な目で本格を探したのですが、つまり本書を本格として読んでいたのですが、読了後ひょっとしたらあれが、と思いつく2,3がなきにしもあらずではありましたが、やはりあまりにも悲しくなって泣きました。
 本格を遠く離れては本書が何であったか評価しがたいものがありますが、横目にゴンゾーな文体(意味不明)を用いたゴンゾーっぽさは十二分に発揮されていたように思いますので評価は自棄糞の星5つ。

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2005/09/14 12:10

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2004/09/26 21:43

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2004/10/11 13:59

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2004/09/28 21:19

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2004/10/07 05:49

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2004/10/05 15:02

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2004/10/20 08:16

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2004/10/10 22:01

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2004/10/15 19:55

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