ちょっと遠くへおとなの遠足 みんなのレビュー

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投稿者：日本経済新聞　-　この投稿者のレビュー一覧を見る

　暖かな風が肌に優しい春になると、日光を浴びながら、のんびりと歩きたくなる。「さて、どこへ行こうか」と計画を立てるとき、役に立つのが本書だ。九州北部と山口県東部から三十五の遠足コースを、写真やイラスト、所要時間などを付けて紹介している。
　各コースとも、道端に咲く草花や苔（こけ）むした石仏、そこに暮らす人々との触れ合いなど、歩かなければわからない魅力を積極的に取り上げている。行程全体のほか、途中の見所や道しるべとなる建物などを盛り込んだイラストは、眺めているだけで行ってみたくなる。観光地巡りでは得られない旅の楽しさを味わうのに格好の入門書だ。この本を“卒業”し、歩く道を自分で探せば一層楽しいだろう。
(C) 日本経済新聞社 1997-2001