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模倣犯 The copy cat 下 みんなのレビュー
- 宮部 みゆき (著)
- 税込価格:2,090円(19pt)
- 出版社:小学館
- 発売日:2001/03/21
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紙の本
面白い!
2015/01/28 22:56
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:いっちー - この投稿者のレビュー一覧を見る
上下同時に購入しました。
分厚く、小さい字で時間がかかりそうな印象。
小説はいつも数時間でいっきに読んでしまうのですが、そうはいかず、数日間ずっと頭の中にこの本のことがある状態でした。
映画化された後に読んだので、名前は知っていたのですが、映画は見ず。映画も本も読んだ知人は、本を先に読みたかったと言っていました。
中身は、なぜこの人が‥と、すこし納得もできなかったこともありましたが、最後まで引き込まれてしまいました。
読んで3年たった今でも内容を覚えているくらい、面白い内容でした。
紙の本
宮部みゆきがもっと好きになりました
2003/11/18 21:59
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:のらいぬくろきち - この投稿者のレビュー一覧を見る
ストーリーもおもしろいです。タイトルの意図するところがはっきりする
場面なんか、飛び上がりました。でもそれ以上に、ずっと抱いてた疑問に
答えを与えてもらって、勇気づけられたようなかんじがして、この本は、
とてもよかったです。
例えば、現実の殺人事件のニュースを見ながら、思っていました。ああ、
加害者もかわいそうだな、気持ちは分かるな。でも被害者もかわいそう。
被害者の遺族の言い分も分かる。けど、私はどう考えたらいいんだろう?
例えば、日常生活でも、向こうの都合も分からないわけではないけれど、
こっちからしたら理不尽なことだったりするとき、どうしたらいいのか?
そういう疑問に対する、あいまいなところはあるけれど、そのぶん誠実な
すごくいい答えをもらったと思うんです。
連続猟奇殺人なんて宮部みゆきっぽくない!と、読むまでは思っていたの
ですが、暗闇で明るいものが浮かび上がるみたいに、隠し味の塩で甘みが
引き立つように、これまで読んだ宮部みゆき作品のどれよりも、かえって
宮部みゆきっぽかったです。つまり、まっすぐで、あたたかくて、誠実で。
本当に、宮部みゆき大好きになりました。
紙の本
戦いはこれから…
2002/07/18 11:09
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投稿者:霞(kasumi) - この投稿者のレビュー一覧を見る
2日間オールナイトで上下巻、一気に読み上げました。
読み終わっての感想は一言で言うならば、「戦いはこれから…」です。
現実でもよく犯人が逮捕された後TVで
「犯人が逮捕されました。事件はこれで解決です」。
というような報道がされますが、これは第三者の考え方だと思います。
被害者の家族にとったら犯人が逮捕されたからが本当の戦いなのではないでしょうか?
被害者の家族が望んでいるような判決がなされ、それの刑が施行されるまでには
気の遠くなるような時間がかかります。
この本ではたくさんの人が被害に遭っているので
想像以上に時間がかかるでしょう。
私が一番気がかりなのは有馬さんが生きている間に刑が施行されるかどうか。
お話と言ってしまえばそれまでですが、
判決・施行されるまで有馬さんが生きていることを強く願わずにはいられません。
紙の本
徹夜を覚悟して取り掛かること
2002/06/10 20:02
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投稿者:あつぼん - この投稿者のレビュー一覧を見る
上巻を読んできた読者は真犯人を知っている。世間はまだ犯人を誤解したままだ。いつどんな形で真犯人が罰せられるのか、それを知るまで否応なく読み進めるはめとなる。
しばらくなりを潜めて計画を練っていたのか、真犯人は思わぬ形(彼にとっては計画どおり)で登場する。
少しづつほころびは見えてくるのだが、この下巻4分の3まで進んでもまだ決定的な状況にはならない。結局、ノンストップで最後まで読まされてしまうことになるのだ。
エンディングに関しては確かにひっかかりがなくもないが、じゃあ書き込めばいいのかというとそれはそれでテレビドラマのような幕になってしまっては興ざめのような気もするので、やむを得ないところではないだろうか。
ほとんど最後まで読者をぐいぐいひっぱったので5つ星。エンディングでちょっと引きたいところだが四捨五入してやっぱり5つ。
紙の本
真実を見る目を眩ませるモノ
2002/03/22 05:38
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投稿者:ゲレゲレ - この投稿者のレビュー一覧を見る
東京のように多くの人が住む都会では、人に気を使わなければならないシーンが多い。そして、「人に気を配ること」=「良いこと」という固定観念に捕らわれ過ぎている人もいる。そんな人は、無神経さが引き起こすトラブルを恐れ、自分が「無神経な人」呼ばわりされることを恐れている。気配りに頭が行っていると、真実を見る目は曇ってしまう。時にトラブルが起きたとしても、真実に目を向けなければならない場面もあるのだ。
登場人物のひとり、フリーライターの前畑滋子は非常に周囲に気を配る性格だ。前畑は、容疑者の妹、高井由美子が兄の無実を遺族たちに会って訴えようとした時に、遺族たちの気持ちに配慮し、「絶対に会うべきでない」と反対する。傷心の遺族に容疑者の妹が会うことなど無神経、非常識と考えたのだ。
一方で、遺族のひとりである老人、有馬義男は、犯行の真実を知りたい一心から、本当は由美子に会って話を聞きたいと思っている。前畑は、そんな有馬の話を聞いたわけでもなく、由美子の主張には聞く耳を持たず、勝手に二人の気持ちに配慮し、二人の出会いを阻むため、誰も真実には近づけない。
前畑は、マスコミ関係者でありながら、事件の裏が取れていない容疑者を犯罪者と決めてかかり、事件の裏を自分で取ろうとせずに、遺族に配慮することばかりに気を使う。その姿は、噂に左右され勝ちな、よくいる都会のおばさんだ。そんな前畑に、彼女が執筆する雑誌の編集長は、「奥さん」と呼びかけて揶揄する場面もある。編集長には前畑が真実を追いかけるプロのライターには見えなかったのだろう。
物語の中では多くの登場人物が面と向かった対話から逃げ、対話しても相手が口から出した言葉を率直に受け取ろうとしない。その代わり、目線や表情で相手の気持ちを読み取ろうとしたり、言外の意味を考えたり、会ってもいない人の気持ちを推量したりする。直接対話を避ける多くの人たちは、自分勝手な思いこみの中にいる。一向に真実に近づこうとしない人たちのそばで、真犯人は大手を振って歩いている。人々のつきあい方を、読者という立場で俯瞰させられた時に、愚かしもく、歯がゆいリアルな人間関係が見えてくるのだ。
紙の本
女性連続殺人事件の犯人の動機は
2001/05/13 00:46
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投稿者:格 - この投稿者のレビュー一覧を見る
下巻始めはまだ第二部が続く。そして、第二部の終わりは第一部の終わり。同じ話を焦点を変え、時間を巻き戻して何回か語られている。ときどきとまどう部分もあるものの徐々に核心に迫っていき、納得させられる。
そして、第三部。いよいよ残りの人物を中心として、どう事件を解決させていくのかと思うと、意外というか唐突な展開。一応あとからも事情を説明されているし、事件、犯人の性格上そうなるのも理解できるが、それにしても、ちょっと強引。そしてこれを警察の地道な捜査が追いつめていくのかと思うと、最後に強烈などんでん返しというのか…。面白い。
ちょうど女性殺人事件の犯人が捕まったというニュースが飛び込んできたが、あまりにも単純な事件。『事実は小説より奇なり』というが、とんでもない。『小説は事実の百倍も奇なり』というところか。
一人の死の周りには被害者の家族、周辺はもちろん、加害者の家族なども含めて大変な影響を及ぼしているのだ、ということが繰り返し、語られている。このことがこの小説の重さを形作っているが、最後の部分などエンターテイメントの部分がやはり優れている。もっともこの劇的効果をだすためか、ここまで丁寧に詳細を語られてきた物語が終盤、警察の捜査についてほとんど触れられていないのはちょっと不自然。