紙の本
社会経済学について書かれた数少ない専門書です!
2018/11/11 09:41
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、社会経済学について書かれた数少ない専門書です。資本主義とは何かということをテーマに考え続ける社会経済学について、分かり易く、図解をまじえて書かれた入門書とも言えます。ただ、このような社会経済学という分野について書かれた書籍はそれほど多くはなく、非常に価値ある一冊だとも言えます。資本主義に興味をおもちの方は、ぜひ、本書をお読みください。何かしらの答えが見つかるかもしれません。
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マルクスの経済学の入門書としてはこれが一番いいのかな、とか言いながら最後のほうあんま理解してなかったんですけど笑
彼はリアルなマルクスを捉えようとしていて、そうゆう意味でアソシエートした個人が作り出す社会とかをちゃんと書いてソ連型社会主義を批判してるところはやっぱしっかりした研究者だなと思います。
前半はマル経とゆうよりその根底にある史観や哲学なんだけど、これは池上さんみたいな入門書の入門書みたいのを読んでからのほうが全体像が見えて筆者がどこに連れて行こうとしてるのかわかるので、本書はその後がいいのかも。
後半を読んでてやはり思うのはマル経では現代の経済は説明しきれない。そこがおれがマルクスの思想をかっても経済学は?してる理由なんだけど、まぁこれからの研究に期待したいかな。
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分厚いのが難点ですが,『資本論』全三巻のオーソドックスな理解はこれをしっかり読めばいいのではないかと思います。若干分かりにくい図解もありますが…
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難解な本の代表格とも言えるマルクスの「資本論」。この資本論を読むための参考書として、極めて優れている。
あたかも逐条解説のように、資本論に沿って噛み砕いてくれたおかげで、どれほど「資本論」を読破するのに役立ったことだろう。
有難い。感謝!!
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日本MEGA編集委員会の代表を務めた著者によるマルクス経済学の解説書です。
タイトルは「社会経済学」となっていますが、「はじめに」によるとこれはpolitical economyの訳です。ふつうは「政治経済学」と訳されますが、このことばは「「純粋に科学的」な経済学とは異なる「政治的」なバイアスのかかった経済学なのだという奇妙な観念」につきまとわれており、また、たんに「政治にかかわる」のみならず、もっと広く「社会にかかわる」経済学であることから、本書では「社会経済学」ということばが用いられているということが説明されています。
内容は、マルクス経済学の基本事項をまとめたもので、いわゆる「経済原論」と呼ばれているテキストとおなじような内容になっています。数多くの図表を用いて説明をおこなっているところが特色なのですが、正直なところ、徒に煩瑣なものもあるような印象を受けました。マルクス経済学の初学者の多くにとって、最初の山となるのは再生産表式論ではないかと思うのですが、本書の図解は基本的な事柄をシンプルな図を用いることで直観的にわかりやすくするようなものというよりも、よりくわしい説明をおこなうためのものになっているように思えます。
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マルクスの『資本論』の内容を解説した本。
著者は日本MEGA編集委員会代表の人らしい。
『資本論』の論旨を図解してある。とくに第二部資本の流通過程はすごくわかりやすくなっている。
残念ながら、資本主義はまだ終わっていない。いまだに僕たちは資本主義経済の中に生きている。だからこそ、どのような仕組みでこの資本主義経済が動いているのかを、知っておく必要がある。そのためには現在主流となっている近代経済学(ミクロ・マクロとその発展)だけでは不十分だ。資本主義のダイナミズムをもっとも生き生きと描き出しているのは『資本論』だからだ。しかしなにしろ『資本論』は分厚い。読むのには根気がいる。しかもマルクス特有の弁証法的な言い回し(そこが魅力でもあるが)に慣れないと、難解でもある。
長大な『資本論』の論旨を追いかけるうちに迷子になってしまわないように、こうした本を副読本として使うのはアリだと思う。