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私は「うつ依存症」の女 プロザック・コンプレックス みんなのレビュー
- エリザベス・ワーツェル (著), 滝沢 千陽 (訳)
- 税込価格:1,980円(18pt)
- 出版社:講談社
- 発行年月:2001.4
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紙の本
よい訳だが、あくまで意訳ではないか
2001/11/01 06:49
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:わに - この投稿者のレビュー一覧を見る
こなれた、読みやすい文章であった。「うつ病」に苦しむアメリカ人女性の心の動きが、鮮やかに綴られていた。
しかしちょっと待て。この本の「うつ病」とは、英語で言うと何に当たるのだろう? これだけを読むと、日本でも診断名としての「うつ病」が、違和感なく医療現場や世間で定着している、という誤解を招きはしないか?
訳者自身も軽度のうつに悩み、プロザック(日本では発売されていないSSRI系の抗うつ薬)を服用した経験があるという。本書の訳し方には、多分に、訳者個人のうつに対する捉え方、もっと悪意ある言い方をすれば、軽症のうつ患者が重症のうつ患者を見るときに生じがちな、薄っぺらな共感と理解が反映されているように思う。
原題は“Prozac Nation”(コンプレックスではなく!)、「うつ病」の原語確認も兼ねて、原著を手に取りたい1冊である。
紙の本
「うつ」という個性
2001/09/06 23:56
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:nory - この投稿者のレビュー一覧を見る
プロザックとは、現在世界で数千万の人々が服用している抗うつ剤である。アメリカでは18人に1人が服用しているといわれている。それほどうつ病が浸透しているともいえるし、それほど簡単に処方されているともいえる。
著者は11歳のころからうつ病の症状が出始め、どうせ死ぬのになぜシャンプーしたり、本を読んだり、恋をしたりするのか疑問に思うようになる。高校、大学と年を重ねていっても症状はよくならず、むしろ悪い方へと向かいどん底まで落ちていく。
そして落ちるとこまで落ちて初めて、うつ状態とうまく付き合えるようになった。じつは「うつ」というものに頼っていたということに気づいたのだ。
たしかに「うつ」というものはひとつの個性でもある。「うつ」でない自分はただの人。著者はうつ病はナルシスティックな病であるという。深い自己陶酔によって自分の考えから離れることができなくなるというのだ。
アメリカ文化は中間に生きる人を嫌う傾向にある。平凡さや二流というものが認められない。人々は何か特別な人であろうとする。それが「うつ」という特別さであっても。
しかし「中間の平静さ」に気づいた彼女は自分をコントロールできるようになる。もちろん、うつ病の原因や症状というものは人によって違うだろうが、これは彼女のの出口となった。
著者は最後の最後まで薬に頼ることなく、セラピーや入院などあらゆる可能性を試している。結局はプロザックを服用するのだが、その経験者だからこそ安易な薬の処方を危惧している。いまでは神経症の猫にも処方されているらしい。
薬で治るならそれでいいじゃないかという意見もあるかもしれない。ただ、それでは根本的なところはいつまでも同じだということを著者はいいたいのだろうと思う。
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