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中国WTO加盟の衝撃 対中ビジネスはこう変わる みんなのレビュー
- 鮫島 敬治 (編), 日本経済研究センター (編)
- 税込価格:2,750円(25pt)
- 出版社:日本経済新聞社
- 発行年月:2001.5
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紙の本
2001/07/01朝刊
2001/07/12 18:16
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投稿者:日本経済新聞 - この投稿者のレビュー一覧を見る
中国が世界貿易機関(WTO)に加盟した場合の国内外への影響を、日本、中国、米国の計十二人の専門家を動員して分析、展望した書である。マクロ、ミクロ経済の両側面からアプローチする一方、中国の政治・社会へのインパクトや、米国からみた中国加盟の懸念・問題点など、広範な領域を網羅した。視野の広さと分析の具体性において、類書のなかでもとりわけ内容が充実している。
約十三億の人口を擁する中国がWTOに加盟することは、中国はもちろん世界経済にとって画期的な出来事である。すでにこれまでにも多くの論文や各種の関連書籍が刊行されてきた。それらは、WTO加盟が中国経済をどう変えるかの分析が中心だった。
本書の中で特に興味深いのは、米議会エコノミストが執筆した第六章である。著者は知的所有権保護などに関する米中交渉の経験をもとに、「法の支配」に欠ける中国がWTOのルールをどの程度守るかに疑問符をつけ、「世界の貿易紛争の調停者としてのWTOの信用に傷がつき、世界の貿易システムが弱体化する」懸念を指摘している。米国内の一つの視点として注目に値する。
電子、自動車、金融・サービス、農業など、各分野への影響についての分析、予測は日中の実務家、専門家が分担執筆しているが、内容は具体的で充実している。巻末には、WTO加盟に関する日米など主要国と中国の合意内容を盛り込み、資料的価値もある。
(C) 日本経済新聞社 1997-2001
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